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紙の本
もっとよく理解したい人のために
2006/11/08 21:17
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ソフィア・クラリス - この投稿者のレビュー一覧を見る
丁寧に言葉を説明しています。オタクや通と呼ばれる人のためではなく、一般の視聴者として、もっとよく理解したい人のために書かれています。
著者は読者と一緒にアニメを見た友達として対等に話がしたいようです。だから、お互いに共通の土俵の上で語ろうと、辞書を引き、言葉を定義し、自分の手持ちの札を見せています。私はこんな理由で、こう思うのですが、あなたはどうですかと。
誰も知らなかったような宮崎駿さんの談話などは一切引用されていません。誰でも知っていることで、気が付かないこと、理解していなかったこと、それが「秘められたメッセージ」だと書いています。
良く分からない「もののけ姫」の最後のシーンについても一生懸命考えて、こうではないか、ああではないかと、語りかけ、考えようとしています。
「風の谷のナウシカ」についてのキリスト教的な議論は、専門家に聞いたところ、間違いなく正統なものありながら、独創的だそうです。著者が引用しているナルニア物語の作者CSルイスの影響を受けているのかもしれないと思いました。C.Sルイスもキリスト教の神学書を書いているからです。
ナウシカnausicaaとクシャナcusianaaの名前は同じアルファベットの文字が使われていて、置き換えることができるのは、二人の間に共通する要素があるからだと言う説は、なるほどと思いました。
この本には書いてありませんが、読んだおかげで、『ハウルの動く城』の形が最初と最後で違うことが分かってきました。
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