電子書籍
気持ちよく最後まで読めた
2020/06/21 18:30
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投稿者:amnd - この投稿者のレビュー一覧を見る
途中、これはサスペンスだったの!?という展開になってびっくりしたけど、最後まで楽しく読めました。
個人的にはかなりの無理やり展開だと思ったけれど、それでもこんなに面白いのはさすが一穂先生。
エロスもエロくてよかった!
ハピエンで読後感がよかったです。
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投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり
都心から少し離れた海辺の土地。
読んでいる間、絶えず波の音がするような感じ。
色々な海が物語の背景に描かれている。
東京から休暇でやってきた宗清
海の事故で意識不明の弟を2年間看病している泉
そして海の事故で意識不明のままの靖野
(意識不明のままなのに存在感が半端ないです)
色々な事柄がちりばめられてそわそわする感じで読み進めて
何かあると思っていたけれど
宗清の告白にかなりびっくりした。
(泉の告白はそうかなぁって感じだったけれど)
えええ、そうくるのかって。
でもそこから振り返るとなるほどって思うこともあり
そこらへんはやはりうまく構成されているなぁっと。
(落ち着いて読みかえして見ると出来すぎ感は少しあるけれど、
気になるほどではない)
「西海岸」のマスターも真帆ちゃんも
生きている人の存在感がはっきりとあって良かった。
最後になって登場人物の名前とタイトルに気がつく
なんかやられた感満載な気分になってしまいました。
電子書籍
肌を温く潮風が纏う感じ。
2016/08/28 17:43
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投稿者:nachi - この投稿者のレビュー一覧を見る
海のそばで育ったので、海が物語に出てくるものは特別に感じてしまいます。そして「青」も特別な色です。
命を扱っているので、泉の目線で読み進めていくと、胸が締め付けられていきますね。何かがぐっとテンションを高めることはなく、波のように引いては満ちてを繰り返すような、静かだけど、じわりじわりと迫られていくような。波の音がずっときこえてくるような。気が付かないうちに息苦しくなって、たまにフッと息をつきたくなる。
しずのと宗清のこととか、ン~と考えながら読み進めての展開には驚かせれました。
少し飄々とした宗清がちょっと好みじゃないかな。
しずのも幸せになって。
一穂さんの文章好きです、表現力。
紙の本
潮騒と青のグラデーション
2015/08/30 11:29
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投稿者:kico355 - この投稿者のレビュー一覧を見る
作家買い。
読んでいる間、耳にはずっと潮騒が聴こえていて、目には物語の進行やその時の登場人物の心情に合わせていろんな濃度の青が見えている…といった印象でした。
様々な複雑な心の悩みを抱えながら、家族であろうと、大切な人を支えようともがく姿に胸が痛くなりつつ、軽妙な会話が緩和材に。
母親事情はなかなか踏み込んだ内容で、BLなら平気でもヘヴィに感じるのは何故だろう?
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webでも読んでいたのですが、改めて本で読むと感動や切なさが胸にぐぐんと来て、最後はやっぱりぽろりと涙してしまいました。
お互い口には出せない秘密を抱えた者同士が、2人の世界だけで許しあい秘密をさらけだせる関係になっていくのを見ていると、触れてはいけないタブーを覗いているみたいな心境になってドキドキしました。
一穂さんは本当にドキドキさせてくれるなぁ~!!
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一度さらっと読んだ後、2度目読み返して、いろいろちりばめられた秘密のヒントを改めて回収。初見じゃいろいろ???なことも多くて。複雑な人間関係。
出来過ぎたおはなしだけど、素敵だった。ちゃんとハッピーエンドで。
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一穂さんブログの掌編まで読んで、泉の中の拭いされない憂いの『青』に引き寄せられた宗清の心を映し出したタイトルだったんだな、とストンと胸に響きました。印象的なタイトルと藤たまきさんの海辺の匂い立つ空気を感じさせるイラスト、表紙も含めたデザインがとても魅力的。
海での事故以来二年間目覚めない弟を介護し続ける泉と、彼の前に突如現れた弟に良く似た男・宗清。彼らの抱えた『秘密』が露わにされていく中、波のように押し寄せる痛みと苦しさにぎゅっと胸が苦しくなりました。
泉の抱えた行き場のない苦しさと、それらを真っ直ぐに受け止めていく宗清のおおらかな健全さ、強さとその眩しさ。
対象的な二人が心を近づけていく心情描写の深さ、心の色の掘り下げにぐいぐい胸を揺さぶられました。
テクニカルライターという職業からくる泉の性格や言葉選びも印象的。『仕事』を基盤とした人の思考を描くのが上手い人だなぁと。
純度の高い、強くきらめくような魂と魂の結びつくような恋と、『家族』のあり方が強く深く心に残りました。
泉の継父のキャラクターが温かでホッと心が安らぐような気持ちに。
(靖野の性格は父親似なのかな、と思ったり)
書き下ろし、目を覚ました靖野と宗清、泉の三人のエピソードはそれぞれの織りなす想いにぐっと胸が掴まれるよう。
心と心が結びついての交歓としての行為の想いの強さが深く胸に突き刺さります。
鮮やかな空気の色、色彩、感情の一つ一つが強く深く心に焼きつくお話でした。
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web連載時は後半で明かされた“秘密”にテーマを持っていかれたような気がして、あまり好きじゃないなと思った。その後、一穂さんを作家買いしようと決めてから遅れての購入。読みなおし、すべてを知った上で泉(受)視点の宗清(攻)を追って読むと…気安さが思慕になっていくのが丁寧に綴られていて、じわじわとキてしまった。思いがけずに。
“秘密”の部分はあくまで彼らを取り囲む要素のひとつで、ちゃんと泉の恋愛がメインなんだと気づけたのが良かった。包容攻、大好物!だし。限界に近かった泉を救ったのが宗清だったというのも意味があると思えた。“秘密”がなければ萌えだったものが、それがあったことによって別の物語に昇華されてしまったのは否定できないけど、ちゃんと二人の恋愛を描いてあったのが良かったです。
最後に、オマケのイラストやSSでチラッと登場した生きて動いている靖野。さわやかな風貌に加えて、サラッと自分の恋心(というか苦悩?)を相手の負担にならないように抑え込んでいるところが非常にツボでした。(ビジュアルも好み!)フルールの小説部門はなくなっちゃったって聞くけど、スピンオフでて欲しいな。
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内容(「BOOK」データベースより)
静かな海辺の街で暮らす和佐泉は、毎朝の日課で海岸を散歩中、ひとりの男と出逢う。少し猫背の立ち姿、振り向いて自分を映した黒目がちの瞳―叶宗清は、海での事故以来、病院で2年間目覚めないままの弟の靖野によく似ていた。旅行中だという宗清の飾らない人柄を疎ましくも羨ましく、眩しく感じてだんだんと惹かれていく泉。だが泉には、同じように好意を寄せてくれる宗清には応えられないある秘密があって…。
それぞれの親同士の恋愛は成就しなくて、その子同士も恋して、こちらは成就しました、ってことでいいのかな。
風景とか情景とか、自分の心の中にもあるような気がする郷愁を煽る文章が好き。
心情も、キレイなところもあったり、そうでないところもチャンと書かれてたりするのもいい。
宗清:「血がつながっていないと知った時、心は騒がなかったか。だったら、と思いはしなかったか。」
とかね、そうだよね、人ってそう思うよね。それに対して、これが答えだよね。
靖野:「兄が捧げてくれた二年間に対して返せるものを、ほかに思いつかなかった」
あ~いいなぁ。
二年の寝たきりで、目覚めたとき、そんなにすぐに身心共に健康にもどれるもの?ってところが気になって仕方がない。お話の本筋には関係ない感想なんだけど。
でも☆マイナス1。
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読まないとーと思いつつ積んであったのを、病院の待ち時間の暇つぶしに、と読み始めたら最後まで一気読み!でした。
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全体的にストーリーはよく練られていて、そこはさすが一穂先生って感じでした。主役2人以外の登場人物もきちんと描かれていましたし、靖野が目覚めるまでバイトを新たに雇わないマスターも、陰口に本気で怒る真帆も、全てを受け入れる泉の父も、みんな温かくて素敵でした。
ただ、泉と宗清の恋愛が中心に描かれているにも関わらず、物語全体として浮かび上がってくるのは紛れもなく家族の話で、どっちが軸なのか定まりきらず、最終的にどちらも中途半端で終わってしまった印象でした。また主役2人の思いも微妙に噛み合ってないまま終わったようにも感じました。例えば、泉は、宗清に救われて孤独な狭い世界から外に出ることができましたが、宗清にとっては、泉と出会ったことよりも、靖野という弟に生きて出会えたことの方が大きかったんじゃないかなと感じました。
先生が色々な要素を盛り込んだ素晴らしい作品を書かれる方だというのは、他の作品でよく知っています。また次の作品、期待して読んでみます。