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紙の本
寡黙な男の本心を知った時…
2003/02/02 23:14
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:由似 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作「目眩」のラストで、半ば強引にヤクザの遠峰によって香港に連れて
いかれた光一。屋敷から一歩も出ず、多くの監視カメラに囲まれ、彼は遠峰
の愛人としてのみ生活することを強いられていた。なぜ、遠峰は光一を軟禁
状態にするのか? 香港に連れてきた真意は? やがて明らかになる遠峰と香港
マフィアの対立。否応なしに巻き込まれる光一。やがて光一が香港マフィア
に拉致された時、遠峰は…?
遠峰の愛人という立場に甘んじる光一。そんな彼を哀れみ、彼に惹かれる
孝賢。相変わらずのポーカーフェイスの遠峰。前作と異なり、美貌で不運続
きというよりは、遠峰の愛人であることで、光一自身に災難が降りかかると
いう展開だ。すべてを諦め、受け入れていた光一だったが、遠峰の真意と、
自分自身の気持ちに気づいたことで、初めて自らの進む道を決める。それが
とても清々しい。
寡黙な遠峰の心情を客観的に伝える矢沢の台詞も心に響く。遠峰が寡黙で
ありながら、こうも存在感があるのは、片腕である矢沢の存在によるところ
が大きいように思う。殆ど台詞のない遠峰。しかし、彼の行動、考えに大人
の男のかっこよさを感じる。光一ならずとも惹かれてしまうのは無理からぬ
キャラクターだ。これでストーリーは一段落した形だが、新たな関係となっ
たその後の二人の続編を熱望してやまない。
紙の本
困難な道をあえて選ぶのは…
2001/07/13 08:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:純弥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『目眩』もそうでしたが、やはりこの『目眩 2』も、購入したとたんに、貪るように読んでしまったお話です。
えー…、なんと言ったらよいのでしょうか…? 読んでいる最中、何度も涙が出そうになりました。どうしてみんな、簡単な道を選ばずに、困難な…というか、苦しむことがわかってる道を選ぶのだろうと…。自分なら、何の迷いもなく、簡単で安易に幸せになれる道の方を、絶対に選んでいるだろうのに…。
この違いは一体どこからくるんだろう? などと、と自分の考え方と比べてしまったりしながら読みすすめてしまいました。
光一も、外面はいとも簡単にまわりに流されてるように見えながらも、やはり一番深いところで…というか、自分の本当の根幹のところでは、そう簡単に流されるオトコではないのですね。それが強く感じ取れて妙に安心してしまった自分でしたが。自分の信念は何としてでも通す、オトコなのですね。
『好きだから、愛しているからこそ、その人にふさわしい人間になりたい…』
この命題は男と女の間よりも、男と男の間に、より強く存在するような気がいたしました。(笑)う〜ん…。
本当に読んでいて切なくなるような、そしていろいろなことを考えさせられたお話でした。この『目眩』シリーズの次作にも、すごく期待しています。
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