絶望的な状況での無垢な希望
2007/02/23 01:36
13人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:じゃい - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある日、空が急に明るくなり全てのものは砂になり、さらさらと崩れていった。そして地上は砂漠になった。助かったのは、地下にあった人や物だけ。
わずかに生き残った人々は水や食べ物を奪い合うようになる。
まさに北斗の拳の世界だ。『199X年、世界は核の炎に…』と始まりそうだ。
北斗の拳は見方によっては、かなり笑えるのに、こっちは全然笑えない。
代々、代議士の一家の亮介と、その家の家政婦の息子しのぶは子供のころから主人と家来の関係だった。頭がよく、要領の良い亮介は、頭も要領の悪いしのぶを友達とは思っていなかった。
学校帰り、二人は偶然、地下にいたため、難を逃れたが亮介は足を怪我してしまい、動くことすらままならない。食べ物もなく飢え死にすると焦る亮介と亮介さえいればいいというしのぶ。そんなしのぶに苛立つ亮介。
この砂漠化がどの程度の範囲で発生しているのか。どれだけの人が存在しているのか。助けがくるのか全てが不明。
亮介は性格が悪い。お腹がすくのもこんな目にあっているのも、全部しのぶのせいだと文句を言う。いないと困るのが分かっていて、しのぶに頼っていることに苛立ち、八つ当たりをする。しのぶのことは「もの」としか思ったことがない。亮介にとってここは絶望的な世界。
しのぶはたった一つの大切なもの、亮介を守る以外に何の関心もない。自分の命も他人の命にも。ただ一緒にいてほしい。ここでは亮介は自分がいないと生きていけない。自分のことが嫌いでも一緒にいられる。しのぶにとってここは幸せな世界。
荒れた状況のなか、しのぶは自分の人生で唯一のものを守るため、行動がエスカレートしていく。
なのに心はどんどん無垢に向かっている。
そして守りたいはずの亮介までも、しのぶから向けらる圧倒的な執着に巻き込まれ自分を見失いそうになってしまう。
二人は人の愛し方が異なるから、こんなことになってしまうのだろうか。
幸せは人によって違うなんてことは、理解できるし、しのぶのように相手を巻き込むような愛し方は間違っている。
でもそんな激しい感情をもてるしのぶがうらやましいような妙な感じがする。
この話は感動のドラマではないし、たんたんと進んでいく。
このリズムがひどく切ない。
正直、この話がおもしろかったのかよく分らない。
ただ、この世界に引き込まれ自分の判断基準をぐらぐらと揺らされてしまった。
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いや〜・・・・・・
音瀬作品は「痛い」という表現でよく感想が書かれるのですが
これほど痛すぎる作品は初めてかもしれません。
グロテスクな表現が駄目な人は読まないほうがいいと思う。
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看了吸血鬼之後那天, 還想買來看看的. 但聽了千千的建議, 先看看內容是什麼才動手. 結果就擱下沒有買了. 有什麼不明白看評論就對了. 可以寫出那麼大段的感想實在係勁: "雖然我喜歡作者但我認為這本不是BL書. BL小説作者再加上有很多支持者, 也許因為這樣而可以原諒也説不定, 要説的話也不是一部壞作品但就BL小説來説, 這書很悶..."
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久しぶりに読んだ木原作品。相変わらず痛い。むき出しの感情にザクザクとナイフを突き立てられるような感じ。もうBLのくくりに入れるのは失礼じゃないかと思う。今回は人間の普段は出てこない本性とでも云うようなべき部分が上手く書かれていると思う。特に後半の田村ベースの話はそれが顕著に出ているというか
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救いようがない話。と言ってしまえばそれまでかもしれない。。後味が悪く非人道的なエピソードを生理的に受け付けない人の方が多いだろうけれど…私は筆者の描く人間の負の心理描写がすごく好きです。彼らみたいに追い詰められたら私もきっと同じ事してるだろうと考え込んでしまいました。
私は後半のおぞましい展開より、主人公の恐怖感に同調してしまったのか、最初の方がとても怖かったです。。
余談ですが、この本を読んだ後に、ご飯が食べられるって幸せなことだなと思ってしまいました。
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これまたとても良い雰囲気のお話です。この追い詰められた際の心理描写にはいつもながら脱帽です。読み終わった後BLってなんだろうって本気で考えました^^
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腐ジャンル出版社から出てますが、括りはSF(?)
救いのない世界での人間のエゴが恐ろしいです。
ハッピーエンドしか受け付けない人には向きません。
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木原ワールドとゆうか
最終兵器彼女 を知ってる方はちょっとデジャヴ的な。(ほんの一部ですが
話は暗いけど、お互い信頼しあったり 素敵だなと単純におもう。
ただまぁ、私の愛すべきキャラはいなくなってしまいますが・・・orzズーン
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痛い系が多く、それが魅力の木原先生の本の中でも、これはとりわけ読む人を選ぶかもしれません。(苦笑)
ある日から突然世界が真っ白の砂漠化した世界で、亮介としのぶはその生き方を迫られます。
言ってしまえば、極限状態の中、人は人の肉を食うか食わないかという話にまでなります。
読んでいると自分はどうするだろうかと考えさせられてしまいます。
でもこれは、人物描写や文章構成が秀逸な木原先生だからこそ描けたお話だと思います。
まあ、正直私も読んだ後はあんなシーンやこんなシーンが焼きついてしまいました。どんなシーンにしろ強烈なイメージです。(笑)
BLの中でも読者は選ぶかもしれないけれどだからこそ読んでみてほしい木原作品のひとつです。
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ある意味ホラー。おもしろいけど、惹かれるけど、監禁ものってやっぱりすごい怖い。木原先生が書くからよけい。終始、殺伐とした雰囲気。ハッピーエンドですらない。挿絵がとてもさっぱりしてて雰囲気にあっていたと思う。あと、木原先生は失禁するシーンをかくのがすきだよね...w
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確認先:町田市立中央図書館
一読してボーイズラブ版『家畜人ヤプー』という評価をしようかと本気で思った。
木原の作品の中でも極北の位置を占めることに間違いはないだろう。
あまりにも残酷な現実ゆえに、拒絶反応を出す人も居るのは仕方ないが、ちょうど石坂啓による『もの食う人々』のマンガのそれや沼正三『家畜人ヤプー』同じものだと思えばそこそこいけるのかもしれない。
地球滅亡ネタや、自分だけが最後の一人になりました的な展開を見せる映画は多々あるが恐らくこれはそうした部類の作品とも違う(主人公などに何らかの救済的な要素を含んでいるので)救いようのない情景の先に何があるか―まずは一読することをススめる。
コレを読むと東野圭吾なんて本当に目じゃなくなる。
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正直、BL小説じゃないw
純粋、純愛だと聞いていたんだけどな・・・笑
まぁ、人の愛し方はたくさんあるよね。
自分がいないと
何もできないように
相手をさせたり…。
好みではありませんでした。
あと、ファンタジー的(?)だし
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朝の電車なんかで読むんじゃなかったなあ、と…
す、救いようがない…
ただ、やっぱり面白いもので、
帰りの電車で続きを読んで、
そのまんま駅のコーヒーショップに寄って、
一気読みしてしまいましたけれど。
wellって、井戸って意味もありながら、「いい」って
意味もあるんですよね。
カニバリズムの肯定表現…
だとしたら、びっくりしてしまう…
女性向にそもそもカテゴライズしていいものかも
わかりませんが、読み応えのある作品ではありました。
★みっつなのは、ただの、ハッピーエンド主義のわがままです。
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★が2つなのは、話が中途半端に終わっているからです。
ただし、このお話はかなり評判悪いです。
鬼畜で異常な世界。
未来も何もない世界にいきなり放り込まれた若者の生活なんだけど。
気持ち悪い系が嫌いな人はダメだと思います。
ただ私は、何で世の中がそのような世界になってしまったのか?
その後どうなったのか?
と、いうことを知りたいです。
続編がでたら(出ないと思うけど)・・・それでも★3つですけど。
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漂流教室とか、ドラゴンヘッドの設定に近いです。
すなわち、世界が突然崩壊したらという話。
BLにしてはかなり重いテーマです。
…ってこれってBLか??
カニバリズムとか、この手の話にありがちなグロい描写があるので要注意。
全1巻【エロ度:★★☆】