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「〜だと思う」、「わたしの経験から〜であるべきだ」といった、根拠のないフワッとした感想ではなく、実験データに基づいた教育本。「エビデンス」という言葉、近年よく耳にするようになってきましたが、教育の分野でもこんなアプローチがあるんだと、面白く読みました。
研究者の社会貢献ってこういうことなんだなぁと…。
教育に物申したい人が多いですが、こういった研究が他国に比べて進んでいないのが意外でした。
そして、高橋名人の名言「ゲームは1日1時間」はエビデンスがあるということがわかりました(笑)
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育児書は私の経験談的主観の本が多く、なるほどなと思うものもあるが、「本とかね?」と思うものも少なくなかった。本書はデータを元にした教育論書で、今までにあまり無かったタイプの育児論書。納得感も大きい。
ふと、育児についても考えてみた。このような本を読み、育児の事について考えている時間も育児なのだろう。この知識を生かせれば良いな。
【学】
ご褒美は「テストの点数」等のアウトプットではなく、「本を読む」「宿題をする」などのインプットに対して与えるべきだ。アウトプットは具体的には何をやればよいのかわからない。
自尊心が高いと学力が高まるのではなく、学力が高いという「原因」が自尊心を高める結果になっている
「あなたはやればできるのよ」などと言って、むやみやたらに子供を誉めると、実力が伴わないナルシストを育てることになりかねません。とくに、子供の成績がよくないときはなおさらです。
「頭のいい子ね」と元々の能力を誉めるメッセージを伝えると子供たちの意欲を失わせることになる。
一方「よく頑張ったね」と努力した内容を誉められた子は、2回目、3回目のテストでも粘り強く問題を解こうとチャレンジし続けた。
最近の研究でも、特に苦手教科の克服には、異性同志の教師と生徒の組み合わせの方が有効である
人的資本への投資はとにかく子供が小さいうちに行うべきだ(小さいうちに、金、時間をかけろ)
家計が大学卒業までに負担する平均的な教育費は、幼稚園から大学まですべて国公立の場合で1,000万、すべて私立の場合では2,300万に上がる。子供がいる家庭は、年収の40%を教育に使っている
ペリー幼稚園プログラム
未就学児に、少人数制で読み書きや歌のレッスンを平日2.5時間実施、家庭訪問し親にも育児アドバイスをしたところ、40歳になっても継続して、所得が高い、逮捕率が低いなどの効果があり、社会収益率は年率7%~10%にも上がる計算になった
高校を卒業後すぐに働き始めた人と、大学を卒業してから働き始めた人の間には、生涯年収で一億円の差
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ご褒美はアウトプットではなくインプットに与えること。
小学生以下はトロフィーなど、中高生以上はお金でも良い。
ご褒美をあげても勉強を楽しいと思う気持ちはなくならない。
◯よくがんばったね!
×頭がいいねえ!
『教育にエビデンスを。』
2019.3 再読
めちゃくちゃ面白い
教育経済学めっちゃ大事や。、
日本でももっと広まっていろんな実験が出来るようになればいいな
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日本の教育がいかに統計や論理に基づいていないのか。教育を学問の立場から、相関関係が成り立つ施策が紹介されている。この相関関係というのが非常に大事で、教育は多くの人が携わるからか、誰もが専門家になり、感情的で直感的で伝統的な判断がなされてしまう。それについての警鐘も鳴らされる。
ただ読めば読むほど、では自分の子供をどうするか?を考えると、一言で言えば子供の勉強に時間とお金を費やしてあげる、ということになるのがやるせない。
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非常に勉強になった。きちんとデータで議論する重要性はこれからの時代の常識になると思う
。子供をもつ親、小中学校の先生にぜひ読んでほしい一冊
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経済学者である著者が"教育経済学"の見地から子供の教育についてよくある教育方法の定説を覆したり、あるいは是認したりする科学読本。各章で科学的なエビデンスを用いてありがちな教育論を検討していくのだが、その時に用いられる手法が"ランダム化比較試験"というものである。医学の世界では、ランダム化二重盲検という手法を使って単なるプラセボ効果かどうかの見極める作業を行うが、それに似ている。
要するにランダムに抽出された2つの教育対象グループ(子供)を作り、片方にはその環境を与え、片方にはその環境を与えないで学習を進めてもらい効果を実証する手法である。これで科学的エビデンスを蓄積すると、思わぬ事実が浮かび上がってくる。
例えば、よく言われる「ご褒美で釣って勉強をさせてはいけない」のではなく「釣ってもよい」し、「褒めて教育したほうがよい」は「しないほうがよ」ということらしい。そういった実例を通じてよく言われる教育法の実際のところを検証し、最終的にはこのランダム化比較試験を通じた"科学的態度"の重要性と誰もが語れてしまう教育法議論の不毛さをこの本では訴えているように思えた。
こうした社会実験は学者によって日々繰り返されており、新しいエビデンスに基づいた教育法がたくさん生まれてくると思うので、親の教育リテラシーがこういう本を読むことにより上がることがとても重要に感じました。
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<目次>
はじめに
第1章 他人の”成功体験”はわが子にも活かせるのか?
第2章 子どもを”ご褒美”で釣ってはいけないのか?
第3章 ”勉強”は本当にそんなに大切なのか?
第4章 ”少人数学級”には効果があるのか?
第5章 ”いい先生”とはどんな先生なのか?
補論 なぜ、教育に実験が必要なのか
<内容>
タイトルからして公教育関係者には刺激的。著者が本の中でも言っている通り、日本の教育界には「理論」がない。みなが「経験」でモノを言う。自分のところでは有効な手も、他では有効かわからない。なので、補論のような実験が必要だし、文科省などはもっとデータを出すべきなのだが、下々の学校や教員も自校のデータを出すことを嫌う。だから、「理論」が生まれないし、今の風潮だと仮に理論が出ても、信用しない。だから、教育界は「ダメ」なんだと思う。
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教育にもエビデンスを。
著者の意見には激しく同意。
教育には多額の税金注ぎ込まれてるもんね。
それ考えると税金使った結果どうなったのかと、なぜその税金使うのかの説明くらい欲しいよね。
日本が変わってくれることを願う。
肝心の内容について。
テーマも結果もなかなかに面白かった。
自分がいかに論理的に考えられていないのか、全然違うテーマの本なのに釘を刺された気分。笑
早く子供がほしいな!
自分の子供の成長を見ながらいろんなこと考えたい。仮説を立て、検証したい。笑
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学力を経済学として考えた。
学力には、色々な要素が複雑に絡む変数があるにも関わらず、因果関係を求めようとする視点が良い。マクロの視点で捉えると、教育の投資効果が測定できるのも面白い。日本の教育政策もこうした視点で見ると、財政が厳しい中でも、費用対効果が高いものを選択する事が出来て良いと思う。
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「教育にエビデンス(科学的根拠)を」
教育業界に携わる人間としてはとても面白く読めました。
何よりもすべて科学的な分析データを根拠に話を展開しているので、とても説得力のある内容だでした。
日本人がいかに根拠のない教育論理に振り回されているかを気づかせてくれる一冊。
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インプットを誉めることが1番勉強になった。
教育経済学は興味のある分野だと読んで気づいた。
成績がよくても、「もともとそういう子だったのでは」という観点が少し足りなかったので勉強になった。
教育は家庭教育の成果が多いということを読むとよくわかる。
祖母死にすぎ 5
牧口先生の理念にも通じる 19
金融よりも教育投資が大きいのは驚き 29
アウトプットを誉める場合は具体的な方法をほめる 37
誉め方が重要 51
非認知能力は大事 88
我慢すること 90
野球部でやっていること。よしよし 93
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教育という、多くの人が経験したことある内容にもかかわらず、新鮮な発見の連続だった。
経済学に照らして科学的に見ることでこんなにも分かりやすく、課題が見えやすくなるという事実に、大変感銘を受けた。
表紙にもあるような「ゲームって子供に悪影響なの?」という身近な課題から「どうやったら学力が上がるのか」という命題まで、いままで経験論や精神論で語られやすかったことが、実は経済学に照らし合わせてみると、大変わかりやすい科学的根拠をもとにその解が見えてくるのがなんとも気持ちが良い。
経済学というとついぞ難しく感じそうだが、この本ではむしろ明確でわかりやすく、納得しやすい内容になっているの素晴らしい。ベースとなっている「証拠」の出し方として「ランダム化比較試験」という、説得力と分かりやすさの高い手法を取り入れているのが効果として大きいのだと思う。
複数の事象において「相関関係」と「因果関係」がよく混同されやすいということもよくわかった。これは因果関係としてちゃんと成り立っているのか、それともただ相関関係なだけなのか、本当に影響があるものはなんなのか、そういう視点を持って生活することの大切さをひしひしと感じた。
著者の主張する通り、もっと日本での教育について、「エビデンス」をもとに様々な施策を語れるように変わって欲しいと切に願う。
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教育分野の経済学として、エビデンスに基づいた研究の大切さを論じた本。子どもを育てるときに、多角的な考え方のひとつとして、知識としては知っておくとよいと思った。
1. ご褒美にお金を得た子どもは、お金を無駄遣いするどころか、きちんと貯蓄をし、堅実なお金の使い方をしたというアンケート結果がある。→お金を得ることで、「勉強をすること」の内因的インセンティブが腐敗しないようにせんとなあ(それをお金で買いますか)
2. 悪い成績を取った学生に対して自尊心を高めるような介入(=ほめる)を行うと、悪い成績を取ったという事実を反省する機会を奪うだけでなく、自分に対して根拠のない自信を持った人にしてしまう。
3. 人的資本投資(=学力面だけでなく、しつけなどの人格形成、体力や健康面の投資)の収益率は、小学校入学前の幼児教育のときが最も高い。=人的資本の投資はとにかく子どもが小さいうちに。
4. 「教育を受けることの経済的な価値」に対する誤った思い込みを正すだけで、子どもの学力を高めることができる(マダガスカルで行われた貧困アクションラボ(実験))。たとえば、「高卒と大卒の生涯年収の差は1億円。1億円を年末ジャンボで当てようとすると1千万分の1(交通事故にあう確率が20万分の1)。宝くじを夢見なくても、大学へ行けば生涯で稼げるお金は1億円高くなる。」(=なぜ勉強するかを教える)
5. 日本では、手段にすぎないものが政策目的化する場合がある。費用対効果も検証されていない。例えば、「2020年までにすべての小中学校の生徒1人に1台のタブレット端末を配布する(2011民主党政権時、教育の情報化ビジョン)」。重要なのは何のために配布するかであるのに。。。
6. 研究者は常に「publish or perish(出版か、消滅か)」という強いプレッシャーにさらされている。
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教育に関する政策決断において個人の教育体験を参考にしてもいいが根拠にしてはならない。あまりにも個人的体験を重視しすぎると危険視し,統計資料等のデータに基づいた推論を教育においても行うことをうたう。非認知能力や少人数教育における経済学的観点からの検証は面白い。もちろん,全てを金で判断するのではなく,必要な施策であるならばその必要性を根拠を持って示すかその施策の効果を検証することが求められる。
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◾︎2015/08/16読了。
◾︎教育を経済学の理論や手法を用いて分析する教育経済学の範囲から観察。
◾︎2つの重要な非認知能力というのは納得。様々な教育手法の効果を、できるだけ公平な観点から観察しており、子供を持つ親として興味深い。