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直木賞受賞ということで、気になっておりようやく読めました。
時間が遡っていく構成はたしかに良かったですが、正直それほど素晴らしい作品とは思えませんでした。
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直木賞を取った作品が文庫本になってたので読んでみた。
桜木紫乃って作家さんは初めてだと思う。
現在は潰れてしまってるラブホテルに関わる人達の物語が一章毎になっていて、特に主人公はない。
寝る前に1章ずつ読んでると1周間で読んでしまえる。
で、テーマがラブホテルなもんだから非常に退廃的で内容が暗く、生きてくことが辛くなるような内容。
片田舎に潰れてしまったラブホテルを実際見ることがよく有るよね。
だからそれをイメージしてくれればいい。
この物語では、先生と女子高生の心中が原因で経営が成り立たなくなった。
その原因を作った二人の物語や、廃墟化したホテルを写真のロケにするカップルとか、そこに務める掃除のおばさんとか、そもそもこのホテルを建築した経営者の話とか。
ラブホテルって、どんどん改装しなければならず、普通にお客が入ってても借金地獄から抜けられないらしい。
そんな暮らしに追われる人々の話。
最初はつまらない小説だなぁと思ったけど、読み終えると、その退廃的な読了感がしみじみする。
流石に直木賞・・・とは思わないけど、なかなかいい感じでした。
かなり好き嫌いが別れるとは思うけどね。
辛くて暗くなるので万人受けはしないだろうけど、日本人独特な暗さとか悲しさとか、昔は「泥の河」なんて小説・映画が有ったけど、その現代版かなぁと思う。
そういうのが好きな方にはお薦め。
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7つの短編集ですが、
一話毎完結ではなく、
互いになんらかの繋がりがあり、
読み直すと更に楽しめる作品です。
時制のトリックも斬新。
最大の魅力は、多くを語らないにも関わらず、キャラクターの背景や思いが濃く浮き出してくる表現と、脆く崩れ落ちても尚強く優しく生きていく登場人物達のリアリティ。
明るいストーリーではないですが、読み終えると不思議と安堵や穏やかさを感じる作品でした。
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第149回直木賞受賞の短編連作集、初めての桜木紫乃。
廃墟となったラブホテルでヌード撮影をする男女から始まり、営業中だった頃の利用客、オーナーの娘、清掃員らのエピソード、さらにはラブホテル経営を決意するオーナーの話まで、時代を遡って連作短編集の形で書き連ねています。
直木賞受賞作で以前から読みたかったのですが・・・ちょっと物足りない??あっさり読め過ぎでちょっと拍子抜け(^_^;)
軽い読み物が欲しい時にはイイ感じでしょうか??
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あるホテルを舞台にした短編集。過去から現在まで、時間は巻き戻されたり、進んだり。登場する人物がどことなくつながってる話もある。ラブホテルが舞台だから、男女のどろどろした情景が中心だろうと思っていたが、そんな脂ぎった話はなく、どことなく寂しい雰囲気が全編通して感じられた。夢に破れた人々、それでも淡々と毎日の仕事をこなす。生きていく、ってなんだろう?
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うまく書いている風でそうでもない。
ラブホテルを題材にしているけど、そんなに深い話にはならない。
途中でこの本捨てて向田邦子を読みたくなった。
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北海道の湿原を見てきたところで、タイミングよく雰囲気が汲み取れた。
シチュエーションも悲しさも寂しさも結構良かったと思う。
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道東の湿原に建つラブホテルをめぐる短編集。直木賞受賞作ということもあっていつか読みたいと思っていたところ、ふとしたきっかけで手に取った。けど、つまんなかったな…。
ホテルの建設前、営業中、代替わり、閉店、廃墟になあってからといった時の切片を時系列を乱して並べる手法も今となってはありきたりだし、そこを除けばエピソードもありきたり。登場人物たちは誰もが幼稚過ぎて感情移入できない。
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北国の湿原を背にするホテルローヤルを想像して見ると、それは外国の田舎町のモーテルを彷彿とさせ、ラブホテルなのだけれど煌びやかな印象が一切無い。うらびれた寂れたそのホテルには、生きる事に何処か違和感を覚えている人々が集うー
違和感を覚えていながらも、それに対峙せずにやり過ごす生き方もあれば、真正面から受け止め抗う生き方もあり、どちらが幸せなのだろうかと考えさせられた。どちらが正しいかは客観的に見て明らかな場合もあるけれど、どちらが幸せなのかは当事者にしか計り知れない。けれど「せんせぇ」の二人がホテルローヤルが店を閉めるきっかけとなった心中事件のカップルだったと気付いた瞬間、胸の奥底に違和感を覚えずにはいられなかった。
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面白かった…とは言い難い。
しかしながら、繋がってるし、素晴らしいほどわかりやすいストーリーだった。
最後には、もっと色々なこのホテルローヤルに纏わるストーリーを読んでみたいと思ってしまった。
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北海道の湿原に立つラブホテルが舞台の連作短編集。
当然セックスが描かれているのですが、それは美しくもエロティックでもなく、田舎町のくすんだ日常の欲望であり、物悲しい。
無理やり文学的解釈をすることは不可能ではないものの、それは本心ではなくあくまで無理やりであり、何故この作品が直木賞を受賞することができたのか理解し苦しみます。
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本来は怪奇や幻想や耽美が好きなのだが、
アサダジロウミヤモトテルイジュウインシズカなどとも通じそうなこの作風にぐっと惹かれたのは、退廃があるから。
ひとつひとつの話に人の「ぬくみ」があるが、
心地よさと嫌悪を同時に感じさせる「ぬくみ」。
腐臭を伴う「ぬくみ」。
貧乏人や山師だが決して特別ではない人々が、ラブホテルという日常/非日常の場で、とてもありふれたことをするだけ。
そこにいやおうなくドラマが生まれてしまうのは、作者の着眼点の素晴らしさだ。
桜庭一樹「私の男」と似た構成だが、より群像劇の色を強めるための構成。
読後、つい遡って読んでしまった。
心に残るフレーズも多々。
「自分しかこの体を守れない」
「僕はこの十年、男も女も、体を使って遊ばなきゃいけないときがあると思いながら仕事をしてきました」
「いっぺん、思いっきり声を出せるところでやりたいの」
「せんせぇ、かわいそう」
「誰も恨まずに生きてけや」
「ちかちかと、涙でにじんでいる」
第149回直木賞受賞作
・シャッターチャンス
・本日開店
・えっち屋
・バブルバス
・せんせぇ
・星を見ていた
・ギフト
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裏寂しい北海道のラブホが舞台となれば、人には知られたくないこと、人にはいえないことがたくさんたくさん・・・
固くふさいだ唇の裏側まで、ざらついたものは体中に充満していて、他人のことも、自分のことすら、ホントのところ何もわかっていない、と思ってしまう。
一番好きな章は、
ラブホテルの掃除のおばさんのところ。
これほど邪気のない女性が、激しい疑問に慟哭する場面は胸に突き刺さる。そこだけが好きだった。
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第149回直木賞受賞作。
・シャッターチャンス
・本日開店
・えっち屋
・バブルバス
・せんせぇ
・星を見ていた
・ギフト
7編。
北の大地のさびれたラブホテルを舞台に繰り広げられる物語。それぞれの話が薄くつながっている感じがいいのかもしれない。
今となっては、この手の手法は、いろいろな作品で採られているので、特に目新しさは感じない。
そこそこ、楽しめる旅のお供くらいでしょうか?
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ラブホテルを舞台に7つの短編が現在から過去にさかのぼっていく構成が面白く、読み終えたら今度は反対から読みたくなってしまった。 一編一編の情景をしっかり思い浮かべることが出来、物語に入り込んでいった。『ギフト』の中にある『幸せなんて過去形で語ってナンボ。これから先のことは、口に出さずに黙々と行動で証明するしかないんだよ』というセリフが素晴らしい。