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実在するとは思わなかった。
本当に預かってくれるんだ。
返事のない手紙。もうこの世にいない人にでも書けるとは。
その想いを受け取ってくれる場所があったんだ。
一度訪れてみたいな。
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そのまま、手紙がその人たちそれぞれの字のままで載っているのがすごくよかった。
読んだ後、わたしも手紙を書きたくなった。
漂流郵便局、いいなあ、、
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「だれもが胸のうちに秘めた想い、聞いてほしいという願望があると思うんです。」
相手から返事がないと分かっていても、
届けたい言葉があるものだ。
そんな想いを受け止める一つの郵便局。
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2019/04/09読了
一種のアート的な存在でも
ここに手紙を出し、夢を描いたり、救われたり、気持ちを整理している人はいる。
色んな手紙と書き手がいる。その中心となっているというのがとても感銘を受ける。
いつか行ってみたい。誰かにたどり着くようなエネルギーを持つ手紙を読んでみたいし書いてもみたい。
それは宇宙人とかロケットとか、存在が誰それでなくとも受け入れてくれる広さすら感じる。思いを届けるところに、制限などないのだと知る。
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文喫さんのオススメ本だった本書。
面白そうだなーと手にとってみたら、想像と違っていた。
届け先のわからない手紙、預かります。とあったので、そういうハートウォーミング的な小説なのかと思った。
しかし、中身は、瀬戸内海に浮かぶ粟島にある、実在の旧粟島郵便局。
瀬戸内国際芸術祭で発表されたアート作品だった。
アート作品は、芸術祭が終わった後、現在も郵便局長を置き、宛先のない手紙を保管してくれている。実在の物語。
宛先に届かない手書きの手紙たちは、たくさんの思いを打ち明けている。
時に泣きそうになる手紙もある。
力強く励まされる手紙もある。
気づかされる手紙もある。
いつか、この地に降り立って、届け先のない手紙たちに、自分もあってみたいなと思うと同時に、自分も出してみたくなった。
さて。
自分は誰宛にだすだろうか。
過去、未来の自分?
亡くなった身内?
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ほんの一瞬で心を
ここでは無い何処か清らかな場所へさらわれる。
そんな圧巻の読書体験をした。
迫力とか、盛り上がりとか、そんなものはなく
たったひと突き、胸の核心をトンとやられる感じ。
きっとそのくらい、「手紙」には魂が宿っていて
その上それが誰が書いた、とか
誰に宛てられた、なんてことは関係ないのだろう。
亡くなった誰かに宛てた手紙は
ただただ胸が詰まる思いがしたけれど、
宛先はそれだけではなかった。
未来の自分や過去の自分。
フォークダンスで一緒に踊れなかった気持ちを伝えられなかったあの娘。
昔飼っていたペットや、毎日のように一緒だったピアノ。
これから買う予定のカメラや、親不孝な息子。
それから、飲酒中の自分へ。笑
さまざまな人間のドラマというか、心の揺れのようなものが垣間見れた気がした。
それぞれがそれぞれの人生を生きていて、わたしには分かり得ない事ばかりだけど、同じ人間同士、やはりどこか似ていて、、、
「みんな違って、だいたい同じ。笑」
自ずと「人間への愛」が溢れてしまう、本だった。
この企画自体が、
久保田沙耶さんのアート作品だというんだから面白い。
こんなに辛い経験をした人と比べたらわたしなんて、
なんて思わず、あなただってあなたなりに一生懸命生きているじゃない。
胸を張りなさい。
未来の私へ。
私は、私で、私なりに、私をやってます。
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ずっと伝えられない、心に秘めている想いがある。
だからこそこの本に惹かれたんだろう。
ここにだったら思いの丈を送ってもいいかもしれない。
もっと手紙がたくさん載っているかと思ったけど思ったよりも説明等が多かった。
字や書き方にもその人の個性が溢れていて、その人の人生を想像させた。
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漂流郵便局の成り立ちについて、本書のはじめに次のような注意書きがあります。
「漂流郵便局はプロジェクト型のアート作品であり、日本郵便株式会社との関連はありません」
そもそもは瀬戸内国際芸術祭2013の出品作品です。しかし、2020年8月時点においても、香川県の粟島に現実にこの郵便局は存在しています。
本書は2015年2月に発行され、2020年4月には2冊目の「お母さん」に向けて書かれた手紙を主にした本が出版されています。これまでに、いくつものメディアで取り上げられてきました。その結果、全国から届け先のわからない手紙が送られ続けています。
私も少し考えてみました。亡くなってしまった人だけでなく、例えば、初めて付き合った人のこととか。本気になって探せば、宛先が見つかるかもしれません。でも、伝えたい言葉は今のその人にではなく、当時のその人に対してであったりします。
現代アートと聞くと、インスタレーションのような空間芸術が思い浮かび、それは鑑賞するよりも、体験するものと言われています。
漂流郵便局は久保田沙耶さんのれっきとした作品です。しかし、この作品は鑑賞だの、体験だの、の枠を既に飛び越え、多くの人々の生活や生き様に深く関わる存在になっています。
漂流郵便局は誰かのものではなく、誰のものでもなく、作品ですらなく、特別な使命をもった郵便局なのです。普通の郵便局であれば、郵便物や荷物を送り主から一時的に預かって、指定されたお届け先に配達します。しかし、漂流郵便局に届く郵便物は、そこに留まります。預かっておくことが肝心な役割です。
その場所をゴールと呼んでいいのか分かりません。一回で満足する人もいれば、定期的に何度も手紙を送っている人もいます。
アート作品からは、癒しや美しいものを愛でて気持ちを落ち着かせることができます。漂流郵便局はそんな心やさしい作品とはいえない面もあります。この本を読んでしまうと、溜め込んでいたものを放つ、人をその気にさせてしまう何かが滞留しているからでしょう。