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泣けた。けど、つらいつらいと呟きながらじゃないと読めなかった。戦争はつらい、生き残ってもなおつらい。なんでこんな目に遭わなきゃなんないんだって、何度も思った。大切な人々を思うこと、その温もりが何度も伝わってきて、涙して、読み終わった後も余韻が続く。
2015.12.9
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昨今、中国、韓国といった隣国との関係が取り沙汰されたり、毎年のように靖国問題が報道される中、どれ位の人が無関心で、どれ位の人が深く知ろうとしていて、どれ位の人が正しい歴史認識を持っているのだろう。
戦後70年。
いわゆる我々“戦争を知らない子供達”が社会の中核を担っている。
自分達のこれからのために我々は、ここで一度立ち返って70年前に何があったのかを知っておく義務があるような気がする。
そういう意味で、とっかかりとしてとても読みやすく、心に響き、何か大きなものを感じられる本だと思う。
この本に本屋大賞をとってもらい、もっと多くの人に知ってもらえたら一番いいのだけれど。
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満州に高知から家族と共に移住させられた珠子、横浜で何不自由なく暮らしていた茉莉、貧しい暮らしから逃げ出すために満州に移り住んだ朝鮮人の美子。3人が終戦前の満州で出会い、戦後どう生き延びてきたのか。この国の犯した罪を、戦争の愚かさを、歴史に疎い者にもわかりやすく語りかける。ただ、茉莉が家族の死を目にしたときの情感が薄く、もっと強い哀しみがあふれた記述があっても良かったのではと思う。378Pにわたる長編だが物語に吸い込まれるように読み終えた。
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戦後70年。
たった70年しか経ってないのに
私たちはこんな悲惨な戦争があったことを忘れかけている。
そして今も同じ悲劇が繰り返されている。
そんなことを改めて確認させてくれる一冊だった。
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残留孤児の珠子、戦災孤児の茉莉、在日の美子。満州で共に一時を過ごした少女たちは、戦禍に巻き込まれながらも三者三様、それぞれの地で懸命に、たくましく生きていく。その時の国力の違い、戦況の変化、戦後の混乱によって、彼女らにかかわる多くの人たちはあまりに無慈悲だ。今を生き抜くうえで、他者を思いやり、他民族を慮るゆとりはない。その中にあっても、彼女らは支えてくれる人との出会いによって生き抜くことが叶う。為政者や軍人の視点によらず、被災者の少女の視点で戦争の悲劇を描ききる。戦後処理について日中韓の溝は埋まらないが、戦時を知らない者として、まず可能な限り史実を知ることから始めたい。
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本屋大賞ノミネート作。でも図書館で予約したらすぐに貸出の順番が回ってきた。あまり人気がないのかな?
読み始め後悔した。戦争のお話だった。つらいお話は嫌いなのだ。それなのに、気がついたら最後まで読んでいた。
ぬくぬくと過ごしている私たちにとって、読むべき本なのだと思う。
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内容知らずに手にした本。もっと楽しい話かと思ったが、ガッツリ重たい背景のお話。勉強不足で当時の状況や中国残留日本人孤児がなぜ生じたかとかサッパリ知らなかったので衝撃が大きかった。もう少し歴史を学ばなければと感じた一冊。
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いい話でした。
どこで誰から生まれたかだけで生まれる差別。
「昔は、こんな差別があったなんて・・・」と言われるには、もうちょっとかかるか。
こんなことがあっても、それぞれの心の中には、みな同じ幸せがあったことにフォーカスがあたっていて良かった。
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図書館で借りた本。
太平洋戦争中の満州で、就学前の3人の少女たちが出会い、同じ時を過ごすが、その後バラバラになる。
一番先に横浜へ帰国した裕福な家庭の茉莉。朝鮮人でありながら、日本へ渡った美子。帰国を願いながら中国残留孤児となった珠子。それぞれに壮絶な人生を送り、大人になってゆく。空襲で家を焼かれた美子が握りしめた、たった一粒のキャラメルをどこかの母親が無理やり指をこじ開けて奪い、自分の子に食べさせた話は、強く印象に残った。自分もそうなってしまうのかなぁ。
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場面が飛ぶのでなかなかついて行きにくかったが、最後まで読んでなんとなく分かった。
歴史のこととか、戦争のこととかいろいろ考えさせられるが、基本的に難しい、と言うか少し敷居が高い。
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第二次世界大戦中の3人の少女を主人公に戦時から終戦、終戦後の今の日本を辿って行く。
この3人の少女が時代の流れに成す術も無く流されて辿って行く人生にページをめくる手が止まらなかった。
自分が生まれる長い歴史の中で言えばほんの100年も経たない少し前の日本は、
こんな過酷で想像も絶する世界だったのかと思うと、本当に戦争を体験している世代と今の平和な時代に生まれて育った自分たちは、生きてきたと言うより生き抜いてきた時代が全く違うんだと愕然とした。
そしてどんなに辛い時でも、人の心に残るものと力をくれるものは誰かの優しさと美味しいご飯なんだと言うことに胸が詰まった。
読み終わった後に見えた今自分が生きてる毎日の平和と有難さに心の底から感謝の気持ちが溢れて、一日一日を大事にしようと強く思った。
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満州開拓団として家族とともに中国へ渡った珠子。両親とともに中国に移った、朝鮮人の美子。横浜の裕福な家庭で何不自由なく育っていた茉莉。三人の女の子が、満州で出会った。戦中戦後を通して、三人の女の子の人生が描かれていた。
何度も涙をぬぐいながら読んだ。
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戦時中の満州で出会って一夜を明かした3人の女の子。
歌を歌っておにぎりを分け合った3人。
民族も貧富も関係なく、素直な気持ちで仲よくなる幸せな時間。
しかし、それぞれが過酷な運命を歩むことになるのです。
もう、泣きながら読みました。
戦争というすさまじい状況下
これでもか、これでもかという出来事がのしかかります。
多分、こんなときだからこそ、秩序も何もかなぐり捨てて
ただ、生きることに精いっぱいの状態だったことがわかる。
そんな中、運命を受け入れ、毅然と懸命に生きる彼女たち。
特に、珠子が目を覚まして、横にいる人が自分の親じゃないとわかり、知らない町をさまようシーンは、胸がつぶれそうでした。
だから、3人がまた出会うことになったところは
嬉しくて何度も読み返しました。
児童作家さんだからなのか、救いのある後半はほっとするけどちょっと印象が薄くなってしまった。
だけど、きっと、「救い」がなかったら眠れないほど落ち込んでしまったかも。
在日の問題、中国残留孤児の問題、戦争孤児の問題
どれもリアルで読み応え十分でした。
いつか映像化してほしい。
きっと、理解してくれる人も出てくると思う。
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戦時中から戦後を生きた3人の女の子に焦点を当て、その時代を生きた人々の数奇な運命を描いた小説です。新「火垂るの墓」といった感じでしょうか?日本生まれで、満州に移り、中国残留孤児となった珠子、朝鮮生まれで、満州、日本と移り住み、戦後も日本に住み続けた美子、横浜生まれで、空襲で家族を失って孤児となり、施設で育った茉莉、それぞれ多様な設定をすることで、激動の時代を生きることになった子供たちの物語を描いています。それにより平和への願い、戦争を避けるためのメッセージを与えています。時代小説は、設定に馴染みがないので、どの程度事実に忠実なのかは分かりませんが、ドキュメンタリーのように感じられました。
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戦後70年。戦争を知らないからこそ、知りたくないという思いがある。自分が生きている国に起きた史実を辿ることは大切だとわかっている。でも痛い記憶を自分の中に取り込むことを身体のどこかで拒否をする。怖い。例え疑似体験だとしてもあの頃の背景に身を置くことが怖い。それほどの時代を生きた3人の少女を描いたこの作品は、やはり正直なところ目を逸らしたくなるほど胸が痛くなる話だ。ただ、そんな時代だからこそ浮き彫りになる大切なことがある。ご飯の美味しさ、人の優しさ、そして何より平和な日々がどれだけ幸せか。今でもわたしは知らなくて済むのなら戦争を知りたくないと思っている。だけど覚えておこうと思う。かつてこの国は確かに戦争をしていて、多くの人がその火の粉を振りかぶって命を落としたのだということを。そんな中、何人もの人がそんな時代を生き抜いてきたことを。