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これは。すごい。面白かったと言ってはいけない気がするけれど、面白かった。魔力。暗闇に細く鋭く差し込む光はなんて眩しいのだろう。
中村文則を読みたいと切望する人に読んでほしい。
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サスペンス?ミステリー?宗教小説??
狂気の連鎖の辿り着く先。
悪と性と生が全面に出ているけれど、その背後にある真の闇こそが圧倒的に禍々しい。
ドロリと圧巻のボリューム576P。この厚さに負けない闇の深さを持つこの大作。
ずぶずぶに溺れた。
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読むのにとても時間がかかった。単純に長いということもあるけれど、中身が中身だから、読むのに時間がかかる。
とても、重い。今の時代に読むからこそ、意味がある本なんだと思う。現状というものを知ることで何かが変わるわけではないけれど、知らないよりはずっといい。
暗いし、好きじゃない人のほうが多いのかもしれない、でも私は、こういう小説で救われる。
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教祖の話が理解できなかったからストーリーに入り込めなかった気がする。
もっと頭が働いている時に読めば面白さが分かるのかな?
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読んでいて、読み終わっていろいろ考えました。
圧倒的な「肯定」と絶対的な「否定」、世界を完全に受け入れるか世界の全てを捨て去るか。
両極と思えるその思想の根本は人間の生であり性であり。
人が絶望の底に沈められたとき、そこからもっと深く闇の中へ堕ちていくか、それでもそこから這い上がるために愛を求めるか、何がその道を分けるのだろう。
自分がヒトとして生きていく、その意味を求め続けるとやはりセックスにたどり着くのか。愛も憎しみも全てを飲み込んだ全身で感じるセックスだけが、生きることの意味であり目的であり方法であるというのか。
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最初に読み進め読み終わった時は、
物語についていくのに必死だった。
テロ、戦争、宗教、傷、悪、善、貧困、搾取、性、生、死、宇宙、素粒子、細胞…
複雑に絡み合った様々な点が必然として線になり、
やがてその線は自分に伸びていることに気付く。
分厚い本を閉じた後、小説に想いを馳せるより茫然としている自分しかいなかった。
咀嚼するためにもう一度読み返した。
著者がいつもあとがきに書く「共に生きましょう」という言葉を、芳子が言った時、
私はこれほど優しい小説を今まで読んだことがあっただろうかと言う気持ちさえ湧きあがり涙が出そうになった(ほんとは少し泣いた)。
宗教の物語ではない、
思想の物語ではない、
戦争の物語ではない、
腐敗した政治の物語ではない、
脆くて弱い国民の物語ではない、
社会から弾かれた孤独な者の物語ではない、
駄目な親に追い詰められたかつて子供だった者の物語ではない…
これは、この本を開いた読者ひとりひとりの物語でしかない。
共に生きましょう。
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長い。。
ディテールの記述が、長い割にはそんなに心に響かなかった。
素粒子の下りはまぁ、どこにでもあるようなかんじ、できればもっと突拍子もない原理主義のほうが好き。
おすすめはできない。
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この作品、すごい・・・!!と思った。何がすごいって、ここまでカオスな世界を見事に纏めているところ。完全にクレイジーな人の発言でも、所々、「そういう考え方、面白いな」ていうところもあり。科学好きとしては読んでて脳細胞が刺激されまくりの部分もあり、長編ではあるけど、ページをめくる手が止まらなかった。(2015/01/04読了)
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謎のカルト教団と革命の予感。自分の元から去った女性は、公安から身を隠すオカルト教団の中へ消えた。絶対的な悪の教祖と4人の男女の運命が絡まり合い、やがて教団は暴走し、この国を根幹から揺さぶり始める。神とは何か。運命とは何か。絶対的な闇とは、光とは何か。著者最長にして圧倒的最高傑作。(Amazonレビューより)
「宇宙のはじまり」「生物が種を保存していく理由」「人間が死んだら意識はどうなるのか」…どれもこれも私も昔から興味を持っていたテーマです。一見バラバラだと思っていたテーマが、この物語の中では全て同一の起因(?)によって発生しているとされ、その一貫した考えに妙に納得させられてしまいました。
性描写と、揺れ動く心理描写がリアルで、読んでいて気持ち悪くなりました笑 600ページ弱というページ数以上に濃い内容の話でした。
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現在の作家自身がモノにしている武器を総動員して、世界と個人を探求する野心作といったところでしょうか。
過去の実在の事件も下敷きにしているだろうから、ある種の既視性を感じさせつつ予言性により現実味を持たせようとしているのだろう。ある程度その狙いは成功しているが、いかんせん深さが決定的に欠けている気が。陳腐とも思える性描写などはそれを如実に示している。
この作家、凄く期待してるんですが、微妙に迷走気味かな?最近。もともとストーリーを語るのではなく、題材を濃厚に彫り上げるタイプと思うが、上手くこなれてきたなぁと思っていたのも束の間、悪い意味で崩れた感じが否めない。上手く立て直してもらいたい。
それにしても今の最高の仕事みたいな発言は慎んでもらいたいな、個人的には。限界を引いてある意味楽してるような印象を与えかねないので。
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人の個人的な思考の世界と公の行動の境界線を行ったり来たりする感覚の小説でした。
同じように原始的で個人的な閃きや発想があって、単なる思考から思想へと発展する流れは同じでも、それを人に伝えて発展していく段階で、道は大きく変わるのだと思いました。
これまでの宗教の教祖は神格化する傾向がありましたが、結局松尾のように、大衆の中に入り、そこに居続ける日本的仏教の形態の方が、やはり日本人には受け入れられやすい宗教観のではないかとも感じました。
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テーマもあらすじも面白そうだったので、
こ〜んな分厚い本にチャレンジしたのですが、
この世界観は私には理解出来なかったみたい。
私には難しすぎたのかな。
あぁごめんなさい。読まなきゃよかったと、
今、後悔してるところ。
何なんだ、この集団は・・・。
それにエロ描写が過激すぎて気持ち悪かった・・・。
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素粒子、宇宙、宗教、神、科学、戦争、靖国、テロ、貧困、政治、国、性、運命、人生…。色んな要素が詰まった圧倒的なパワーのある作品だった。
人間とは何か。自分とは。読むほどに自分が分からなくなって混乱に陥って、だけど読まずにいられない。考えて考えて引きずり込まれて、まだ戻れていないかも。もう何も考えたくないのに。
自分という存在の矮小さを受け止めたくないから、何事にも真剣に向き合えない。理知的なふりをして世界を憂いても、私には何も出来ないから、誰かに心酔することで自分を保ってる。自分よりも賢いと思える誰かに全てを委ねてしまいたい欲望。それは愛情でも尊敬でもなくて、支配されることで世界から守らているような錯覚を得たいだけ。自分で世界と関わることが出来ないだけ。宗教に救いを求める信者や、組織や国家や会社に忠誠を誓う人々と何ら変わりない。分かっているのに、自分を騙し続けないと生きていけないから考えてはいけないと思っているのに。
考えることをやめれば後退していくだけだと突きつけられて。カオス。あぁ、どうして読んでしまったのか。
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最後のよっちゃんさんの言葉に泣いてしまった。希望は何処にでも必ずあって、そういう希望のオーラに包まれたひとにもひとは集まるけど、真っ黒な正体不明のオーラに包まれたひとにもひとは集まってそれが宗教となる。長編で最初とつっきにくかったど、面白く読めました。
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「去年の冬、きみと別れ」よりは読みやすかったが、色々な問題を盛り込み過ぎてしまった感じ。
イスラム国とかタイムリー過ぎてなんとも言えない読了感(¯―¯٥)
確かに軍事産業が儲けるには紛争や戦争が必要なんだが、最新技術はテロリスト側に渡るわけもなく、現在の戦争は技術合戦なのでまともにやりあっても勝てるはずが無い。
だから人質作戦なのかなあ(¯―¯٥)