紙の本
興味深い化学もの探偵小説を次々に発表されている喜多喜久氏の傑作です!
2020/07/27 08:44
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、元大手製薬会社の研究員という異色の経歴をもつ喜多喜久氏の作品です。同氏は、ご自身の経歴から化学探偵ものを得意とされ、「リケジョ探偵」シリーズ、「死香探偵」シリーズ、「科警研のホームズ」シリーズなどを発表されています。同書も人気の「化学探偵Mrキュリー」シリーズの第3弾です。内容は、体調不良を引き起こす呪いのわら人形、深夜の研究室に現れる不審なガスマスク男、食べた者が意識を失う魅惑の毒鍋など、次々起こる事件を、Mrキュリーこと沖野春彦と庶務課の七瀬舞衣が次々に解き明かしていくという物語です。しかし、沖野の前に、かつて同じ研究室で学び、袂を分かった因縁のライバルの氷上が現れます。最大の敵とも言える氷上の前で沖野はどうなっていくのでしょうか?続きは、ぜひ、同書をお読みください。
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理学部准教授、ちょれえ。
……というのが、キュリーシリーズを初めて読んだ時の感想でした。だってさぁ、上目遣いくらい自然にできますよ男女の身長差があれば。「結構好きですよ」「さすが沖野先生です!」くらいなら舞衣さんでなくたっていくらだって言えますよ舌動かすのはタダだもん。なのにカップがっちゃんと取り落とすほど動揺しちゃってあらまぁ。
でも理系の男性には多かれ少なかれそういうところがある気がします。イケメンで優秀でも、男子校育ちで理工系の学部に行っちゃったりなんかすると女性と触れ合う機会がほぼ皆無なので、ものすごーくハイスペックな割に信じられないくらい初心な方が一定程度散見されます。しかし逆に女子校育ちの文学部女子はちゃっかり彼氏作ってる子ばっかりだったけどあれはどういうことだろう……というのは置いといて、そのあたりうまい感じにデフォルメされたキャラだと思います沖野先生。
そんな理学部准教授は、3巻でもやっぱりチョロかった。
そんなさぁ、手作りクッキーなんてさぁ。お菓子たまに作りたくなるんですよ一部の女性は。だけど一人分なんか作れないんですよ、どうしたって余るんですよ。それをまあ、追いかけてくるほど執着しちゃってニヤニヤ。脳裏に甦る記憶――そういえばバレンタインに手作りチョコ余ったから工学系の研究室にばらまきに行ったら女神のように崇め奉られたことあったな。皆けっこうなイケメンで優秀な研究者の卵でモテそうだったのに。
と思ってたら。
さらにチョロそうな人が来た。
新キャラ氷上先生。
沖野先生の兄弟子にあたる方らしいのですが、沖野先生に負けず劣らずツンデレ。何だろう、村雨研究室はツンデレ養成所でしょうか。村雨不動大先生はツンツンツンデレなおじいちゃん先生を期待しちゃっていいんでしょうか喜多先生! 思えば沖野先生の研究室の聖澤女史もクーデレだし、氷上先生の教え子の服部君(新キャラ)はちょっとヤンデレチックだったけど……受け継がれるデレ気質。
氷上先生はオムライスがお好きと。ギャップ萌えですか。わあますますチョロい。
いやもちろん、真面目なキャラクターですからチョロいといっても色仕掛けで単位もらえたりメイド喫茶ばりのオムライスにケチャップハートでおいしくなぁれ♪ で喜ぶとは思いません。しかし、夜遅くまで研究室に残っている氷上先生のためにオムライスにラップかけて冷蔵庫に入れておいて『お疲れ様です。あまり無理しないでくださいね』とかメモを添えておけば涙目で食べてくれるタイプだきっと絶対間違いない(独断)。
↑ここまで、6/23予約取り寄せにて購入し読了後の感想。
そして本日6/24再読。に先立ち、喜多先生が「沖野の母校は東大イメージ」とおっしゃっていたので、授業終了後ぶらっと自転車で半周してみました。
キュリーシリーズの大学描写は妙に東大を彷彿とさせます。
いえわかってます。四宮大学は、私大です。
理学部、工学部、薬学部、医学部、農学部と理系だけでも旧帝並のバリエーションを誇っていようと、現代日本の私大は早慶ですら理系は理工学部にまとめられていようと、���さな私大なのです。
正門入ってまっすぐ奥が講堂という描写に、ファミマの前に立って信号待ちをしている時の、本郷通り沿いの白い正門の奥に見える安田講堂がありありと思い浮かべられても! 四宮大学は小さな地方の私大なのです。
などと思いながら正門前からスタート。「沖野の母校は東大をイメージして書いています。(弥生門のあたりとか)」との喜多先生のお言葉を思い出し、弥生門から出て右へ。おお、本書第4話『化学探偵と見えない毒』で沖野先生がカバン引ったくられたのはこのあたりかーと思いつつゆるい坂を下る。池之端門から再び構内に入り、龍岡門方面へ。本部棟を右に見つつ、舞衣さんのいる事務棟はここかしらんと考えて自転車ツアー終わり。自習室に引きこもって刑法の復習に取り掛かりました。
これがまずかった。何せ、本日の授業は財産犯。窃盗、強盗、エトセトラ。頭が疲れてきたところで息抜きがてら本書再読。
脳裏に甦る刑法担当S教授の声。
『単なるひったくりは、窃盗と考えられています。しかし、被害者がバッグを奪われまいと抵抗し、なお強奪すれば強盗となります』
……沖野先生は抵抗しなかったからこの段階では窃盗だな。
『事後強盗は、通常の強盗とは違い窃盗の後に暴行・脅迫が行われるもので』
……ん? 服部君(新キャラ)、引ったくられた沖野先生のバッグを取り返そうとして引ったくりに殴られたよね。
『しかし、その暴行・脅迫は窃盗の犯行現場又は窃盗の機会の継続中に行われなければならないのですが、この判断について判例・裁判例を見ますと、窃盗行為から30分後、現場から1キロ離れた地点で被害者が犯人を発見し取り返そうとして犯人に暴行された事例については事後強盗を肯定、一方現場から200メートル離れた地点で職務質問された場合について否定』
……てことは、沖野先生のバッグが引ったくられたあと服部君が夜通し犯人探してついに見つけて暴行されたこの事件は、事後強盗致死事件になるのか? それとも窃盗の機会の継続が認められずに、窃盗と傷害致死の併合罪になるのか?
とここまで考えて首をひねる。はて、私は息抜きのために本書を再読していたはずだが。
苦笑しつつ本を閉じました。
日記のような内容になってしまいましたが、キュリーシリーズはキャラクターが魅力的でこの巻もツンデレが非常に楽しかったので大満足です。
久しぶりに初版本というものを予約取り置き購入しましたが、296ページ5行目、おそらく「服部」とすべきところが「氷上」と誤植されているのも初版本の醍醐味ですね。
ただ、毎度毎度扉に描かれている構造式は、ネタバレではないのかなぁとちょっと思ったり。高校まで理系で文転した私のような人間にはちょうどいいバランスなのですが、理系の方にはすぐネタがわかってしまいそうだし、文系の方には解説があってもぴんとこないのではないかといらぬお節介が胸をよぎったりもしました。
個人的には化学とミステリとストーリーがちょうどいいところにハマっているので大好きなシリーズです。読者層として、私個人がニッチに過ぎないことを祈ります。
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なんだかキャラが確立したというかこの先もどんどん続けていけそうな熟成さを感じる。化学とはいえそれほど非日常的なテーマでないことも好感度アップ
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シリーズ3作目です。
すっかり、キャラクターもこなれてきまして、安定感も出てきましたが…、
クロロホルムを嗅がされた!といぅ被害者を、最初に疑ぅべき…。
アーモンド臭がしたので青酸カリで殺された!といぅ推理は、大間違い!?
といったミステリーのド定番を、
化学者視点からバッサリと切り捨てるのが、本シリーズの最大の面白み!?
だと思ぅんだけど…、本作品では、その辺りは満足できなかったかもです。
それでも、お気に入りのシリーズの1つなので、次回作も期待してますね!
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化学的なエッセンスを残しつつ、今回はやや人間くさいエピソードが多かった気がします。このシリーズも安定してきましたね。
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登場人物や話が好きなのは勿論の事、「化学…勉強しよう…」と思わせてくれる点でも素敵なシリーズです。帯に"因縁のライバルが登場"と書いてありましたが氷上先生がライバル視してるだけであって沖野先生はそうでもないような。ラストの"好奇心は猫を殺す"の件は心の中でニヤニヤが止まりませんでした。化学知識からイギリスの諺まで、毎回毎回知らなかったことがたくさん出てきます。次巻にも期待です。
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沖野准教授、こんなだったかな?
キャラ設定が最初の頃と少し違った感じがした、気のせいかも。
架空の土地なのだけど、作者がかつて住んでいた兵庫県エリアの名前を少し変えた名前で出ています。
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シリーズ3巻目。
そろそろだれてくるかな?という心配は不要でした。
このシリーズの好きなところは
化学という結果・答えがはっきり出るものを
扱いながらも、登場人物たちの感情のような
曖昧な部分が自然に描写されていて、
いい具合に物語の中でバランスがとれているところです。
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沖野先生をめぐる三角関係(?)が四角関係(?)に進化した!……ということで良かろうか?まあ四人中生物学的に♀なのは一人なのはさておきますが。感想を書く段になって思い出した前巻ラストの伏線って今回出てきたっけ?と思いつつ、色々突っ込みたかったり消化不良だったりしておりました。とりあえず七瀬さんは助教の先生をさん付けで呼べる程偉い事務員だということはよく分かった。 (と思ったけど、よくよく考えてみたら大学や学部によって違うのかもなーと上記感想を別サービスで書いたところ、コメントをいただいて思ったので補足しておきます。)
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シリーズ第3弾
化学を絡めた、人の死なないミステリー(?)
いつも楽しみにしています。
ラストは、なんだか途中? 次に続く?
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化学好きで手に取ったシリーズ
ミステリの要素は薄く感じるけど、ガリレオ程重くもないので、化学に抵抗を感じる人にも楽しめるかな?
沖野先生のツンデレな感じがいいな笑
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◎化学ミステリーをスッキリ解決!
Mr.キュリーシリーズの第三弾。四宮大学の事務員七瀬と准教授沖野(=Mr.キュリー)が、学内で起こる4本のミステリーを解き明かす第三弾。
今回は、呪いのわら人形、深夜に研究を行う学生の謎、犬のガンを治す薬を作りたくて頑張る男の子、毒?入りの鍋・・・全部で4編。
現役製薬会社研究員が書いていることもあるのか、話題になりがちなアレルギーや中毒を科学者視点で書いてあって、読み進めていて臨場感もある。いずれにせよ読んだ後はこの先生すげ~と気持ちよくなる。
Mr.キュリー本人が化学知識を持ってミステリーを解決する流れももちろん重要だが、学内で起こるミステリーを呼び寄せる七瀬が一人ひとりに寄り添って愚直に解決しようとしている姿はとても美しくみえる。ここもまた何度も読みたくなるポイント。
また、ツンデレの沖野と天然の七瀬の関係は進展・・・するのか!?
乞うご期待。
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大学内の謎とか事件はどうしてこうワクワクするんでしょう。
舞衣と沖野先生のやりとりも第三者として妄想かきたててまだまだ続きを読みたいです。
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化学探偵というコンセプトからどんどん離れていき、単なる学園ミステリーっぽくなってきた。
軽く読めて悪くはないものの、もう少しエッジを効かせて欲しいところです。
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・科学探偵と呪いの藁人形
呪いの藁人形。。。
懐かしいなぁ。。。
地獄少女は流行ったころに藁人形をブログで公開したら欲しい!
と、
言われて合計で40体くらい作ったっけ?
あれから依頼がないのは、
効果がなかったからなのか、
呪いたい人を呪いつくしたからなのか。。。
気になるなぁ。。。
七瀬舞衣は昔ソフトボールのピッチャーだったみたいですね。
活躍されてたようです。
で、
球王杯なる四宮大学のソフトボール大会にでることに!
つか、
沖野先生が全く見えないほどの剛速球を投げるみたいですね。。。
つか、
柏葉教授が号泣する結果に!
嬉しいかそんな勝ち方で?!
藁人形でした!
こっちはどうでもいい話で。。。
ドーピングって残念すぎるしなぁ。。。
残念な人が多くないかこの小説!
・科学探偵と真夜中の住人
ガスマスク男ですよ!
冬はまだ平気ですが、
夏は無理。
すねに布が当たるとアカンみたいで、
冬も大事を取って短い靴下で済ませえてる僕です。
これは、
ガスマスク男こと松尾君の気持ちはわかるわ。
この話は、
わりと好きです!
ちゃんとまとまってて説得力もあるんで!
・科学探偵と科学少年の奮闘
烏丸大輔君はセンセイを救いたい!
と、
あの炎の魔術師事件の時の勇太君経由で魔術師のことを聞き、
訪ねてきたのです小学生である烏丸君が!
凄い行動力よね。
で、
烏丸君が沖野先生を訪ねてきた理由は癌の薬を作りたいってことでした。
センセイという名の犬の癌を治したいんだそうです!
で、
ステキなできる小学生にチカラを貸すことにした沖野先生!
問題はセンセイの飼い主の能勢先生なんだ!
これがまた、
犬と同じで癌なんですよ。
このややこしさから事件が発生してしまったのです。
で、
その犬の癌の薬なんですが、合成は失敗。
作れませんでしたが、
沖野先生の計らいで本物の薬の方をGETしていた沖野先生グッジョブ!
もちろん、
沖野先生から烏丸君へプレゼントされました!
そして、
襲われちゃったんですね、奪われちゃったんですね薬も。
で、
襲った犯人は・・・。
推理した沖野先生が向かった先は!
残念な事件だなぁ。。。
醜い!
・科学探偵と見えない毒
氷上一司さんは、
沖野春彦が昔いた大学の先生。
沖野さんを連れ戻すためにやってきたみたいですな。
鍋の事件はどうでもよくて、
連れ戻しの方が気になってしまうわ!
と、
過去のお話。。。
どこでも似たような話はあるけど、やっぱり残念だなぁ。。。
なんで、
こんなに残念な人が多いんでしょう?
とりあえず、
四宮大学に居続ける感じでよかったで沖野先生!
このままいくと、
やっぱり沖野春彦x七瀬舞衣になりますよね!
そっちの展開も楽しみにしておりますぞ!