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切ない人魚姫。
(金魚だけど。)
幾度も挿入されるリュウの過去の様々なシーン。
繰り返される復讐のシーンは、どこか痛々しく。
現代の人間世界からはちょっとずれてるリュウの言動はユーモラスな分、ギャップが切ないというか。
2人の関係がどうなっていくのか。
思いもしないラスト。
まさか、そんなことになるなんて。
でも、人魚姫にはハッピーエンドは似合わないのかもしれない。。。
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恋人にも去られ、ブラック企業で毎日ボロボロとなった潤が
縁日で手にした1匹の金魚が突然怪しげな美女となり現れる。
過去の記憶と現在が交差していくのだが、文体が同じなため、過去を振り返りたい時など読みづらい。書式を変えるとかしたら良かったのに。
途中までの盛り上がりに反し、ラストへの展開が安直すぎる気もしないではない。
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最初、リュウの登場シーンがホラーだしなんとなく想像としていたお話と違う感じするし、過去の中国時代の話は痛々しいし読むのに時間がかかったが、幽霊が見え初めてからは一気に読んでしまった。リュウが可愛いし、リュウを大切に思い必死になっている主人公に好感も持てた。
ラストはまさかの展開で驚いたけど、なるほどと納得の終わり方だった。
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良かった。私的には本屋大賞候補です。
「うる星やつら」のラムちゃんとは全然違うんだけど、なんだかそんなような感じがした。
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仏壇・仏具の営業マンが、金魚すくいで、すくった琉金とのファンタジー。
金魚が主人公のファンタジーは、最後まで楽しめました。
若い営業マンの、琉金に寄せる微妙な思いと共に、作者得意の悩めるサラリーマンが現実として描かれ、ファンタジーと現実を行ったり来たりの物語です。
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なんとなーく展開を予想しながら読んでいたけど、
途中思いもよらない事態があったり
予想が完全に間違ってたりした。
荻原さんてこういう話も書くんだなぁ。
いままで読んでたのがたまたまゆるい系だったのか。
壮大なファンタジーはやっぱり苦手。
でも苦手分野にしては読みやすくて
難しい言葉のページ以外はすいすい読んだ。
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失恋して仕事もうまくいかない人生崖っぷちの営業マンが、人間と金魚の姿を行き来する女性と出会う。あり得ないはずの現実を受け入れて、共に生活するうちに、主人公は生きがいを取り戻していくのだが…。
ブラック企業の非人間的なパワハラは深刻で、主人公の苦悩がリアルに伝わってくる。そこに女性がホラーがかった様子で登場するのだが、2人のちぐはぐなやり取りがくすりと笑えて、主人公の心がときほぐされていくとともに、読み手も和やかな気持ちになれる。
時おり、遠い昔から生き続けてきた金魚の(というよりも女性の)過去が、おどろおどろしい怪談のように差し込まれていく。そして、なぜ彼女が現代にいるのか、謎は終盤で一気に解き明かされる。
オカルトのような突拍子もない設定と、二重構造の仕掛けがうまく物語を盛り上げているのは、主人公が苦悩する生活がリアルだからこそ。作者の力量を感じる。
過去と現在がつながったときの切ない哀しみが、大きな余韻として残る作品だった。
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【金魚の化身との奇妙な同居生活!? 荻原浩の新たなる傑作ここに誕生!】
勤め先はブラック企業、うつうつと暮らしていた潤。日曜の夕刻、近所の夏祭で目に留まった金魚を持ち帰ったら、部屋に妖しい美女が現れて……!? 金魚の化身に戸惑う潤。だがそれ以来、商談が成立するようになり。
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ボロボロのときにこんな可愛い金魚を飼うことになったら気分が紛れそう。
金魚すくいで自分でとった金魚なら、なおさら特別感が増すわ〜。
社長が! と思っていたのに、実は、潤、その人だったなんて悲しい。リュウもそう思ったから手を緩めたに違いない。
息子の揚河は……よね。
最後が良かったなぁ。
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末代まで祟らんとする怨みとはうらはらな、金魚の化身であるリュウのズレたかわいらしさと、振り回されながらも別れた元カノにも未練たらたらな潤の関係が、少しずつ変化していく姿に、ハッピーエンドを期待したのだけれど、こんなラストが用意されていたとは。
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まずは表紙にヒトメボレ。実にそそられる配色なのでした。
私は表紙の雰囲気にまず酔いたいタイプなのだと実感。
読後の印象は、というとホラーに近いファンタジーのような、人情に泣かされるような、なお且つブラック企業を揶揄するような社会派ぶってもいて一言では表現できない美しい物語なのでした。
とはいえ、さえない主人公の潤君に思わず渇を入れたくなるようなシーンも散りばめられていて、あ~楽しい読書タイムありがとう!という感想です。
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ブラック企業勤務に失恋。人生の窮地に立たされた主人公である潤と金魚(琉金)の化身であるリュウの奇妙な同居生活を描いた作品。ブラック企業勤務した事がある人ならわかるだろうが、まさにこんな感じである。それはさておき、潤の元彼女に対する未練に対してのノリッッコミ?的な文章がコミカルで面白い。あとはリュウのキャラが可愛かったり、ちょっと強そうな感じだったりというのも面白い。ラストはしんみり。
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ブラック企業に勤め失恋したばかりのうつ気味の現代の青年潤が夜店の金魚を家に持ち帰ってきたら、その金魚は実は古の中国の美女が転生したもので、人間にも金魚にもなれるのだった。リュウと名付けたその美女との奇妙な同居生活を送るうち潤が徐々に生きる力を取り戻し、リュウは失われていた記憶を徐々によみがえらせる。でもそれは二人の因縁ともいえる運命に導かれたものだった。同居生活を送る二人はとても可愛いらしかったので、最後のどんでん返しが切ない展開で泣ける。
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朝井リョウさんのレビューがすべてだと思う。
いつまでも主人公二人の物語を読んでいたい。そんなにも感情移入てしまった。
ラストは涙が‥。
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勤め先の仏壇仏具販売会社はブラック企業。同棲していた彼女は出て行った。うつうつと暮らす潤は、日曜日、明日からの地獄の日々を思い、憂鬱なまま、近所の夏祭りに立ち寄った。目に留まった金魚の琉金を持ち帰り、入手した『金魚傳』で飼育法を学んでいると、ふいに濡れ髪から水を滴らせた妖しい美女が目の前に現れた。幽霊、それとも金魚の化身!?漆黒の髪、黒目がちの目。えびせんをほしがり、テレビで覚えた日本語を喋るヘンな奴。素性を忘れた女をリュウと名付けると、なぜか死んだ人の姿が見えるようになり、そして潤のもとに次々と大口契約が舞い込み始める―。だがリュウの記憶の底には、遠き時代の、深く鋭い悲しみが横たわっていた。
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読み終えて改めて装丁を見ると、物語の空気そのままで切なくなる。ブラック企業の仏具会社でまったく芽が出ず、明日を生きる気力も失いかけていた潤が、ふらりと立ち寄った縁日で掬った琉金との日々奇譚である。時空を超えた愛と憎しみの物語でもあるのだが、人間の女性に姿を変えたリュウの言動や振舞いが可愛らしくも可笑しく、振り回される潤の気持ちの変化も興味深い。だが、リュウが自らの出自の記憶を取り戻すにつれ、胸が痛くなってくる。どうにかならないものか。二人で乗り越えることはできないのか。ラストはあまりにも哀しく切なく、そして愛にあふれている。不思議なおかしみのある一冊だった。