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気合いと元気だけじゃどうにもならない。
真摯に冷静になって仕事に取り組みましょう・・・ということ。
そんなに難しいことは言っていない。
『彼を知り己を知れば百戦殆うからず』
『爵禄百金を惜しんで、敵の情を知らざるは不仁の至なり、人の将にあらざるなり、主の佐にあらざるなり、勝の主にあらざるなり』
“自分たち友軍の戦力を冷静に把握していること、つまり己を知ることである。 ボロ になったものは ボロ と割り切ることである。この場合感情が入ると、独りで将棋を指す作戦課的思考になってしまう。”
“敵情を知るには人材や金銭を惜しんではいけない、これを惜しむような人間は、将帥でもなく、幕僚でもなく、勝利の 主 になることは出来ないという意味で、情報を事前に収集するには、最優秀の人材とあり余る金を使え”
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旧日本軍がどれほど情報を軽視していたか、体験に基づくリアルな記述で身につまされる思い。情報をどう活かすかは自分がどうしたいかという意思とセットであると思う。その意味で、旧日本軍は何を成したかったのかボヤけてみえる。
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日本軍の情報参謀による回想記。本人筆というのは、その時代の人間の考え方がじかに伝わる。もちろん記憶がうそをつく部分もあろうが、それでも第三者の筆によるものとは違う生の感じがあるだろう。
本書は戦後40年を経ての出版だが、終戦直後のノートを元にしているらしく割りと細かい部分に記録は渡る。国力の差からいって勝てない戦争ではあったが、日本軍もやるところはやっていた。しかし、やはり官僚的な内向き組織であったとの批判はまぬかれない。また「戦場の霧」とでもいうべきところは、当然、情報畑の著者は強調している。
理念、戦略も結構だが、外に情報を求めるのは戦争でなくとも基本中の基本だ。
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情報の視点から太平洋戦争を振り返ることができる良書。何が日本を負けに導いたのか、太平洋の島々でなぜ玉砕せねばならなかったのか、情報の視点という新たな視点を得ることができた。
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昭和19年夏のマリアナ失陥まで、日本軍は米軍の強襲上陸に対してなすすべもなく玉砕を繰り返していたが、9月のペリリュー島戦以降は持久戦で粘り強く戦うようになる。その転換の背景には、大本営情報部で米軍の作戦行動を分析し、現地軍にレポートを提供した堀中佐らの存在があった。彼はフィリピン戦では現地に派遣され、山下軍団の参謀として従軍することになる。
結局、陸軍はレイテで二ヶ月、ルソンでは組織的戦争だけで四ヶ月、沖縄では三ヶ月の持久戦を戦い、結果として米軍は九州上陸戦の時期を失い、台風シーズンが終わらないまま終戦を迎えることになる。
持久戦の結果戦争被害はむしろ甚大になったのだから、何が良かったのかはわからない。ただ言えることは、大本営作戦部が主観に偏った作戦を展開せず、インテリジェンスを取り入れていれば戦争は変わった可能性があるし、またサイパン陥落の時点で戦争継続を諦めていれば、あんなに膨大な戦争被害者を産むこともなかった。
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太平洋戦争時に、情報参謀として活躍した堀栄三の回顧録。
これを読むと、旧陸軍も必ずしも精神論一辺倒ではなかったことがわかる。一方で、こういった人材を生かしきれなかったのは、旧軍だけでなく、現代日本にも通じるものがあるかも。
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田端信太郎氏も「失敗の本質」以上の名著と絶賛、読了後、確かにそう評するのも大いにうなずけました。これが1996年に第一刷が発行されたものでも、当時の日本軍だけでなく、今なお日本のあらゆる組織が抱えている本質をえぐり出しているからだと思いました。
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同じ主人公が3人称で語られたり、1人称で語られたりして混乱する。内容は面白いのに、文才は感じられない。残念な感じ。
それにしても大本営中枢の思考・行動様式が我が社の経営陣と瓜二つで嫌になる。自社の能力を客観的に評価できない、競合社の情報収集を軽視する、営業と技術が上に行くほど仲が悪い、精神論が大好き、現場の意見を軽視する、などなど。人材を選抜するシステムに重大な欠陥があるとしか思えない。
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2019年、41冊目です。
戦後、自衛隊の情報部門の責任者となった元日本軍大本営参謀の堀栄三氏の著作です。文章は、終始第三者が、堀本人について客観的に語る文章体になっている。
そのことが、情報に価値を置き戦略を立てて生きようとした人間の特性を現わしているかのようです。
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素晴らしい本でした。「失敗の本質」の分析を直接当事者から聞いているような感じです。それにしても「情報軽視」というのは恐ろしい。多分今も変わらないんでしょう。
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大本営参謀及び自衛官として情報任務に従事した著者が、エピソードを交え、情報を軽視し続けた日本の問題点、情報収集・分析の心構えを説く。
二線・三線の交差を求める(他の情報と関連があるか検証する)、数字的実証と現場の重要性(期待や感情による影響を可及的に排除する。そのために、作戦と情報を分離する。)、断片的で細かな情報を丹念に収集・整理・分析することの重要性(このような努力から「砂金」が見つかることがある。)といった示唆は民間においても役立つものと思われる。
また、著者が駐在防衛官としてドイツに赴任する際の大島浩元武官からのアドバイス(信用を得る、相手の名前を覚え名前で呼ぶ、背筋を伸ばし堂々とする、パーティーでの挨拶と入念な準備)は外国企業と接する上でも妥当すると感じた。
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今まで語られなかった情報という側面から太平洋戦争について語った本で、非常に面白かった。
日本の組織に所属している人は、上位の意思決定層の問題について共感する部分はあるかと思う。
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太平洋戦争においてフィリピン防衛や大本営の情報参謀を務め、戦後は自衛隊の情報室長として情報戦の第一線で活躍した情報将校本人による回想録。日本軍の敗因分析については多くの本が出ていますが、情報将校本人の回顧録というのは史料としても価値が高いと思うのです。
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「失敗の本質」に近い。
なにより大きく違うのは、著者が現場にいた情報参謀であること。現場からは過大な戦果が報告され、上は負けなさそうな理由を並べ立てる大日本帝国陸軍の中での孤軍奮闘ぶりがおもしろい。
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米軍が見た日本軍五つの敗因
①国力判断の誤り
②制空権の喪失
③組織の不統一
④作戦第一、情報軽視
⑤精神主義の膨張
戦略が誤れば、いかに戦術を駆使しても勝利なし