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大東亜戦争に関する書籍は数多あるが、本書は『情報』の切り口から先般の戦争を記している。
当時の大本営が敵国の戦略・戦術をはじめとする情報をどれほど軽視していたたが、当時を回想する形で記されているのでよく分かった。
その中でも特に印象的だったフレーズは、一つの情報(徴候)に対して、複数の視点から丁寧に分析をしないと致命的な誤りをするということだ。
現代でも、トランプ政権が誕生した際は多くの米メディアはクリントンを持ち上げ、トランプを非難していた。
米メディアのフィルターを通して、日本メディアもトランプ劣勢という論調であったが、結果は違った。
これは米選挙戦に対して、メディアの視点からでは捉えない米国民の民意があった、と考える必要がある。
こういった事象からも著者の堀氏の考え方を引用できるはずだ。
当たり前のことではあるが、本書を読んでからニュースを分析すると、そのメディアがどのような思考を持って論じているかを日々考える必要があるのを改めて感じる。
SNSを含めて情報が氾濫しているが、自分の頭で考えることが今以上に大事な時代はないのかもしれない。
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堀栄三は「正確な情報の収集とその分析という過程を軽視する大本営にあって、情報分析によって米軍の侵攻パターンを的確に予測したため、『マッカーサー参謀』とあだ名された」(Wikipedia)。上念司〈じょうねん・つかさ〉が毎年8月15日に繰り返し読む書籍と知って興味を抱いた。
https://sessendo.blogspot.com/2020/08/blog-post_29.html
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旧日本軍は最大の組織
戦略 戦術 戦場
経営方針
職場や営業の活動
マーケット
戦場の考察はマーケティングリサーチ
日本軍の暗号の非能率ぶり
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日本軍の情報参謀では有名な人。
こういうタイプの情報参謀があまり居なかったのです。
特務機関はたくさんあってそれなりに活躍はしていたのですが、公開情報を分析したり予測したりするインテリジェンスオフィサーのような方です。
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名著中の名著。先人のや遺言として何度も噛み締めたい。
クラウゼビィッツの制高点を飛行機という文明の技術で作ろうと米国は考えたとのこと。高いとは、どういうことか?物理的、精神的など意味を拡張できる。サイバー空間での高いとは?自分からは見えて、相手から見えない状態を作り出す。
エビデンス、数字に基づく作戦立案の重要性。
明確な戦略を描く。敵国に勝つ、一番になるだけでなく、その先の状態を明確に設定する。
戦略の失敗は、戦術や戦闘では取り返せない。
補給の重要性、システムとして、完全な最前線を構築する。
相手の立場に立って、作戦立案する。
技術や物量に、精神や人員の消耗で対抗しようとするのは、今も昔も変わらない。
最新の技術革新に対して、臆病なのも変わらない。
日本では、アメリカの側から見た書籍が多くないが、参考に読んでみたいと思う。日本では戦前、戦中の知識の断絶がある。さらには、中国に対峙する昨今、経済戦争や先端技術戦争はすでに始まっている。日本を盾にアメリカが戦おうとする冷徹な視点は、民間でも認識しておく必要があるだろう。
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太平洋戦中は大本営情報参謀として米軍の作戦を次々と予測的中させて「マッカーサー参謀」の異名をとり、戦後は自衛隊情報室長を務めたプロが、その稀有な体験を回顧し、情報に疎い日本の組織の“構造的欠陥”を告発する。
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相当面白い。自明と思っていた考え方を揺さぶられる。
本書は、二次大戦中、日本陸軍の大本営で情報部に勤務し、戦後自衛隊の情報室長も務めた著者による、日本の弱い情報戦略に関する歴史ノンフィクションといえる。話の中心は、情報戦略の観点でなぜ日本が米国に敗戦したかの歴史的分析であるが、それだけではなく、情報を収集し審査する考え方、情報の活用法とその具体例、また歴史的分析に紐付く具体的な戦中のエピソードなど、単なる学問的な本とは一線を画す面白い話が読める。国防にせよ企業の知的財産権にせよ、自分の思う以上に情報をめぐる激しい戦いが行われている可能性が高い、と危機感を持たされる本であった。自分が著者と同じ立場にいたとしたら、どう情報を集め考えるか、一緒になって考えることもできる。また、戦争物を読まない人にとっては、どこかで聞いたこともあるかもしれないいろんな日本軍人のエピソードも聞けて、少しずつ顔が見えてくるのも面白い。
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太平洋戦争時、大本営の情報参謀としてアメリカ軍の戦略分析を行った筆者の体験記。当時の日本軍の情報の分析の幼稚さに唖然とする。真っ当な国力・兵力分析もなしにあの戦争に突入し、敗色濃厚となってからも精神論だけで玉砕戦法をとっていたとは。
この情報軽視の兆候は今の国や企業にも当てはまるところがあるのではないかと思うと背筋が寒くなる。
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太平洋戦争での日本の大敗について、情報参謀が自分の経験を踏まえて書いたという、なかなか珍しい本。
日本の情報感度の低さと、それによってできた勝ち筋のない戦略で、何百万人という兵士が死んでいったと考えると、どうしようもなく不憫に感じた。日本がどのように負けて、負けるべくして負けたというのがよくわかる。
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行動に際して情報分析よりも精神論が幅を利かせて大敗したのが、太平洋戦争。果たして、戦後の日本人は正確な情報を収集し、解析し客観的事実から来る戦略へと落とし込めているのか?
戦後、大本営発表とはありもしない希望的戦果のことと揶揄された組織の中で、できるだけ現実を見ようとした参謀の覚書です。
終戦間もない昭和21年4月に米軍が発表した調査書で日本軍の敗因について分析されている。
曰く、彼我の国力判断ミス、ベースとなる制空権喪失、指導権争いという不毛な陸海軍の意思疎通の問題、先ず作戦ありきでその裏付けとなる情報軽視、勇ましいだけの精神論の暴走。
作戦や戦略は様々な情報分析からの論理的帰結であるべきなのに、日本軍の会議では、開戦反対派を「弱腰」「卑怯者」と罵倒し、劣勢でも神の国なので神風が吹くと本気で論じていました。このような指導者たちを担いでいた不幸を二度と繰り返してはなりません。
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終盤にある、日本敗戦を導いた日本軍の情報の貧弱さを分析した米軍の報告書が、本書の本質を物語っている。
情報軽視、情報共有の欠落、根拠のない精神論…これらの敗戦の教訓は、今でも様々な場面で参考になると思う。
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太平洋戦争で情報参謀として様々な予測を的中させてきた堀さんの本 情報と言う観点から日本軍と米軍の違い、どういう風に情報が取り扱われていたのかがわかる これは現代の企業においても同様のことが言えると思うとても示唆に飛んでいる本
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著者の堀栄三は太平洋戦争時に大本営陸軍部参謀として情報業務に携わった経歴を持つ人物で、本書は著者の実体験をもとに、情報との関わり方が書かれている。この本を読むと、情報収集のプロでさえも、必ずしも正常な判断を下せるわけではないこと、また時には職人芸のように肌感覚で正しい情報を得るという、非常に神経をすり減らす仕事だと理解できる。
本書で気になった箇所をいくつか取り上げると、まず土肥原賢二の人物像である。著者が陸軍大学校入試で悩んだ際に、著者の父親である堀丈夫が土肥原の私邸を訪問するよう勧めて、実際に私邸を訪ねた。そのとき、土肥原は特におごり高ぶることなく対等な関係で、著者に戦術のあり方を説いた。その教えはシンプルではあるが普遍的な思想を持っており、著者のその後の人生に影響を与えたことをふまえると、土肥原が指導者として十分に役割を果たしたことが今回わかった。そのためこの本を読む前と後で土肥原賢二に対する認識が変わった。
また、著者の陸軍大学校受験で、教官から問われた問題(いま上ってきた階段の段数を答える問題)が興味深かった。これはつい最近読んだスパイ小説『ジョーカー・ゲーム』で全く問題(こちらはスパイ養成機関の選抜試験であるが)であり、単なる知識の詰め込みでは対処できない、何気ない一瞬の場面を正確に伝える問題が本当に出題されたことがわかった。
冒頭で既に述べたが、情報を扱う仕事とは職人の仕事と共通点がある。著者は本書で主張するが、情報の仕事にマニュアルのようなものは存在せず、また直接誰かから仕事のノウハウを教えてもらえるわけではない。上司からのちょっとした言葉をヒントに、自分から主体的に学んで次第に経験を積まなければならない。これはたしかに弟子が師匠の背中を追いかけて、たくさんの技巧を習得していく様子と似ている。このことから、代替されにくい仕事とは、合理的に割り切れない、わずかなところに気づける嗅覚、勘を持っていることがわかるだろう。
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戦争中に情報参謀として、未経験からやり抜いた堀氏による戦記。情報をどう収集し、そこから本質をどう見抜くか、自分の仕事の向き合い方にも関わる一冊だった。