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うーん。何なのその終わり方?最後北川先生と結婚したと思わせといて…って奴なのかな?個人的にここから「獣の記憶」に遷移するのかなとか思ったけどどうかなぁ。
読んでる途中はまあ、良かったけどね。読みやすいし相変わらず。
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帯を見ると、記憶障害の男が殺人鬼と戦う話らしい。面白そうだが、それってノーラン監督の『メメント』ではないか。ちょっと最初を読んでみる。
田村二吉が目を覚ますと見知らぬ部屋にいる。傍らにあるノートを見ると、「警告! ・自分の記憶は数十分しかもたない。思い出せるのは事故があったときよりも以前のことだけ。・病名は前向性健忘症、・思いついたことは全部このノートに書き込むこと」と書かれている。どうやら健忘症は自分のことらしい。記憶をたぐるとチーマーに暴行を受けて頭に一撃を食う場面まで思い出せる。それ以前の記憶は大丈夫だが、脳に損傷を受けて以降は記憶は数十分しか続かないのだ。覚醒しているうちは自分が記憶障害だということを繰り返し思い出すが、一晩眠るとすべて抜けてしまうのだ。
ノートはすでに400冊に迫っており、だいぶ長いことこの状態で生活しているらしい。大事なことは要約されていてそこを読めとあるので読むと「今、自分は殺人鬼と戦っている」と書かれている。
ミッション・インポシブルである。
小林泰三はSFも書けば、ミステリも書くし、デビューはホラーだ。しかし何を書いてもその面白さの核心がある。理詰めの面白さである。この「健忘症の男が殺人鬼と戦う」小説は『メメント』とも記憶喪失韓流ドラマとも違って、記憶なき判断力のみの勝負の面白さなのだ。しかも敵の殺人鬼の設定はSFといっていい。
連作短編集『忌憶』には記憶障害の二吉というのが登場するようだが、遭遇しても記憶に決して残らない宇宙生物(か何か)と戦う「忘却の侵略」という短編があった。本書はそのヴァリアントともいえる。本書での敵はある種の超能力者なのである。
冒頭、章を改めると、雲英(きら)光男という男が登場する。名前からして彼が「殺人鬼」であるのがわかる。雲英の超能力とは、相手の体に触れながら「おれはおまえの命の恩人だ」と語ると、そのような記憶を相手に植え付けてしまう能力である。で、ここからがなかなか脳科学的な説明がなされているのだが、「命の恩人だ」という記憶が強く書き込まれると人間の脳はそれに合わせて適当な記憶をより集めて、とりあえずそこそこに整合的な記憶を作ってしまう。相手はちょっと混乱しつつも信じてしまうのだ。雲英はその能力を使って、物を奪ったり、女をものにしたり、人を殺したり、好き勝手なことをして暮らしている。
だが、雲英にも弱点があり、監視カメラなどの記録機械である。そこで彼はその能力を使って自分の生活圏の監視カメラを無効にしているのだ。
二吉は雲英と遭遇し、雲英が危険な存在であることを知る。彼も雲英による記憶植え付けを体験するのだが、そもそも記憶に障害のある二吉には人為的に植え付けられた記憶の異様さに気がつくことができたのだ。
最初は雲英を避けることを考えるが、倒さねばならないと決意することになる。しかし、暗殺などは論外である。自分でそのようなことはできないのはわかっている。そこで雲英の犯罪の動かぬ証拠をとらねばならない。唯一の有利な点は雲英にこちらの存在を気づかれていないことである。
事故以前の記憶しかない二助にとって、ノートへの書き込みが記憶の代用である。だが、毎朝起きたときにノートのすべての記述を読むわけにはいかない。数十分かかって読んでいたら最初に読んだところはどんどん忘れてしまうのだから。
当然のことながら、二助は絶体絶命の危機に陥る。電車の中で読んでいた評者は乗り越しの危機に陥ったことを白状しておく。そしてどんでん返し。ただ、どんでん返しは三つ四つあるものと覚悟すべし。
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最後が気持ち悪くもやもやする。と思ってレビューを眺めてみると、どうやら田村二吉と徳さんは他の作品にも出ているもよう。そちらを読んでいないとわからないのかな、と思ったが、読んでいる方たちにももやもやは残っているようだ。
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メメントを思い出す。
悪人が能力のわりに小物感がある。
主人公も悪人もバカなのか賢いのか…
話の持っていきかたも会話で誘導、説明するので違和感がある。
最後もなんだかなー。伏線か?
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暴力的な描写は苦手ですが、設定が面白く流れに飲まれました。先が気になる!と。
ただ、謎は解決しないまま。
さらに混乱を残してend
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記憶が数十分しかもたない前向性健忘症の男が、極悪殺人鬼と対決する。向こうは記憶を改竄する超能力をもつ。アリバイもでっち上げられるし、罪を擦り付ける都合のよい記憶を植え付けることもできる。カメラ映像などの物理的証拠にさえ気を付ければ発覚はしない。ところが健忘症の男は記憶操作によって、ないはずの記憶が生じたことから超能力に気づいてしまった。能力が効かないと知られたら――殺されるかもしれない。
注意して行動せねば。でも記憶はノートに書いて読まないと保持できない――。
1章を読んで引きつけられた。スリリング。心臓の弱い方ご注意。犯行の悪逆さが気分が悪かった。能力の使い方からして頭の悪い輩に感じたが、少しは頭が切れるらしい。
この方の作風なのかな、すっきりと終わってはくれなかった。そう来るか。実は恐怖はまだ終わっていないのだ……というような感じ。この本の体験自体も実話だったのでしょうか、と考えたら、どうなるのでしょう。
漢字。拙(まず)い、仮令(たとい)、恍(とぼ)ける。
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記憶に関する作品が多い著者さんなのかたまたま続いて読んだだけなのか、前向性健忘症の主人公が記録ノートを頼りに犯罪者に立ち向かう本作。その犯罪者は記憶を操れる超能力者で、元々覚えてられない人に偽の記憶を植え付けたことで違和感を覚えあれこれ始まるのだけど、一件落着した後の方が謎と恐怖が襲ってきた。一気読みできて面白かった。
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ネチネチしつこく書き込むんでなく、擬態語や大袈裟な表現を多用するでもなく、むしろ幾分アッサリした文体で、充分エグくてイカれてるのは、設定そのものの力。
記憶改竄能力 vs 記憶破断者って、どこからこういうの思いつくんだか。論理矛盾を起こさないように話の辻褄を合わせるだけでも大変だろうに「徳さん」キャラは魅力的でし、最後の一行が効いてる。
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記憶が数十分しか持たない前向性健忘症の男vs人に触れる事で記憶を改ざんする能力を持つ男。
グロイホラーの短編集で有名な作家さんなのだけど、今回はホラーじゃない?
と、、思いきや、記憶をいじられるって、一種の暴力。そしてとても気持ち悪く、下手をすると精神崩壊なんてしてしまう。。
殺人鬼のとても身勝手な理由で人を簡単にもてあそんで、挙げ句に殺してしまい、その罪を何の関係も無い人になすりつける。
この手段がとても気持ち悪い。
まるで自分の記憶も本当に自分のものなのか?
という錯覚に陥らされてしまうのは、作者の意図している所なのだろうけど、実に上手い。
実際にある本当の病気と超能力との戦いで有り得ないのに、リアルに感じてしまう。。
完全に作者の術にはまってしまい、先が気になり一気読み!!
面白かった。。
他の作品との繋がりもあるようなので、もっと深読みしたいので読んでみたくなったよ。
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201707
サクッと読めるけど、余韻が気持ち悪くて気持ちいい。
最後の一行で、全部信用できなくなった。
最後の方、北川先生も言動が怪しかったし、北川先生=夏生なのか?
ところどころデスノート。
キラだし、ノートがキーだし、ノードを完璧に偽造できる老人でてくるし
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イジイジしつつ、まあ楽しめた。
最後の一行にああっ!
と思いつつ。
生きるの大変だよな〜。
HMもこんな感じだったのかしらん。
記憶は簡単に作られるから、
タイムリー。
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一気読みしないといけない系の一冊。
相変わらず、暴力シーンはウェッティで、ミステリ要素は繊細です。一行でも見落とすと「?」に陥りがち。小林泰三さんの醍醐味がギュッと詰まった書きおろしでした。
記憶を操る事が出来る男と、数十分しか記憶が持たない男の闘い。若干、アレとソレを足したような設定じゃないかと思うなかれ。最後の一行まで刮目せよ。
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前向性健忘症(記憶が数十分しかもたない)を患う田村二吉。記憶の代わりにすべくノートを持ち歩き,大事なことを書き込んでいる。彼の前に《他人の記憶を書き換えることができる》という超能力を使って好き放題をやり,人を殺すのもためらわない雲英光男が立ちはだかる。田村が雲英のことを犯罪者だと見抜くことが出来た顛末がおもしろい。この殺人鬼雲英が非常にゲスな野郎で,数々の悪行のくだりを読んでいると反吐が出そうになる。果たして田村はその限られた記憶力で雲英に勝つことができるのか?
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「記憶破断者」
小説です。
記憶障害もの映画の金字塔「メメント」とほぼ同じ ”忘れちゃう” 症状の主人公の一人称による物語。
さすがにメメントに勝るとは言えないが、こちらもかなりの秀作。短時間しか記憶がもたない状況で、いかに事態を打開するのか。ハラハラドキドキです。
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1ページ目、『警告!』の太字に、読む前から既にワクワクしてしまった。その期待は、最後の1行まで裏切らなかった。
健忘症患者と、他人の記憶を改竄できる殺人鬼の対決。一見勝ち目のない対決に思えるが、もしかしたら…と逆転ホームランを待ってしまう。
死闘の末、感動のクライマックスを迎えたと思いきや、そこからも更なる真相に、驚きはとまらない。思わず、「ちょっと待って!」と読み返してしまう。
推理小説たくさん読んだし、展開みえてきたなーと途中で思った自分が恥ずかしい。
推理小説が好きな々に、是非お勧めしたい。