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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA65340030
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地震や火災など、予期せぬ災害に遭遇すると人間はどんな行動をとるか。心理学的アプローチと過去の事例から、危険を回避する具体的な方策をアドバイスする。危険な時代を生き抜くための必読の書。(商品紹介より引用)
・防災のジレンマ
災害は、予知することはできない。しかし、防災をしなくてはいけない。という第一のジレンマ。
また、災害発生後にも、防災をしていて効果があったのかどうかを示すすべはない。
という第二のジレンマ。
それでも、我々は防災に努力しなければならない。
・災害時の家族の重要性
親は子のため、子は親のために自己犠牲を厭わない。その力が個々でいるよりも、生命存続には大切になる。
・生き残ったことを誇ることのできる世の中に
海外では、災害を生き延びた人を「サバイバー」呼ぶのが、日本にはそれに相当する言葉がない。
日本では、「被災者」であり、「被害者」。特に、日本では生き残ったことに対する罪の意識が強い。
実際に世界中で起こった災害を例にしているので、時々その恐ろしさに背中がゾワっとすることが多々ありました。
防災とは、しなくてはいけないと思いながらも、出来ていないことNo.1ではないでしょうか。
滅多に起こることではないし、上記にあるように防災していたからといって、それが正しいことだったのかも分からない。
けれど、していなくて後悔するよりも、今できることは全力でしたいと私は考えます。
また、防災も大切ですが、゛忘災″してはいけない。とても、この言葉に納得した。
私自身は、関西在住で阪神淡路大震災のときは、まだ、赤ん坊でしたので、全く記憶はありません。
しかし、これからの残りの人生で何があるか分からない。地震かもしれないし、火災かもしれない。備えあれば患いなし。
防災を改めて考えるよいきっかけになる本でした。
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災害における人間の心理とは?という興味で手にとったものの、災害の心理学というよりも防災に軸足どころか両足をのせた一冊。
防災という観点から見れば、かなり硬めの内容で新書サイズによく収まっているので俯瞰しやすく読みやすい。昨日に読んだ『人は皆「自分だけは死なない」と思っている』と似たような内容ではあるものの、こちらの方が情報が整理されていてよく感じたが、やはり気になったのは心理学としての情報の少なさか。
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■避難勧告や避難指示が出された場合でもこれに従う人々は驚くほど少ない。これは日本だけのことではなくアメリカやヨーロッパでも同じ。
■災害の被害を避けるために避難の指示や命令などが発令されても避難する人々の割合が50%を超えることはほとんどない。安全に慣れてしまって危険を実感できないでいる。
■私たちの心は予期せぬ異常や危険に対してある程度鈍感にできている。常に移り行く外界の些細な変化にいちいち反応していたら神経が疲れ果てまっとうな日常生活が崩壊してしまう。心に遊びを持つことでエネルギーのロスと過度な緊張に陥る危険を防いでいる。ある範囲までの異常は,異常だと感じずに正常の範囲内のものとして処理するようになっている。このような心のメカニズムを「正常性バイアス」という。この「正常性バイアス」が身に迫る危険を危険としてとらえることを妨げてそれを回避するタイミングを奪ってしまうことがある。
■最終的に自分の身を守るのは自分自身であることをしっかりと自覚すること
■PTSDの主な症状
①過覚醒
・意識が過度にピリピリと敏感になっている状態
・いつ再びやってくるかもしれない同じ危険に対して常に身構える体制をとり続ける
・自己防衛機制が行き過ぎて働く結果
②侵入
・外傷を受けた瞬間の情景を目覚めているときにはあたかも実際に今起こっているかのようにありありとフラッシュバックの形で再現して想起する
・眠っているときには外傷性悪夢として繰り返し繰り返し仮想体験する
・外傷性記憶が繰り返し意識の中に執拗に「侵入」してくるので日常生活は混乱して家族や親しい友人との間でも満足な心の交流やコミュニケーションが取れなくなってしまう
③狭窄
・不快感をもよおす脅威に満ちた恐ろしいものは決して見たくない。私たちは見たくないものを見ないようにするために無意識に自分の興味や関心をより狭い範囲に制限しようとする。そして極端な場合には自分自身や家族の生活への関心,それまでの生活においてエネルギーの大半を注ぎ込んでいた仕事や趣味への情熱などをまったく失ってしまうことがある。災害や事故で自分自身が経験した危機的な状況を再び思い出させるような場面に直面したくないという心理がこの狭窄の症状をもたらす。
■避難行動のメカニズム
・避難行動とは個人や家族のような集団が脅威や破壊にさらされたときに,その事態を回避するための移動行動。避難行動は単純に見えてなかなか複雑な要素を抱えている。
・避難行動の特徴は個人の単独な行動というよりは集団的な行動という点にある。避難行動はそのメカニズムを見るとそれをともに行う個人の間では相互作用的であり,複合的であるため様々な要因がこれに関与して避難行動を促進したり遅延したり,場合によると中止したりする。
・また,多くの場合,移動は一時的なもので危険が去った後には再び元の場所へ戻ってくるが,時には移動した場所で定住したり,そこから更に別な場所へと移動を重ねることもある。そのような各段階に,個人や集団の意思決定のプロセスが介在している。
・避難行動は,まず危険���知らせる情報が伝えられるところから始まる。この情報にはマスメディアからの災害情報の伝達の場合もあるし,市町村による防災行政無線のスピーカーや,消防や警察の車両からの避難勧告や指示の伝達の場合もある。いずれにしても我が身に降りかかる危険が現実にあることを実感しなければならない。
・だが,仮に危険を感じたからといって直ちに避難行動を始めるわけではない。その次は危険の大きさを評価する段階がくる。中には危険を過大にとらえる人々もいるが,一般には,危険は実際よりも過少に評価される傾向がある。そのために多くの災害では避難勧告や避難指示が出されてもそれに従って避難する人々は少ない。
・最後に考慮すべき事柄は,果たして避難するに際して何か重大な障害があるかどうかということ。例えば避難の途中に大きな危険がないか。避難所は十分に準備されているか。避難所までの距離はどうかなど。さらに,様々なことが思案される。その結果,避難しないよりも避難した方がより安全だと思える時に公的な非難の指示や自分自身の判断に従っての避難行動が開始される。
・避難行動を行う人々の割合が一般に低いのは,避難には大小様々なコストがかかるという理由によるものである。
■人々は警報を受け取っても自分たちに危険が迫っていることをなかなか信じようとはしない。
・警報のメッセージに少しでも曖昧なところや矛盾したところがあったりすると警報の信頼性に対して疑いの目を向ける傾向がある。
・正常性バイアスという私たちの心に内蔵されている機能は元々は私たちが過度に何かを恐れたり不安にならないために働いているはずであるが,時にこの機能は私たちをリスクに対して鈍感にするというマイナスの役割を果たす。
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具体例が多くておもしろい。第二章の災害時における家族というファクターの話、第六章の災害時における利他的行動の話を興味深く読んだ。
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【ノート】
・災害は、その地域が持っている上昇か下降のベクトルを加速させるというのが面白かった。
・第一次警報伝達過程と第二次警報伝達過程。マスコミなどは後者。
・ちなみにこの本は2004年に書かれているが、3.11後の今、情報伝達について今はどのような見解を持ってるんだろうか。
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自然の災害、人的脅威、世の中は恐ろしいことが多い。 !!(>д<)ノ
だけど、なんとなく目をそらして暮らしている。
そうしないと不安でどうしようもなくなるから・・・。
いったん何かが起こった時の行動も、自分では自信がない。
この本に書いてあることに心当たりがある、愚かななことをしそうだ。
興味深い内容の本です。
2013/11/20 予約 11/26 借りる。 12/1 読み始める。2014/04/15 途中で中止。
内容と著者は
内容 :
地震や火災など、予期せぬ災害に遭遇すると人間はどんな行動をとるか。
心理学的アプローチと過去の事例から、危険を回避する具体的な方策をアドバイスする。危険な時代を生き抜くための必読の書。
内容(「BOOK」データベースより)
地震や洪水、火災などの災害に遭遇した時、身をまもるために素早く行動できる人間は驚くほど少ない。
現代人は安全に慣れてしまった結果、知らず知らずのうちに危険に対して鈍感になり、予期せぬ事態に対処できなくなっている。
来るべき大地震のみならず、テロや未知の感染症など、新しい災害との遭遇も予想される今世紀。
本書では災害時の人間心理に焦点をあて、危険な状況下でとるべき避難行動について詳述する。
著者 :
広瀬/弘忠
1942年東京生まれ。東京大学文学部心理学科卒業。東京女子大学文理学部教授。専門は災害心理学
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カテゴリ:図書館企画展示
2016年度第9回図書館企画展示
「災害を識る」
展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。
開催期間:2017年3月1日(水) ~ 2017年4月15日(金)
開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース
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鹿児島の実家、実は先日の大雨で半孤立しています。地表滑落のため、団地に隣接する幹線が下り側で全断。年内の復旧見込みはなく、移動に苦が伴っている。
大雨前に避難警報の発報を知るも、離れた土地にいる家族は「ダイジョウブ」の一点張りだった。結果、大丈夫だったけどニアミスだった。
実は、先日、ウチのビルで発煙があり警報が鳴った。"This is not a drill"というフレーズは訓練の時にも流れていて、「あれ?訓練かな」と思って誰も避難しなかった。実際に避難したのは、消防士の姿を見た来た時だった。
警報はその信用を落とし、避難意識も高く持ち続けられていないのは現実のように思う。
どうしたら彼らに避難してもらえたか、自分が避難行動をとれただろうか。
実際にはパニックにはならないが、落ち着き過ぎはまずい。災害天災のもたらす悪い面と良い面(!)の存在。新しい時代には新しい災害が、など知っていて損のない内容でした。
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竹内薫・科学ブックガイドから。非常時、パニックにならないのが危ないっていうの、目から鱗だった。言われてみればその通り。自分のことを振り返ってみても、思い当たることがあって冷や汗もの。話題は感染症にまで及び、かなり前の出版ながら、内容はかなりタイムリー。常日頃から色んな可能性に思いを馳せ、より確実な準備を整えていくことが肝要。当たり前のことなんですけどね。
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タイトルと内容が噛み合ってなくてストレス
ようやく読み終えた
実際の災害が多数挙げられているが、人はなぜ逃げ遅れるか?という問いに対する結論を導くために事例を挙げているというのではなく、ただ列挙されているだけに感じた 散漫な印象
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人は災害時にパニックにならない、という前提をもとに、災害に備えた社会を説く。韓国の地下鉄事件の被害者の落ち着き払った様子や、9.11の世界貿易センタービルのテロ事件の際の人々の行動などからその前提を解説している。ただ、内容的には危機対応時の人間について語っているので、アマンダ・リプリーの『生き残る判断、生き残れない行動』なども参照した方が、タイトルの疑問については理解しやすいであろう。
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タイトルは「なぜ逃げおくれるのか」であるが、その原因について洞察しているというよりは、災害全般について、筆者の考えが整理されている。
パニックとはギリシャ神話に出てくる半獣神「パン」が由来だというのは初耳であったし、災害ではパニックは簡単に起こらないということも主張している。
また、日本では災害で生き残った人達を「被災者」と呼ぶが、実は「サバイバー」なのだという見方は斬新である。
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災害心理学者として、災害を洞察しており、タイトル以上の内容が含まれている。
災害とは何かを知り、社会が、個人が、災害に際してどのように反応するかを知ることが、災害を減ずることにつながる。
パニック神話の話が興味深かった。災害時に人々がパニックになるのは、実は限られたケースであり、むしろ災害=パニックという先入観により正確な情報を与えないことが、被害の拡大に繋がりうる。パニックにつながる要件を把握して、パニックを防止しつつ、適切に情報提供することが大事という話。