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放棄されたはずのバーチャル・リアリティの実験が強行されてしまった。シミュレーションの中に閉じ込められたコリガンは、脱出することができるのか?
何が現実で何が幻想なのか…といったリアリティの喪失の危機感とか、掘り下げればもっと面白くなる余地はあると思う。いかんせん、ホーガンは人物描写が下手。この本も冗長でした。はぁ。
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本物のAIを作ろうとしたのにいつの間にかヴァーチャルリアリティ=ヴァーチャルワールドの開発に話がすりかわり、メイン科学者が敵対していた同僚の姦計によって、それまでの記憶を消されてヴァーチャルワールドに閉じ込められた! 装置のスイッチを握ってるのは相手のほう。果たしてメイン科学者・コリガンは無事にその狂ったヴァーチャルワールドから脱出できるのか? 最高にジリジリする……
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ハードSFサイバーパンクもの。
主人公が実に不利な立場からはじまり、そこから真実を見つけ出す緊迫感が堪りません。
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夢の中ではどんなに突拍子もない世界であっても
夢だと気がつかないように。
リアルな現実ならなおさらどっぷりつかって。
特別に専門的ということはなく、
かといって空想的というわけでもなく読みやすい。
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どうしても海外物だと日常シーンが退屈に感じてしまうが、それでもシミュレーションの世界の説明など、SF的な解説になると急激に面白くなるあたりはさすが。
「仮想空間計画」らしくなってくるのが後半に入ってからというのがちょっと長く感じる原因ではあった。
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主人公が自らの出世の為に作り上げた仮想マシンに自らテストを行う為、ログインした後、そこから記憶がなくなるが、徐々に仮想空間内で自らの行為を思い出していくというなかなか読みごたえのある内容だった
読み応えのある内容だった。
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20年を感じさせないのはさすが。そろそろ現実にもこれくらいの仮想空間計画を稼働させてみてほしいもんだ。
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読む人によって評価が分かれるかもしれない。登場人物の置かれる立場(舞台)が、章ごとに飛んでしまうので、そこが読みにくいというか迷子になりそうなところだった。読み進めれば、これも演出の一つなのだと分かると、面白くなっていく。むしろ、舞台がコロコロ変わることによって、SF的リアルさが増す。読者が迷うというのは描写が見事だということに他ならないと感じた。物語の視点が仮想空間にあるのか、現実世界にあるのか気を付けながら読むと、迷わずに楽しめるだろう。でも作者には騙されるのだろうな。まあ騙された方が楽しいので、穿った見方をせずに素直に読めばいいと思う。
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いまいち…実はここは仮想世界でしたー!って出オチをいつまでもだらだら引っ張ってる感じ。これなら短編でいいと思う。
仮想世界のディテールも、同じ時代にスノウクラッシュとか出てたと思うと平凡。もっとSFらしい遊び心がほしかった。
あと訳が悪いのかへんに主語が無かったりで読みづらい。
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ジョー・コリガンは仮想空間計画オズの立案者だった。しかしその計画は放棄され今はリハビリの日々だ。仮想空間と同調したときに何らかの不具合が発生して記憶が飛んでしまった期間を過ごした。いまは世界に復帰するための調整をしている。でも今の世界は本当の世界なのか?本当にオズ計画は放棄されたのか?Virtual Realityの世界を描く。こんな世界なら恐怖だな。
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仮想空間と人体との接続方法の説明が、飛躍的なところもあるがちゃんとされており、あまり懐疑的な分析をしないで、物語を楽しめた。
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いやー楽しかった。
エンタメとしてとにかくおもしろい。なんで映画化してないんだろう、と思ったけど、絵面は意外と地味か。
しかし登場人物がとにかく多い。
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ハードSFの巨匠ホーガンが90年代に書いたVRものSF。原題「REALTIME INTERRUPT」よりも邦題「仮想空間計画」のほうが内容をイメージしやすくてわかりやすい。
閉じ込められた仮想現実(VR)から脱出するという、今やありふれた話ではあるが、、ホーガンらしく科学的な検証や企業政治のゴタゴタ、丁寧な人間心理の描写などが緻密に書かれているためか、今読んでも古さを感じない。
舞台は2010~2022年となっており、記憶を思い出すように過去と現在の主人公が交互に描かれて進行し、失った記憶の謎でつながっていく流れが面白い。VR内と現実に時間の速度差があるあたり、マトリックスというよりはインセプションの感覚に近かった(いずれも本書より後の映画だが)。
人物が多くて把握するのが大変なので、リストを作りながら読むのをオススメ。巻頭2ページの登場人物リストでは足らんのです……(苦笑)。
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仮想空間を舞台としたSF小説。科学者ジョー・コリガンはヴァーチャル・リアリティーの研究に従事していたが、自分の存在する世界が実はヴァーチャル・リアリティーであった。古代中国思想の荘子には「胡蝶の夢」という話があり、漢籍に馴染んでいる人には驚かないプロットである。ヴァーチャル・リアリティーやメタヴァースの発展で現実がSFに追い付きつつある。
コリガンは企業内の研究者であり、社内政治が関わってくる。社内政治でビジネスが歪められることはうんざりする。その中で不動産バブルの虚飾を批判する台詞がある。「きみらのうちで、何年も前の貯蓄貸付組合の騒ぎを覚えているのは何人ぐらいいる。あの時は誰も借りたがらない超高層オフィス・ビルを都心に積み上げるのに何百億もつぎ込んだ」(176頁)。これは、その通りである。
コリガンは技術的限界を正直に説明する。企業はバラ色の夢物語を描いて投資家から金を集めていたため、経営者は激怒する。しかし、コリガンの率直さが逆に投資家から評価された。「われわれが聞きたかったのはただ、保証はどこにもないということを面と向かって言ってくれる言葉だったんだよ。それを聞くことができれば、われわれはみな立場を同じくして、同じ問題を解決しようとしていると、わかることになるわけだ」(406頁)。日本人は「大丈夫です」と無責任に答える傾向があるが、それは最悪の回答になる。
仮想空間は現実そっくりに作成するために逆に不便な点がある。「なんでわざわざシミュレーションの世界を作っておいて、現実世界の不自由な部分まで全部作らなきゃならないわけ。何かおまじないを唱えれば、こういう類のことは一瞬ですんでしまうようにできるわけでしょ」(453頁)
これはニール・スティーヴンスン著、日暮雅道訳『スノウ・クラッシュ 新版』(早川書房、2022年)とも重なる。メタヴァースの中でアバターは出現場所の制約がある。好きな場所に移動することはできない。プログラミングではGOTO文があり、好きな場所にジャンプすることは可能である。現実の物理環境と同じように移動させることはデジタル世界の特性を考えると、わざわざ不便にしているように感じられる。そのような点を現実に合わせることに意味があるだろうか。
『仮想空間計画』ではシミュレーションするために現実の人間の記憶を操作し、仮想空間に閉じ込めた。本人の同意を得ていない実験であり、だましの行為である。真相に気づいた主人公は即刻実験を停止して外に出すことを要求する。至極当然の要求である。
ところが、企業側は実験には巨額の通しをしており、成果も上がっているとして、のらりくらりと要求に応じない。これは腹立たしい。そもそもだまして行ったことが問題である。一日でも早く止めることが正義である。実験の成果という全体最適のために貧乏くじを押し付けることは誤りである。
シミュレーションは想定通りに進まなかった。仮想空間は現実とのギャップがあり、仮想空間を本当の空間と思って生活しているとおかしくなってしまう。現実世界でもゲーム依存症による生活不適合が問題となっている。
仮想空間の中のシステムが作り出したキャラクターは現実の人間の行動を模倣する。今風に言えば機械学習する。このために現実の人間が仮想空間でゲーム依存症のようなおかしな行動するとシステムが作り出したキャラクターもおかしな行動が伝播し、仮想空間そのものが狂ってしまう。このカタストロフィーは、だまされて閉じ込められた主人公側に感情移入しているため、カタルシスがある。