投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
読み終わった~~!
うちの7歳児に読んでいるネズミのガンバと仲間達の三部作最終話。570ページを子供に音読するのはかなり長いぞ~~~~。
こんども「ガンバと15匹の仲間達」なのですが、ノロイ戦で三匹離脱したので、代わりにノロイと一緒に戦った島ネズミたちが三匹加わったので、メンバーちょっと変わってます。
しかしアニメの影響で私の脳内イメージがシジンは酔いどれべっぽこ文士のおっさん、イダテンとイカサマは同じ奴(実際この二匹はノロイ以前からの仲間で言動も似ている)のような気がしてしまい、読むにあたってのイメージ修正にちょっと手間取った(笑)
挿絵は動物挿絵薮内正幸さんによる”ネズミそのもの”なのですが、儒学者のような髭のガクシャと、黒っぽくて耳からサイコロが見えてるイカサマ、でかくて前の方を走るのはヨイショ、でかくて後ろの方を走るのがマンプクくらいは見分けられるようになった!
ちょっと残念なところは野犬たちの挿絵が獰猛というより可愛らしいってことか。うちの7歳児も「野犬かわいいね??」と言ってましたよ、映画版では怖い野犬だったんですけどね(笑)
★★★
シジンの恋人、ナギサさんが南の島に渡ったっきり連絡が途絶えた。
南の島に向かうガンバと仲間達。
ナギサを探す謎かけ「汝ドウドウ鳥を見しや」(イカサマ流に言うと「おめえドウドウ鳥を知ってるかって聞いたんだよ」)。ナギサは”ドウドウ鳥”つまりは絶滅したと思われるニホンカワウソと行動を共にしていると思われる。
ナギサとカワウソを探すガンバたちの行く先々であざ笑うかのように置かれるネズミやウサギ、イタチの死体。
それは野犬たちの警告だ。彼らはただ狩る。犬だから狩る。ただ殺すためだけにカワウソを探している。ガンバたちがカワウソを探すから後をつける。そして見つかればカワウソもネズミたちも殺す。
ガンバたちはカワウソを見たという一匹のネズミと行き会う。名はウキクサ。カワウソのが野犬に襲われるところを見たという。
ウキクサの言葉に違和感を覚えるネズミたち。ウキクサは野犬のスパイなのか、カワウソへの情は本物なのか。
ついにガンバたちはナギサを見つける、そして奇跡のようにカワウソを見つける。
怪我をした父親と、娘のカワモ、そしてまだ幼い別家族のカモク。
奇蹟のドウドウ鳥が生存していた!沸き立つネズミたち。
しかしここは危険だ。野犬が来る。人間に見つかる。川が汚染される。
野犬の来襲に、父カワウソは囮となり皆を逃がす。
二匹のカワウソとガンバたは言い伝えの「豊かな流れ」を目指す。
そしてカモメのキマグレ。ガンバたちの前に気紛れに表れては彼らをバカにする。
「翼を持たぬ者は嫌だねえ、私のくちばしでちょんとつつくくらいの地面しか見られずに、それでもいつでも隠れようとして。かわいそうもんだねえ地を這うものたちは」
しかし我らがネズミたちも負けてません。「おめえは森をみてもその中を知らない、岩陰に何が生きているか、ちっちゃい木の下にうごめく虫の事も知らない、土の柔らか���、あったかさ、冷たさ何も知らない、おめえが上から見ている物なんてつまらんもんよ」(byヨイショ)
憎まれ口を叩き合いながらも、キマグレは毎日ネズミたちの元を訪れ共にカワウソを守りカワウソたちが住める場所へ向かう。
しかしカワウソたちの疲労は限界だ。
自分たちは、種族最後の二匹ではないのか。仲間はどこにもいないのではないか。永久に自分たちは迷子なのではないか…
旅の末に彼らが辿りついた「豊かな流れ」。仲間のカワウソたちはいるのか…。
★★★
今回は直接的に自然破壊、絶滅種への警告が語られます。
人の中にも自然と共に生きられるものはいるのか。気づくのか。
物語は夢のような理想郷で終わりますが、むしろそれが現実にはもうそんなところはないんだよ…と言われているような気もします。
またシリーズ最終話のためか今回の話ではネズミたちの心情が語られます。
リーダーガンバは、ノロイと闘うために初めて海を見た時は船を走り回り「これもこれも海なのか~~」と感動していましたが、今度は大川をみて「この水どこからくるんだ!どうしてこんなにたくさん水があるんだ!なくならないのか~~!」と驚いてました(笑)。
読むのもつらくなるような焦燥の旅をひっぱれるのもガンバだからこそ。とても信じられない夢物語でも信じてるふりして大声出してみんなを引っ張ります。
シジンはガンバたちと行動を共にする前は、旅の語り部のようなことをして、そして港ネズミの総まとめ、忠助オヤジの後継ぎとされていたらしいです。「冬の嵐を騙したネズミの話」はかわいらしくてそのまま短編になりそう。
船の中ではイカサマが自分とサイコロとの因縁を語ります。
自分がまだ子ネズミの頃、瀕死の年寄ネズミから渡されたサイコロ、そのネズミもやはり子ネズミの頃に瀕死の年寄ネズミから渡されたという。自分も死ぬ前にきっと若いネズミにこのサイコロを渡すのだろう。…まあそんなイカサマとサイコロの因縁は驚きの結果へと向かうのですが。
さらに今回頑張ったのは食いしん坊で足が遅いマンプクです。
「おれが美食家になったのは、いや食いしん坊になったのは物心つくまえに母親がいなくなったせいらしいよ。おれはやせっぽち腹空かして泣いていた。毎日毎日泣いていた。
(…中略…)
おれは眠ってうまいものの夢をみていた。夢も見ながら死んじゃうんだろうと思って眠っていた。そんな俺の所に、やっぱり俺みたいに腹を空かした子供ネズミがやってきて俺に怒鳴ったんだ。立て、そして食い物を探せとな。おれはそいつが恐ろしくなってそいつに着いてったよ。
だがおれは食べ物なんて自分では探せなかった。最初はそいつがみんな探してくれたんだよ。今俺がこうやって生きて腹空かして騒いでいるのもそいつのおかげさ。
ガンバの幼かりし頃の物語だ。
カワモさん、おれ、またこのまま横になると、子供の頃と同じように食い物の夢見ながら死んじゃうかもしれない。ああ、食い物を夢見ながら死んじゃうなんて一番惨めだよ。まだ食い物を探しながら死んだ方がましだ。
カモクもおんなじ。まず起こして道を走らせないと、その子、食い物にあり���けないよ。食えば走れる。走れば食えるってもんだ。
起こしてください!そしておれのこの腹のために道を走ってください」P366
なんという業とそれと共にしっかり進む、こいつらほんとうに児童文学のネズミちゃんなんでしょうか。
ガンバシリーズはあと新しい方の劇場映画(夏発売予定♪)と、劇団四季版(夏観劇予定♪)があるのでもう少し子どもと楽しめます。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ここにいても危険ならば、夢にしろ、幻にしろ、神話にしろ、なんだっていいから歩き出した方がいいような気がするなぁ
これでお別れだ。楽しみなよ、あんた達の旅!死ぬまでに、どっちが多く楽しんだか、勝負しようよ。
あいかわらずの心を打つ言葉の数々。
カワウソのために一心不乱にやるべきことを模索しながら前に進むガンバ一行。迷いながら困難に打ちひしがれながらもそれを乗り越える、そんな姿に勇気をもらう。
ガンバの冒険は終わらない。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ドブネズミになって一緒に冒険したいと何度も思ってしまった笑
イカサマが「冒険者たち」の時と比べてガンバ、ヨイショ、ガクシャに並ぶくらいに安心感あるキャラになってて惹かれた
ガンバの戦隊のレッド感も好き
カワウソ元々好きだったけど飼いたくなっちゃった
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「ガンバと15ひきの仲間は,ゆくえ不明のネズミをたずねて,四の島に渡ります.探しあてたネズミのそばにいたのは,死に絶えたはずの2ひきのカワウソでした.凶暴な野犬と戦いながら,カワウソの仲間が生き残っているかもしれない伝説の河「豊かな流れ」をめざして冒険がはじまります.そこには,想像をこえる体験が….」
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
子供の時にお年玉で購入したハードカバー。大人になった今読んでも名書。
カワモが疲れ切って精神病んだ描写とか、子供向けだけど胡麻化しなくきちんと書かれているところが素晴らしい。無理やりガンバたちがカワウソを連れだしたのではない、カワウソたちが自分たちの仲間を探したいと自発的に動いた、というところがポイントで、ガンバたちがカワウソたちを連れてきてしまったと気に病む必要もなく、カワウソたちもやらせれているわけではない、自分たちの為に行っているということが重要。今までいたところではすぐにでも野犬に襲われていただろうし。
キマグレ、めっちゃいいキャラだった。かっこいい。生きててくれてよかった。
イカサマ、サイコロ壊れちゃったのか。サイコロがなくても物事の矛盾にすぐに気が付く頭脳があるから問題ないだろうけど。ガンバがカワウソの仲間を探しても無駄なんじゃないかと迷いだした時「おまえだけは「いる」と言い張ってくれないと困る」とか皮肉っぽく言ってくれるキャラはやっぱりいいよね。
エンコウのような存在が本当にいるといいなあ。