投稿元:
レビューを見る
著者が愛ちゃんと舞ちゃんだとか、かわいらしいイラストや装丁だってことに騙されてはいけない。
これはオフィス家具メーカーのオフィス研究所の現役研究者たちによる最先端の研究成果にもとづくオフィスデザイン方法論である。
こういう本には普通つかない、硬派な参考文献リストが巻末にびっしりついており、そのほとんどはこの研究所が様々な大学との共同研究を通じてまとめた学術論文である。経験と直観による憶測で書かれた章はひとつもない。
私の研究室との共同研究の成果も紹介されているので、私はインサイダーのひとりではあるのだが、これまであまり聞かされていなかった他の大学との共同研究についても多くの言及があり、このオフィス研究所が相当に多面的な実証研究を行いながら、科学的根拠にもとづいたオフィスデザインを進めようとしていることが理解されるだろう。
5つの章にわりあてられているキーワード、すなわち
Diversity
Communication
Creativity
Hospitality
Learning
は、どれも現在の企業・組織が渇望しているものだろう。
残念ながら、はたらく環境のデザインが、これらを直接提供してくれるわけではない。いずれも人の行為の蓄積から生みだされるものであるよりほかないからだ。
環境と行為との関係は必ずしも強いものではなく、むしろごく弱い親和性しかもたないとされるけれど、それでも環境はそこでの人々の行為に一定のインパクトをあたえ、方向づけを行ってしまうものである。
人が自律的に行動することを是とする社会において、一撃で人々の行為の様態を一挙に変えてしまう「魔法」はありえない。
本書であげられている様々な方法を投入して環境を整え、オフィスの「体質」を変えていくことからはじめることは、遠まわりに見えるけれども王道なのだろう。
投稿元:
レビューを見る
オフィスはもっと楽しくなる はたらき方と空間の多様性。岡村製作所オフィス研究所研究員である花田愛先生と森田舞先生の著書。職場環境が楽しくて快適であることはとても大事なことだと思うけれど、その大事さが十分に理解されていないことが多いと思う。経営者や管理職の人たちは、オフィスや職場環境を楽しくすることや快適にすることが働いている人全員を幸せにすることをもっと理解するといいと思います。
投稿元:
レビューを見る
岡村製作所のオフィス研究所研究員による最先端の「働き方」と「オフィス」の関係を解明。
「少子高齢化が進み、労働人口が減る中で、外国人や高齢者、女性の社会進出について真剣に考えなければならない」中、オフィスをどうつくっていくか、判りやすく提案する。