紙の本
いいです!
2018/09/12 14:18
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投稿者:リョウ - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙・裏表紙の美しさ!
一目惚れで購入してしまいました。
表紙・裏表紙の「芋虫」の絵と乱歩の「芋虫」の意味は異なりますが、「芋虫」をこのような絵で表現していて、面白く感じます。
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美しい表紙に惹かれてわざわざこの本を手に取ったのに、思わず取り落としました。ああびっくりした。やるなリブレ。いや、凄いのは絵師の咎井さんか。第3巻テーマは血塗れ乱歩だそうで、収録作が「芋虫」「踊る一寸法師」「虫(蟲)」「盲獣」ですから表紙のイラストは「虫」からですね。自註自解によると「虫」はウジではなく極微の虫だそうなのでちょっと違うのかもしれませんが、このインパクトは凄いです。このラインナップ、若いころに読んでいたら嫌悪感しか持たなかったかもしれませんが、今読むとちょっと違う印象を受けます。それぞれが障害を持っていたりコンプレックスを抱いていたりどこか物悲しいのです。勿論乱歩本人が吐き気を催すほどの描写を肯定しているのではありませんし、うへぇと思う描写が続くのですが、何故かやめられずにどんどんページをめくってしまいました。「芋虫」は丸尾氏のコミックで既読でしたが、コミックはこの世界を実に素晴らしく表現していたのだと改めて感動しました。この中ではやはり「芋虫」が好きですね。
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「芋虫」中学生の頃に読んだ。エログロだけどナンセンスではない。
戦争で四肢、味覚聴覚嗅覚もほぼ失い戻ってきた男。待っていたのは貞淑なはずの妻の歪んだ性癖による折檻地獄…で、視覚までも失ってしまい、残された唯一の触覚に「ユルシテ」と乞う妻。そして彼は井戸に投身自殺する。彼の遺書?には、「ユルス」と。この一言の重さよ。
人はどこまで残酷になれるのか。妻だけの話ではなく、お国のためにこんな姿になった男を英雄として迎える国民たちの醜悪さ。芋虫のような姿になっても妻を赦した男との対比が胸にしこりのように残っている。
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「芋虫」「踊る一寸法師」「虫」「盲獣」収録。芋虫が文字だけでもゾクゾクした。手足が無く、喋れず本当に芋虫のようになっていく夫に嗜虐的な態度の妻が恐ろしい。家族が見るも無残な姿になった時、自分なら以前と同じように接することが出来るだろうかと考えてしまった。
あと虫の「悪魔の恋であった。地獄の恋であった。それゆえに、この世のそれの幾層倍、強烈で、甘美で、物狂わしき恋であった。」って部分好きなのでメモ。
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初、Audibleで芋虫のみ聴読。江戸川乱歩自体にもあまり触れたことがなかったが、とても面白く引き込まれた。戦争で両手両足が引き裂かれ、喉も潰れ耳も聞こえない芋虫男の須永中尉。それに愛欲を注ぐ女、時子。
達磨のようになってしまった旦那にサディスティックな欲求をぶつける。遂には究極を追求したい気持ちに突き動かされ、残された中尉の眼を潰す。人間の根底に根付いている残酷性を垣間見ることができる。命や性をこれほどまでに弄ぶ動物は人間の他にないだろう。
なんなんだ人間ってやつは。恐ろしい。そしてそのエログロの世界に昂奮してしまっている自分にも身震いする。
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芋虫、学生時代に読んで怖くてトラウマになった話。
大人になって再読。
今読み返すと、怖いよりもなんともいえない悲しい気持ちになった。