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辻村深月さんの新刊は、怪談の短編集だという。この難しいジャンルを、辻村流にどう料理するのか? 結論から言うと、本作は傑作怪談集だ。
「十円参り」。団地の子供たちの間で流行っていたというおまじない。こういう心理には、男性の僕にも思い当たるふしがある…。「手紙の主」。作家仲間に届く、奇妙な手紙。これ以上深入りは危険だ。それなのに…。徐々に近づいてくる演出がうまい。
極めて短い「丘の上」。ええと…よかったですね。続けて短い「殺したもの」。ええと…忘れましょう。忘れられれば…。「スイッチ」。混み合う山手線内での、奇妙な出会い。電車内で音楽を聴かない僕は、押されることはないかな…。
「私の町の占い師」。うーむ、星占い程度は多少気にするが…。またまた短い「やみあかご」。ま、まさか我が家は…。「だまだまマーク」。ぐるぐるマークの謎は解けたが、だまだまマークとは…。そこで何があったのか、漠然と想像するしかない。
「マルとバツ」。またまた短いのに嫌な余韻が…。本作の一押し「ナマハゲと私」。怪談というより、本格ホラーだろこれはっ! ナマハゲ業界から抗議が来るんじゃないか。「タイムリミット」。何だか聞いたことがあるような設定だが…これで終わりかっ!
現代社会を鋭く斬る「噂地図」。その境遇は安らぎか、それとも孤独か。ネタの料理が本当にうまい。「七つのカップ」。最後に、怖いながらも切ない、いかにも辻村さんらしい1編で幕を閉じる。終わりのない苦しみに、救いの手はあるか。
掌編からやや長いものまで色々だが、感服させられた。掌編はいずれも切れ味抜群だし、長めの作品は余韻が残る。懐かしいかと思えば牙を剥き、また心をぎゅっと掴む。割り切れない謎を残してこその怪談だが、ミステリーばかり読んでいると、オチがないと感じがちである。そんな僕でも、本作には脱帽だ。読んでよかった。
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作者が初めてホラーを書いたという触れ込みにひかれて買いました。
最初、そんなにぞくっと来ないなぁと思ったのですが
「ナマハゲと私」から急に怖くなりました。
油断してはいけないんですね。でもファンタジー系の
ホラーならちょっと歓迎します。
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どこかで耳にする噂、怖い話。
それらを形作るもの。半分は嘘で、でも半分は本当。
由来と言われる事実は見えなくてもすぐそばに。
虚構と現実を織り交ぜることでその境界に見える怪異など、どこか現実と地続きな怪談が13篇。
言葉は力を持つ。その影響に責任は取れる?
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辻村さんの本格的にホラー要素を含めた話を書きました!
と言う本。
読んだけどなんだこの背筋の寒くなる話達は・・・・
怪奇現象と言うよりかは、日常のすぐ隣り合わせの場所で起こる事件と言うか、出来事すぎてそれがいっそう不気味。
しかも短編集の途中途中で、これは辻村さんが主人公だと絶対的にわかる物もあれば、主人公なのか??とちょっとわからずもやもやする感じもあってそれがまたいい。
個人的になまはげの話がかなり怖かった・・・・
あれはトラウマになる・・・。
これからなまはげを見るたびに心の中で思いだしてしまって怖くなる。
でも、最後の最後の話は思わずうるっとくる。
幽霊も一概に怖いものとは言えない。
誰かの大切な人だったんだよね・・・・と、その話を読んで改めて思った。
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(2015/12/4読了)
ホラーやオカルトの短編を13話収録した短編集。
迷信など、オカルトめいた話は嫌いじゃないけど、殺し合って生き残りをかけるとかは、もともと苦手。亡くした者への深い悲しみを書いた作品もあるけど、それほど入り込めませんでした。
新境地を開いたとのことだけど、こちら方面はもういいかな。
好きな作家さんのひとりだけど、どうも最近楽しめてません。私の作品の好き嫌いの域が変わったのかもしれない。
(内容)
怪談には死者の“思い”が込められている。人の喪失に寄り添ってきた文学に、辻村深月が心血を注ぎ込んだ。失った“大切な誰か”を思い出して読んでほしいと願いながら。辻村深月の新境地!絆を感じる傑作短篇集。
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微ホラー。
短い短い短編集。
最後のがほんわり終る話だっから良かったけど、途中何回かゾクッとたよ(∩´﹏`∩)
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辻村さんのホラーってことですごく楽しみにしていただけに、がっかり。。。短編集っていうのも残念なんだけど、とにかく全く怖くない。そして全て中途半端に終わる。きっとこの中途半端さで怖さを演出しているんだろうけど、え?終わり?となるあまりにもあっけなさと結局なんだったの?という腑に落ちなさ。残念。
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怪談から不思議な話、泣ける話までバリエーション豊かな怖い話13編。ほんわかした語り口で生々しさはなく、ファンタジー色強め、でもしっかり怖い。このあとどうなるのだろうと想像させるような落とし方が多いのも好み。
作者本人の話ではと思わせるエッセイ風の話がいくつかあり、その中でも『手紙の主』が怖い。リアルなわけのわからない恐怖。
『十円参り』と『噂地図』は怖さに加え意外性もあり、また人のつながりや想い、感情の機微が丁寧に描かれ、特に完成度が高い。
『十円参り』いなくなってほしい人の名前を書いて神社にお参りするおまじないに関わった女の子三人の話。友達同士の複雑な感情がもたらした悲劇。上手い。
『噂地図』小学生のとき流行った噂を辿る遊び。ミステリ風味のある犯人探しでぐっと引き込み、不条理な結末へ急転していく。
ダントツでインパクトあるのが『ナマハゲと私』。ほんわかした日常と思い出語りから突然の直球ホラー。実に切れ味鋭いお気に入りの作品。
最後の『七つのカップ』は、ほろりとくる切なく優しい物語。この作品でどこかほっとして読了。
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少女たちの間で囁かれる小さな噂話。怪異はそこかしこに。
今度は黒辻村。ホラー短編集。直接的じゃないけどそわっとするような、「短いから怖い」を最大限活用したような話。最初の「十円参り」と「だまだまマーク」が怖い。「噂地図」は怖いけど、小学校の図書室にある階段話に載ってそうだった。
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子どもの頃、流行っていたおまじないは、嫌いな人、消したい人の名前を書いた紙を十円玉と一緒に十日間続けて賽銭箱に投げ込むことだった。ある日、子どもたちは消えた子どもについて相談していて……(「十円参り」)。あるホラー作家が語る謎のファンレターの話を聞きぞっとした。私のところにも少し違う同じような怪しい手紙が届いていたからだ。その手紙の主を追及するうちに次々と怪しいことが連続し……(「手紙の主」)。出産のため里帰りしていた町で聞いた怪しい占い師の噂。ある日、スーパーで見知らぬ老女を見かけた瞬間、その人だと直感し……(「私の町の占い師」)。
怪談専門誌『Mei(冥)』に連載した作品ほか、書き下ろしを収録した全13篇。人気絶頂の著者が、最も思い入れあるテーマに腕をふるった、エンターテインメントが誕生しました。
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こういうテイストとは知らずに読み始めたのだが、怪談だったとは。ただ、ホラーは苦手なのだが、本作は、現実に即しているというか、荒唐無稽な理不尽さはなく、実際に身近で起こっているかもしれないと感じられるレベルなので――だからなおさら怖いとも言えるが――親しんで読めた気がする。このホラーは結構好きかも、と思わせてくれる一冊だった。
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ホラーというか怪談の短編集。
読み終わった後にゾクッとします。
恩田陸さんと似た感じ。
ミステリはちゃんと結末を用意しているけど、
怪談はどこか読者に任せる部分があるらしい。
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13編の怪談話からなる短編集。普段、ホラー系は読まないが、装丁の可愛らしさもあり、借りてみたのだが、その可愛さとは裏腹に騙された感あり。ぞっとするものから、しんみりさが残るものなどバラエティーに富んでいる。いかにも怪談話というものばかりではなく、ザワザワとした怖いもの見たさにほんの少し飛び出してみようかという感じが良い。秋田のなまはげの違った角度からの見方にぞわっとしたり、占い師の話で山梨の土地が神秘的に感じるのかなと思ったり、七つのカップの話でしんみり。噂地図の伝説は果たしてどうなのかなと気になる所。
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2015.11.8 読了
七つのカップ、泣いたー
ナマハゲの話は、なんか途中から想像できたけど、やはり怖いね、こんなことが起こったら。
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昔のうわさ話程度のホラーの短編集。中にはストーリーが短すぎて、イマイチなものもあるが、「ナマハゲと私」は一番ホラーだった。
この手のものは自分が入り込んで読むと面白い。
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作者が実際に体験したのかな?と思わせるリアルなものからよくあるなぁと思う怪談、噂話などがいろいろ入った短編。