紙の本
少し難しいが、必要な知識
2016/03/21 14:56
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投稿者:ピンチランナー - この投稿者のレビュー一覧を見る
営業として理解すべき利益の構造を非常に詳細に説明している。また、日常生活における企業の戦略の内訳も記載されており、参考になります。
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買い物をした時に、「不思議だなあ」と感じる価格設定がときどきあります。
この本はまさしく、そんな疑問に答えてくれそうな題名だったので、読んでみることにしました。
題名も含め、具体的な事例を示して、価格がどのように設定されているのかを解説しています。
その中心となっているのが、固定費・変動費による価格・経営の分析。
公開されている経営指標を使って、各社のコスト分析を行い、「儲けのカラクリ」を解説しています。
この流れだとえてして、「固定費を削減しましょう」という話になりがちですが、本書はちょっと、違いました。
「固定費を使うということは、手間をかけること」と捉え、ブランディングの話とも関連させて、説明しています。
流行り廃りが激しい、21世紀。
各社がさまざまな工夫をして、価格設定しているということが理解出来ました。
数字による解説が多いのが気になる人もいるかもしれませんが、読み物としても楽しめる一冊だと思います。
『半市場経済』内山節
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4040820258
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要するに、固定費を回収すれば利益が出る。固定費を回収すれば、あとは売れば売るほどボロ儲けということ。
高い料金の裏には高い固定費があり、それをいかにアピールするか。
マクドナルドが全面禁煙をしても、経営理念と合わないために上手くいくか疑問。
といった、経営的な話はなかなか面白かった。
ただ、全体的に、内容の薄さは否めないように思った。
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価格設定から利益率まで細やかに説明されている。
網羅的。
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■戦略が変われば価格が変わる
・戦略には2種類ある
→「経営戦略」と「マーケティング戦略」
経営戦略は"会社がどう進むか"
マーケティング戦略は"どう売るか"
ex)ワタミは経営戦略と合わないマーケ戦略で失敗
・2014年の消費税増税時に値上げ
背景:少し高くても美味しいものを食べたい、という時代変化
顧客:メインの20-30代ではなく40-50代を取り込みたい
結果:40-50代から"高い"という評価を受け、メイン20-30代も受け入れられず
このように、経営戦略とマーケ戦略は一貫性が必要
20~30代と40~50代では価格設定もメニューも異なる
客層拡大ならドメイン(新規業態)の変更の方が良かった、という結果に
■ブランド戦略を徹底する
コーヒーの価格は"固定費をどれだけ使ったか"で決まる
ホテルのラウンジのコーヒーが1200円とか高価格なのは、その場所や見える景色による付加価値
(付加価値をうまく見せているから顧客が対価を支払っている)
マーケティング戦略で必要なのは「モノからコトへの転換」
※「モノを消費する」→「楽しむコト・心を豊かにするコト」で付加価値が生まれる
スタバが値下げをしなくても評価されるのは、
「サードプレイスの提供」という価値が認知され、評価されているから
<ブランドは超過収益力>
コンビニのコーヒー:100円
スタバのコーヒー:330円
その230円の差がブランド力であり、超過収益力
フェラーリは年間7,000台しか販売をしないが、
「世界に1台として、同じフェラーリはない」という希少性が価値を高めている
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予備知識:RFM分析
R:Recentry(直近の購入日)
F:Frequency(購入回数)
M:Monetary(購入金額)
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■スーツ2着目が半額の理由
接客時間も不要、その他固定費がゼロで販売できるため、利益率が高い
(細かな接客による人件費などがウェイト重い)
※まとめ買い、ワイシャツのパターンオーダーなども同じケース
<この"固定費"が価格設定や利益率に大きく影響してくる>
セルフうどん店の利益率を高めているのはレジ前の"おにぎり"
→パート・アルバイトの良い接客(=固定費)が利益を生む
これは固定費を使って付加価値を高めていくパターン
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よく見る「スーツ2着目半額」の理由がわかる。価格をめぐる疑問(決め方、値下げ、値引きvsポイント、早割、PB商品、繁忙期の高さ)が一気にわかる。普段あまり意識しない、限界利益、固定費の重要性を理解できる内容となっている。
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基本的な会計用語さえ分かっていると本書はより読みやすいです。具体的な企業事例と戦略例を基に、数値的な分析をし、企業の意図がわかりやすくまとめられています。目から鱗でした。