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面白かったのだが、あまりに著者の反アメリカ視点が濃く出てしまっているようにも感じた。
ただ、今では貴重になってしまった戦後を生き抜いた人の声を聞ける本だと思うと非常に価値がある。
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感想未記入。以下引用。
●時代がすぎ去れば、なかなかイメージするのがむつかしいのだけれど、当時はなにをして遊んでも、男たちの最終の目的は女性であった。江戸時代からつづき、維新後も永井荷風や吉行淳之介などを媒介にして、そういう遊びは知的なよそおいをまといながらつづけられた。1970年前後、わたしが30代になったばかりのころ、新宿西口の大箱のバーへ仲間と飲みに行く。そこは有名な人もくる店で、だれもが名を知る作家は、わたしより20歳ほど上であったが、いつも店の女と連れ立って消えた。もう売春防止法はとっくに施行されているけれど、戦中派も第三の新人もちゅうちょする精神はない。バーの女性はそこに働きにくる事情があり、客との恋愛関係にはだれもが口をはさまない。おおいなる「虚構の世界」が日常化していた。男はいくばくかの金銭をあたえて、それでよしとした。(略)つまり、売春を許容する風土で育った人はなにの疑念もなく女を買う。すこし時代が変わると、わかい人は性的な関係を同世代とむすんで酒場はデートの場所になる。あるいは純粋に酒を飲みにきて、おおいに論じ合い、意気投合したり反発したりしながら、終電の時間を気にしている
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貧民の帝都と同様に力の入った作品ではないかと感じた。とくに、筆者自身の体験もあるだけに迫力がある。占領下の日本の貧困層の悲惨さは余りクローズアップされていないだけに、貴重な内容であると思う。
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著者も様々な御苦労をされたのが感じられた。一方で、個人の経験から離れることを企図する故に総花的だとも感じられた。巻末の参考文献をたどることも著者の思いを理解するには必要なのかもしれないです。