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インターネットで繰り広げられる壮絶な覇権争い。私たちの未来を決めるこの見えざる争いについて、技術的な仕組みや権力構造を踏まえわかりやすく解説する。知らずには済まないネットの今。
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インターネットの管理についての本。
ウィキペディアが24時間サイトを停止した話はフィクションの話だと思ったら、本当の話だった。そんなことがあったのか。この時の抗議活動のことを「SOPA」とか「PROTECT IP Act」とかいうらしい。こんな大規模な活動があったのに、日本に住んでるせいか全然知らなかった。
それにしても、IPv4がそのうち枯渇するということを、ウェブが開発される前から予測していたという話に驚いた。それなのに、なぜIPv6って未だにあまり普及しないんだろうか。ただ、実は自分自身もIPv6ってよく分かってないので、このへんはもう少し勉強していきたい。
後、トップレベルドメインのICANNへの申請に18万5000ドルもの手数料がかかるということも初めてしって驚いた(これで、ICANNは約3億5700万ドルの収益をもらたしたんだとか)。ICANNって非営利法人じゃなかったっけ? 何にそんなお金が必要なんだろうか。もちろん、需要は多いだろうから価格もあがるんだろけど。
それと、P3PというW3Cで標準化されている個人情報のやりとりに関する取り組みも初めて知った。P2Pと名前が似ててすごいややこしい(わざとか?)。
それと、カウンターノーティスという用語も初めて聞いた。コンテンツに問題がないのに削除された場合、その削除が不当なものだと訴えることができるらしい。調べてもあまり情報がでてこなかったから、日本では一般的な言葉ではないのかもしれない。
海外の本だからある意味、当たり前っちゃあ当たり前なのだけど、日本に関する話が全くと言っていいほど出てこなかった(Googleが削除要請に従った割合に関数ル国別データにも日本の項目は無し)。日本でのインターネットガバナンスの状況はどうなっているのだろうか。
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訳者まえがきより。
「インターネットガバナンスとは、誤解を恐れずに言うと、『特定の一つの管理者を持たないインターネットを運営する方法や体制』のことを指す。…インターネットとは様々なネットワークの集合体で、それぞれのネットワークとは異なる国において異なる文化の下、異なる主体によって管理されており、インターネット全体に責任を持つ管理者は存在しない。
特定の管理者がいない、ということは、逆に言うと誰もがその管理に参加できることを意味する。インターネットが社会インフラとして浸透するにつれて、国家をはじめとした様々な主体がインターネットの管理に参加してきており、これまで培われたインターネットの在り方が変わろうとしているとともに、インターネットを今後どう運営していくかが世界中で議論となっている。」
本編より。
「インターネットガバナンスは、インターネットが動き続けるために必要な技術を設計・管理し、それらの技術を取り巻く実質的な政策を決めることを主な目的としている。この技術的なアーキテクチャには様々なシステムが層をなしている。…その特徴とは、(1)技術的なアーキテクチャの決定が権力構造を決めること、(2)コンテンツ管理の一形態としてインターネットガバナンスを支える技術が使われるようになってきていること、(3)インターネットガバナンスが民営化されていること、(4)インターネットのコントロールポイントが、衝突し合う価値観を巡るグローバルな争いの場となっていること、(5)インターネットがグローバル化することによりローカルな地政学と集合行為問題の間に緊張が生じていること、の5つである。」