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紙の本
哲学者プラトンの思想を巡る論戦を見ることで20世紀の哲学と政治思想を検証した画期的な一冊です!
2020/03/13 11:33
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、古代の哲学者プラトンの思想を巡る激しい論戦を丁寧に見ていくことで、20世紀の哲学と政治思想の潮流を検証しようという意欲的な作品です。著者によれば、私たち人間は過去の思想を常に正しく理解している訳ではなく、それゆえに自分に都合のよいように解釈しながら、社会を乗り切ってきたと主張されています。第一次大戦後に訪れた民主主義の危機の中で、プラトンの思想はナチス・ドイツにも利用されたことがあるというのがその典型的な例でしょう。同書の内容構成は、「序章 プラトンはファシストだった!?」、「第1部 プラトンの政治的解釈」、「第2部 プラトン批判の砲列」、「第3部 プラトン論争の波紋――20世紀後半の哲学と政治」となっており、なかなか興味深い一冊です!
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