電子書籍
どうしようもなくミリタリズムに溢れているけれど
2018/09/23 16:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くま - この投稿者のレビュー一覧を見る
だがそれがいい。永遠の名作です。重圧があるときに消えてフッと楽になる。そんな瞬間が丹念に描かれた稀有な名作です。
紙の本
マッチョな社会思想。
2022/10/05 13:37
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投稿者:ごんざ - この投稿者のレビュー一覧を見る
岡田斗司夫のYouTubeからきて読みました。
軍隊とは、投票権とは、ノブレスオブリージュとは・・・
難解なので解説動画がなければ訳が分からなかったと思います。
ですが是非知っておきたい思想でした。
エンタメ小説としても意外と楽しめます。
紙の本
軍曹! 質問があります!
2015/11/06 17:48
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タブン・サビール - この投稿者のレビュー一覧を見る
なぜ、後記が訳者の内田昌之氏ではなく、加藤直之氏のエッセイなのか? それと、こんなにダメ翻訳何なの? いくらなんでも「ブラッキーごろつき隊」はナイよ…
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新訳版、買ってしまった。
表紙のイラスト、初期の版の口絵見開きイラストが、今風のアニメチックな絵になった。残念ながら、スーツの重量感が感じられず。旧版の加藤さんの絵は、今もってしても偉大。
もっと残念なのは、挿し絵が無くなったこと。何故?1000円もするのに!
キャプテンフューチャーの新版は、イラスト満載なのに!!
冒頭のスキニープラネットへの戦闘降下、襲撃、撤収のシーンは、何度読んでも、本当にワクワクする。ホント、旧版でも、何度読んだことか!
訳が変わって、やや硬派感が薄れたようには思うけど。このシーンだけでいいので、現在の技術でアニメ化して欲しい。
さて、ここからが、読むのたいへんだ。じっくり読もう。
読み終わった。これで5、6回読んだだろうか?(もっとかも?) 現在の蔵書のうちでは、最も読み返したタイトルの一つだろう。初めて手に取ってから30年の月日が流れた。その時々に色々考えただろうが、やっぱり、超一級のエンターテインメントとして優れているからこそ、何度読んでも面白い!思想も主義も、その時々で感じ方は違っていたのだ。
新訳の違和感も、全て読み終わった後は気にならなかった。ただ、やっぱり、この新訳版から手に取った少年、青年達に、あの素晴らしい挿絵と出会う機会がうしなわれたのが、とっても残念!!
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ファーストガンダムのモチーフの一つとしての知識しかなかったが、新訳版発売とのことで読んでみた。
人類が宇宙に進出し、国家に代わり地球連邦が治める未来世界の志願兵の成長が一人称で綴られる。
冷戦時代の1959年発行とのことでその背景を匂わせる描写もあるが古臭さは感じない。徐々に熱さを増す主人公や緊張感のあるバグとの戦いに引き込まれた。
賛否あると思うが、共同体に対し真に身命を賭せる者のみが主権を持つ社会というのは非常に興味深い。
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SFの巨匠ハインライン、1959年発表の名作の新訳版。ハインラインを読むのは「夏への扉」に次いで二冊目。さすがに良く出来ている作品と思いますが、主人公の戦士としての成長を描いた極めてオーソドックスでマッチョな戦争もの、私の好みではありませんでした。
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本書のキモはパワードスーツ。1977年の文庫化の際に宮武一貴のデザインで加藤直之がイラストを書いたのが『機動戦士ガンダム』を皮切りに日本のアニメに大きな影響を与えた。内田昌之による新訳ではその加藤直之がふたたび表紙絵を描き、さらには解説でそのころの思い出を語っている。
よって、解説でハインライン作品の政治的位置づけなどはさっぱり論じられることはない。軍国主義と批判された本書を、中国の軍事的脅威を前にして安保「戦争」法案の成立に揺れる日本でいまいちど読むことの意味も。
およそ半世紀ぶりの新訳とはいえ、長年流通した訳題は容易には変えられないのだろうが、矢野徹がつけた『宇宙の戦士』という訳題はちょっとカッコつけすぎ。映画化されたときの邦題はそのまま『スターシップ・トゥルーパーズ』。
「戦士」というと、戦いを生業とする武者とか武士とか、ちょっと英雄的なニュアンスが漂う。トゥルーパーは英国陸軍だと兵卒の身分、米軍だと「入隊した兵士」程度の意味らしい。また騎兵の訳もあり、そこから転じて騎馬警官や戦車兵を示したりする。しかしスターシップ・トゥルーパーズという場合には宇宙船に積み込まれて投下される、階級下位の兵卒たちという感じになるんじゃないか。要するに使い捨ての雑兵である。
「ぼく」ジョニー・リコは実業家の裕福な家庭に育つが、親友や同級生のかわいい女の子に影響されて、本気で入隊する気もないまま、父への反発もあって軍に入隊してしまう。軍役を勤めあげると市民権が得られるのだ。特別な技能もない「ぼく」は機動歩兵部隊に配属され、厳しい訓練を受ける。旧訳では「おれ」だったけど、世間知らずのリコには「ぼく」のほうがふさわしい。訓練に耐えられないヤツは除隊すればいい。ただ市民権は永遠に得られないだけだ。訓練に耐え、兵士になるのは5分の1。「ぼく」は何とか兵士になる。
機動歩兵=モービル・インファントリーは、強化防護服(新訳ではもはや訳さずに「パワードスーツ」で通している)を身につけて、最前線で戦う兵士である。宇宙の海兵隊というイメージだったのではないかと思う。最前線で戦う兵士は消耗品であるが、それ故の強い誇りを持つ。その使い捨てぶり、雑兵ぶりを強調するとハリイ・ハリスンの『宇宙兵ブルース』になるし、ジョー・ホールドマン『終わりなき戦い』では兵士が摩耗していく様が描かれた。その後、現在でもミリタリーSFは特にハヤカワ文庫では活況だが、評者はあまり読んだことがないので、どうなっているのかはよく知らない。
しかしハインラインは前向きだ。訓練の描写だけでおよそ半分にまで達するが、彼が描きたかったのは「一人前の男になる」話だったからだろう。
「ぼく」が訓練を受けている間に宇宙戦争は本格化する。敵はバグ。蟻や蜂のような社会を形成する巨大な蜘蛛状の異星生物である。「ぼく」の初めての出陣で軍は敵の母星に攻撃を仕掛け、壊滅的な敗北を喫する。
バグの社会について「全体的な共産主義が、進化によってそれに適応した連中によって活用された場合、どれほど効果的になりうるか」と描写されている。米��冷戦期に書かれた小説であり、露骨にバグは共産主義者のことだなどともいわれた。ショスタコーヴィチのCDジャケットに明るく健康的な絵画が使われているものがあった。ははあ、社会主義リアリズムの絵画だなと思って見ると、実はアメリカの画家の絵画だった、ということがあった。社会主義リアリズムと保守的なアメリカ文化というのは実はすごく近いのではないか。
バグとの戦闘に明け暮れる「ぼく」は職業軍人の道へ進み、士官学校に入る。そこでの教育、とりわけ「歴史・道徳哲学」の授業ではハインラインの「社会かくあるべし」論が展開される。軍務を勤めあげたものだけが市民権を得て、投票権を手にする。『宇宙の戦士』における人類の社会は「すべての投票者と公職者が、自発的に困難な職務に当たることで個人の利益よりも集団の繁栄を尊重することを実践してきた」のだという。「自発的」なんてものが本当にあるのかとちょっと疑問符をつけてやれば、これは蟻や蜂の社会とどう違うというのだろうか。「ぼく」が戦う理由は「機動歩兵だからだ」というのはカッコいいのだが、思考停止状態に陥っているだけでしかない。それだからこそヴァーホーヴェン監督は映画『スターシップ・トゥルーパーズ』においてハインラインの理念を素直になぞるだけでこれをカリカチュアにしてしまうことができたのだ。
翻って考えると、他の作品ではリベラルだったり共産主義的だったりするハインラインがこの世界の倫理を本気でよいものとして描いたのか、ディストピアとして描いたのか、だんだんわからなくなってきたりもする。
とはいえ、考えさせられるところは多々ある。敵が攻めてきたら反撃するしかないというのは、平和主義への変わらぬ反論である。これを書いている最中、パリで連続テロ事件が起こった。背後にある貧困や格差に対策をというのは正論だが、いま銃を乱射しているテロリストに対しては、射殺をもって対峙するしかない。しかし、最近読んだある政治学者の指摘、「中国に対峙する国は中国と似てくる」というテーゼがリアルに迫ってくる。
ハインラインはバグに対峙する国家を示してみせたのだとすると、けだし慧眼であったといえる。
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『夏への扉』に続き、ハインライン作品二作目。ガンダムシリーズのルーツということで手に取った次第。読んで納得。確かに、これはガンダムだ!軍隊とは、ホント特別なルールの下で運営?されているんだなぁ、と。で、敵のバグとは一体なんであったのか・・?ニュータイプなのかな??笑
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2016年9月15日読了。友人とともに軍に志願し起動歩兵となったリコだが、激化するバグズ戦争の中、当初の軽い気持ちは否応なく変化していくことになる…。「パワードスーツ」という概念を広めた作品、映画『スターシップ・トゥルーパーズ』の原作でもあり読んでみた。作中でも滔々と語られる軍隊・戦争・教育に関する著者の思想・意見については微妙なものがあるが「ま、架空世界を舞台にしたフィクションなんだからさ」と割り切ってしまってよいものか?臨戦中の軍事行動・通信の様にはさすがのリアリティがある。人間の動作がどうパワードスーツに伝わって増幅されるか、について数ページを割いての説明があるが、後続の作品が「パワードスーツ」というだけでこの説明をしないで済まされているのは間違い無く本書のおかげなのだろう。最初に物事を発明する、というのはすごいことだ。
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ロバート・A・ハイラインによる傑作ミリタリーSF。
資産家の息子である主人公ジェリー・リコは、ほぼ勢いとノリにまかせてハイスクールの卒業と同時に地球連邦軍に志願してしまう。その結果、配属されたのはまったく興味の無かった機動歩兵部隊。ジェリーは、パワードスーツを装着して暴れ回る一人前の機動歩兵となるべく過酷な訓練に明け暮れることになるーー。
この翻訳者が上手いのかな、非常に読みやすかった。ジョン・スコルジー『老人と宇宙』がスラスラ読めたのは作者のリズミカルな文章力のお陰だと思ってたが、同じ翻訳者である内田さんの力量も大いに関係していたんだな、と気付かされた。
へなちょこ新兵が一人前に鍛え上げられていく過程、実は凄い知人がいて密かに期待されてるとかミリタリー小説の醍醐味という感じでやはり面白い(笑)
こういう小説沢山読んだことあるな~と思ったけれど、この『宇宙の戦士』が原点でどれもこれもこの作品を参考にしてるんだよね。
パワードスーツの説明や、国家や軍や歴史についての考察が個人的にはちょっと難しかった。今回はストーリーの先が気になってすぐに読み終えてしまったので、次はじっくりと再読してみたい。
☆5つにするか迷ったのだけれども、主人公がもっと大幅に出世すると勝手に期待していたため、ちょっと期待を裏切られた。そのため一つ減らして☆4つにした。ごめんなさい。
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1人の兵士が学生の頃から、軍に入るきっかけ、何が起こって現在どうあるのか、までを彼の語りで描いた話。哲学的な部分も多々あるし、具体的な絵面が浮かばなくて「?」となった場面もあって、読むのに少し時間がかかった。けれど、ラストちょっと感動。
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本気で入隊するつもりはなかった主人公が地球連邦軍に入隊し、機動歩兵部隊でパワードスーツ身を包みバグと呼ばれる異星人と戦っていくことになる、ジュブナイル。
「ガンダムのルーツを新訳で」という安彦良和氏の帯が付いていた。
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ある戦争を一兵士の成長という小窓から覗くという画期的な作品、あるいはある若者が成長していく様を宇宙という広大な世界の中に描いた作品、あるいはその両方であって、宇宙を題材に取ったある種の大河作品。いかようにも読めるだろうが、定型詩でもない散文なのに小気味良さを感じさせるのはなぜだろうか。
最初に読んだのは8年近く前であったと思うが、その時に引っかかった部分と全く同じ部分に引っかかったのには驚いた。「父親も軍隊に参加したかった」という辺りであるが、この辺りの軍隊描写を冷笑的に読むのも面白いかもしれない。
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ガンダム‥!
主人公がいい。ぼっちゃんで真面目で甘々な善人だから、描かれているのが戦争なのに、若者の成長物語みたいなノリですごく好きです。
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SFもの、特に宇宙戦争や未来の戦争描写ではほぼ必須とも言えるパワードスーツの原点となる作品だというので読んでみた。
これは未来における若者が軍人として成長する物語。元々あこがれはあったが、その場の流れで志願することとなってしまったというのがきっかけ。しかしながら訓練と実践を無事にくぐり抜け生き残り、一人前になる。アメリカの軍や軍人ってこんな感じなんだろうか。日本の自衛隊ってどうなのかな。
パワードスーツの原点という意味では、ふーんこれがそうなんだというだけ。それを中心に描いているわけではないし、それが話の展開に関係するわけではない。ただ、昨今のゲームやアニメで、女性が無駄に肌を露出した格好してるのを考えれば、非常に現実的だし、あとがきにもあるが、関節部分をどうするかが難しいというのは納得。