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2016年本屋大賞翻訳小説第1位。妻に事故で先立たれますます偏狭になる主人公、ある日書店に面倒をよろしくとの手紙がとともにマヤというオンナの子が置かれていた。島の書店主が大きく変化してゆくハートフルな物語。「ぼくたちは読む、そしてぼくたちはひとりぽっちではない」本屋を本を愛する人達にぜひぜひ。
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アリス島の唯一の本屋"アイランドブックス"、その偏屈な店主A・J・フィクリーと彼を取り巻く人たちの生活がつづられる。
フィクリーの偏屈さは尋常じゃないレベルのものだが、彼の身にふりかかる様々な出来事――なかでも特に子供を拾ったこと――によって角がとれていく。
悲喜こもごもなストーリーが展開される。
文学作品についてのレビューも作中にはたくさん載っていて、興味を刺激する。ロアルド・ダールという作家に興味が湧いたので今度読んでみようと思う。
全体的にすごくレイモンド・カーヴァーっぽい雰囲気が出ている。
作中にも『愛について語るときに我々の語ること』が出てくるし、主人公は短編小説が好きだという設定だし、著者はカーヴァーのフォロワーなのかもしれない。
中篇の小説でよくまとまっている。好きな類の本だった。
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少々頑固な書店主フィクリーさんの物語。本を愛する、本を読むことを愛する人たち。
所々にちりばめられた文学作品へのオマージュ、本によって巡り逢っていく人、単純な言い回しだけれど、心温まる物語でした。
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本屋大賞翻訳小説部門2016年1位。映画の古典の名作のような静かな感動を受ける小説。昔の小説の名作をも彷彿させる。最近、特に翻訳もので、難解な文章を悶絶しながら読み進めるようなものが多かったので、これは対極。とても読みやすい自然な文章だけど、気を衒うことなく、いろいろ仕掛けもあって小説の授業で模範となるような小説。抑えた文体でユーモアに富んでおり、ストーリー展開も意外性もあって面白いし、全体的になんだか暖かくて心が静かにゆさぶられる。読んでるのがすごく心地よい。善人ばかりだけど、厳しい現実と真摯に対峙している様が甘すぎることなく締まった感じがある。すごくバランスが良いのです。最近小説があまり楽しめくなってきたのだけど、久しぶりに一気読みしたほど良かったのです。お勧め。
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フィクリーさん同様、電子書籍を敬遠している自分にとっては、本屋というものがとてつもなく重要で、大きな書店もそうだけど、最近増え始めている個人店なんかも、そのお店の色が出るから楽しいんだろうなぁ。。
ランビアーズが言った最後のほうの言葉も、まさにというところ。
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サラサラ読めて、たまにはこういう本もいいかな。
小さな島の、本を愛する人たちの話。
楽しく読めました。
フィクリー、いうほど偏屈じゃなかった。
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何か読みづらい本、翻訳の問題なのかちょっと判断し辛い。
なかなかスムーズに乗っていけないまま終焉を迎えてしまった、、、
内容的にも率直に言って何か衝撃的読後感がある訳でもなく、そういう意味でもやっぱりスムーズさに欠けるストーリーテリングには難ありかと当方としては感じる次第。
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島で唯一の書店に置いていかれた少女と、妻を亡くした店主。
本で出会い本を読むことで繋がる本の物語。
不器用な人たちの不器用な関係性が、会話によって紡ぎ出される様子が愛おしい。本が好きでよかった。
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作品の構成と訳に慣れるまで少し時間がかかったけれど、『本』が繋ぐそれぞれの人生、面白く読めた。
ミステリーやサスペンスでない海外作品はあまり読まなかったけど、作品の中で紹介されたてい小説を読んでみようかな3.6
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本屋さんが出てくるお話が好きなので読んでみました。翻訳本はあまり好きではないんだけど、そこはやっぱりそうかな。なんか、言葉がしっくり来なくて。最初は退屈な感じで読むのやめようかなって思ったけど、A.J.がマヤを養子にしたあたりから面白くなって最後まで読んだ。A.J.を見届けられてまぁよかったという感じです。
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A・J・フィクリー アリス島唯一の本屋アイランド・ブックスの書店主
ニコル・フィクリー 事故死したA・J の妻
マヤ 小さな女の子
アメリア・エイミー・ローマン 編集者
ランビアーズ アリス島警察署長
イズメイ ニコルの姉
ダニエル・パニッシュ 作家、イズメイの夫
マリアン・ウォレス ハーバード大学の学生、アリス島で入水自殺をする
フィクリーの言葉
『ぼくたちはひとりぼっちではないことを知るために読むんだ。ぼくたちはひとりぼっちだから読むんだ。ぼくたちは読む。そしてぼくたちはひとりぼっちではない』
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書店主フィクリーのものがたり(ハヤカワepi文庫)
著作者:ガブリエル・せヴィン
投稿者:早川書房
タイムライン
http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
本への愛を見つめ直す、本好きの小説。
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ちょっと偏屈な主人公、AJフィクリーは本屋の店主。最愛の妻を交通事故で亡くしてから、より性格が曲がってしまったみたい。そんな彼が、ひょんなことから小さい女の子マヤを育てることになり、子育てと仕事に奮闘しながら恋も見つけ、結婚。だが最後は病気が見つかり亡くなる。そんな話。フィクリーがマヤやアメリアと出会ってどんどん変わっていく様子は微笑ましいし、ハートウォーミングな話だなぁと思う。でもプロット的には本当に良くある話かなと思うかな。本屋さんと図書館が小さい頃から大好きな私は、本屋さんを仕事にできるなんて凄く良いなーなんて思いながら読みました。あと、警察官のランビアーズが、段々本好きになっていき、警察官の間でブッククラブを作ったりするのもすごくわかる。面白い本を読んだ後ってすごく誰かに話したくなるし共感しあいたい。本を読む幸せと喜びを色んな人に分かち合いたい。読書って、時間をつくらないとできないことだけど(趣味はどれもそうだけど)、一生続けていきたい趣味。自分の子供も本好きになってほしいなぁ。
それにしても、訳が非常に下手でとにもかくにも読みにくかった…話に入り込めない。英語がわかる人間としては、「ああ原文にはきっとこう書いてあるな」とか分かるし、洋書ならではのジョークやブラックユーモアは訳すのは難しいのも分かる。でも訳文が硬すぎるし、話の大筋には関係はないけど誤訳も見つけました。訳がこうも下手だと、足を引っ張ってその本を読みたくなくなってしまうので…それが一番残念だった。
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裏・赤毛のアンみたいな味わいだな、と思いながら読みました。
舞台が小さな島で、孤児の女の子や小説を愛する人がたくさん出てくるからでしょうか。
翻訳のせいかも知れませんが、独特の語り口からも、ウィットに富んでるけど、やや皮肉屋さんで、偏狭なとこのある主人公らしさがのぞきます。
彼と彼を取り巻く人々に起きる、様々な出来事が淡々と描かれます。よく考えると、失望や離別やつらい展開が多いのですが、それを受け止める、隠されたやさしさやまっすぐさ、懐の深さがあるのか、暖かい気持ちになります。
本当の読書家なら、細部に込められたお遊びまで見つけて楽しめるのでしょうけど、私にはそこまでは無理でした。
でも、どんな本が一番好きかに対する答えで、その人の人となりがわかるとのことですから、この本のこと、結構好きだと言ったら、主人公さんは何て答えるかしら。
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ブクログのお勧めで見て、興味を惹かれて購入した。
幾つか伏線が貼られていて、まず冒頭、出版社の新しい営業担当のアメリアが、フィクリーの書店を訪れるが、A.J(フィクリー)との初対面は最悪に終わる。
妻を亡くしてからA.Jは偏屈になり、暮らしも乱れて、酔っ払って眠ってしまったある夜、その店で一番高価なポオの詩集の稀覯本を盗まれてしまう。
更に、店の前に子供が捨てられていて、その母親はその後自殺したことが分かり、A.Jはその子を育てる決断をする。
そこから物語は、A.Jの人生が好転に向かって行くのだが、それも一筋縄ではいかない。
主要な登場人物達が、思いがけない役割を演じて、読み進みながら浮かんだ疑問が解決されて行く。
A.Jがアメリアと結ばれたり、マヤ捨て子の父親が姉夫婦の夫だったり、タマレーン(稀覯本)を盗んだのが、姉だったり。
A.Jは最後、ガンで亡くなり、島で唯一の書店「アイランドブックス」は存亡の危機に立たされるが、それを姉とA.Jの友人の警察署長夫婦が引き継いでいくというところで物語は終わる。
良く出来た話だと言うと嫌な言い方になるが、実際そう思った。
各章の冒頭に、本の紹介があるのも、読書意欲をそそられて良かった。