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読みにくいことこの上なし。
文体に翻弄され、スジを追いかけるのがやっとだった。
背景の時間は千年単位の壮大なスケールだが本編はそのうち19年前から、現在に至るまでの話。
三人称が、彼女なので登場人物の性別がわかりにくい。性別を明示している場合もあるが、ほとんどは会話の内容などから推測しながら読み進める感じ。読み手の方で勝手に決めて読むのも面白いかも。
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読み応えのある本格SF。さすがに主な賞を総なめしているのも分かる。内容的には原題のアンシラリージャスティスのほうがぴったりくると思った。
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ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、英国SF協会賞、クラーク賞など、7冠獲った小説だというから読んでみた。
おもしろかった!
最後まで、主人公の性別が分からなかった。女性・・・・でいいの?でもなんか、たくましいし、オーン(=女性だよね?)を慕っていたていうし、なんとくなく男性のようなイメージもある。擬体使いというつながりで、私の脳内イメージは素子少佐だったんだが、それでよいのか・・・?
そして、セイヴァーデンがむちゃくちゃ萌える。なんなのこのダメ男。序盤は「なんだこの糞は?!」と思っていたが、途中から主人公に向けて出る矢印がまぶしくて、くっそ萌えた。(矢印が
セイヴァーデン→→→→→→→||||越えられない壁||||ブレク→オーン
こんな風に出ていて、その報われないっぷりにまた萌えた)
しかし、なぜセイヴァーデンが1000年後に現れたかの伏線は、投げっぱなしで回収されなかった。
続編があるから、そっちで回収するのかな?
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こんな未来なのに専制国家&皇帝って、人類ってどうなの?はさておき、面白かった。主人公はアンシラリー(属躰)。アンシラリーは、捕虜を生体兵器に改造して人格を宇宙戦艦のAIで上書いちゃうんだよ!おぞまし過ぎるでしょ〜。たった一体生き残ったアンシラリーによる皇帝への復讐譚。でも皇帝が多すぎて収拾つかないw。
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はぐれAIの物語
邦題『叛逆航路』とはえらく昭和の香りのするタイトルだが、原題は〈Ancillary(隷属する)Justice (正義)〉と、随分と意味深。
物語は「ラドチ」という専制国家が広く銀河を支配している時代で、中世ヨーロッパの様な閉塞感漂うスペースオペラファンタジー???
主人公のAIはなぜ身分を隠し「ヒト」として辺境の星を彷徨ってるのか……
相棒?のセイヴァーデンの存在が、物語のちょとしたスパイスとなっている。
後半になって、やっと民族、習慣、宗教、社会情勢などの世界観?に慣れてくる。
たしかに面白い。三部作、さあどうするか……。
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正統SFで、世界観がしっかりしていて、引き込まれた。Ancillaryという概念が面白い。個体差がある多視点の同一人格AIって、クローンで意思共有するより有事に強そう。感情共有、監視ができて、操作できないのか?とか、AIと人との境目はどこか?とか疑問も色々あるけど、個人内の葛藤が大きなスケールになったときに、というのが面白かった。
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古本屋でみつけて読み始めたらとまらなくなって、シリーズ3部作を一気に読んだ。
主人公ブレクは巨大戦艦”トーレンの正義”のAI(人工知能)で、何千体もある”属躰”のひとつ。
物語は宇宙の僻地、極寒の雪原に全裸の人間が倒れているのをブレクが発見するところからはじまる。死んでいるかと思われた”彼女”は、かすかに息をしていた。そしてブレクは気づく。彼女はかつて私を操艦していていた、副官のセイヴァーデンであることを…
この作品、設定がややめんどくさい。
まず、登場人物に性別がない(実際はあるんだろうけど、性別の概念がないので代名詞は全て”彼女”)
さらにわかりにくいのが、主人公が戦艦のAI(人工知能)だということ。主人公のブレクは何千体といる(いた)AIの属躰のひとりであり、生き残っているラストの1体。属躰というのは植民した星の住人の体だけ借りて、脳はAIに換えられた体のこと。だからブレクも体はもとは、どこかの占領された星の住民。AIはいくらでも自分のコピーをつくれるので、”属躰”は何千体も存在する。しかも様々な地域や時代に存在した属躰の記憶と戦艦の記憶が、ブレクの視点として語られるので、それがどこなのか、過去なのか現在なのかすらわかりにくい。
ブレクは物語のはじめから何かの武器を探している。その武器を探しているうちに辺境の地にまで流れ着き、セイヴァーデンを発見するのだが、なんでそんなことをしているのかがだいぶ後になるまでわからない。後々、それは皇帝を殺すことのできる唯一の武器だとわかる(つまりブレクは皇帝を殺そうとしている)
以上の3点を押さえておくと、わかりにくさも解消され物語に没入できる。
戦艦同士のバトルとかはなので、地味な印象も受ける。しかしブレクが皇帝アナーンダを追い詰めるまでのシリアスな描写の連続は、スパイ映画のような緊迫感がある。静かに、でも着実にターゲットとの距離を縮めていく。
若干ネタばれ気味にはなるけど、かつて皇帝に命ぜられたある重大事件のことでブレクは怒っており、そのため皇帝への復讐を果たそうとしているのだが、皇帝もまた複雑な設定で、ブレク同様、たくさん存在している。どの皇帝が本物?というのもおかしくて、全部ほんもの。絶対君主が分裂してあっちこっちで勝手な指令を出すので、ストーリーがまた複雑になっていく。その縦横無尽に張られた蜘蛛の巣の網目をかいくぐって、ターゲットを追い詰めるその展開は、日本人好みの仇討ち劇だ。
ラストは宇宙空間での派手なアクションが。
うお~、すげぇ、映像化してほしい。
娯楽作品の様々な要素が詰め込まれた作品で、数々の賞を受賞したことも頷ける快作だ。
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たくさん賞をとった作品ということで読んでみました。AI視点の語りなんですが、人の代名詞が全員”彼女”となっていて、最初女性をイメージしていたら男だったりで混乱。性別の区別をしない世界という設定はなかなか入りにくいですね。?
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なんとも骨太なSF作品。難解な設定、難解な会話、難解なストーリー展開など、途中リタイアしそうになるも、なんだか不思議な魅力というか、先が気になってしまい、じりじりと気を取り直して読み進めていくと、いつの間にか読まずにいられなくなると言いますか。これ、映画にしたら、確実に超駄作になる可能性大でしょうが、小説だからこそ成り立つ世界観の醍醐味を味わえる作品と思います。
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英米7冠制覇、というなかなか凄い肩書きのSF小説。
原題Ancillary Justiceは、本著の用語を用いて直訳すると「属躰の正義」になるんでしょうが、「従属する正義」にも読めるのは本著の展開を示しているようにも。
あと、「属躰」ってなんだ?となると思いますが、本著を読む前に巻末の「付録 アンシラリー用語解説」を読んでおくと良いのかもしれません。
邦題&表紙を見た感じでは、SF艦隊戦なのかな?と思っていたので、地に足のついた展開はちょいと肩透かしを喰らった感がありました。
実はそれもあって、そこまで本著に引き込まれた感覚もないのですが、面白いと思ったのは「属躰」の設定・描写や、本著ラドチ世界の「男女の性別を一切区別しない文化」で、これは小説という活字ならではのやり方だと思います。
特に後者は、映像化されたら何の面白味もない風景になっちゃうはずなんですが、軽く脳がバグる感覚というか、結局この登場人物は男性なの?女性なの?と迷わされるというのが新鮮でした。現代におけるダイバーシティとかDE&Iとかの行き着く先はここなのかもしれませんが、どうなんですかね。ディストピアっぽいし。。
さて、本著を読了して感じたこと。
本著の「属躰」なのですが、これはAIと言って良いんでしょうか?性格は人間っぽいような気もしつつ、ただ表情に感情はあまり出ないと。描写の問題なのかもしれませんが、わかるようなわからないような。。
あと、これだけの技術を持っている舞台設定からすると、皇帝があーなるというのはまぁそりゃそうかという感想になる訳で、これはつまり、地位とか富とかを手に入れるとあーなると。。
万能感はあるんでしょうが、いやあんまり偉くはなりたくないモンですね(笑
続編を読むかはちょっと悩むところですが、主人公ブレクやセイヴァーデンにはちょっぴり感情移入した感じもあって、さてどうするか...。