投稿元:
レビューを見る
自分の頭で考えることのおもしろさ、ということについて思い出させるというか、気づかせてくれる本。平易な文章でとっつきやすく、新聞で連載されていた1回分が短いエッセイが前半部で、物理的重量からもお風呂で読むのにちょうどいい。ちょっとした事柄について、改めていかに自分が自分の頭で考えずに考えていたつもりになっていた、ことに気づかされる。例えば、「神だのみ」に関して、評者はつねづね、「日本人は何でも神様に頼ればそれで安心する安直な心性を持っている」と思っていたけれど、次のような一節を読んでむしろそんな自分の方が不遜だったのかもしれない、と考え直すのだ。
「…柏手を打ってお願いごとをしたりする。いったいなぜだろう。神様なんか信じていないのに。…いもしない神様にお願いごとをするというのは、「私ではどうにもならんのです」と頭を下げることなのだ。努力すれば何とかなるというのは、勘違いであり、傲慢である。…」
投稿元:
レビューを見る
思わずふふっと笑いたくなったり、時には真面目に考えさせられたりします。
また新しい見地を得られたりして、思わず隣の人に話したくなります。
投稿元:
レビューを見る
野矢先生相変わらず素晴らしい。哲学界隈としてこういうスタイルがどうかというのは知らんけど、文章読むの好き。
投稿元:
レビューを見る
哲学がいかに生活に密接した学問かがよく分かるエッセイ
自画自賛あり自虐ありでクスッと笑える。
でも、「文学」と「国語」は分けた方がいいとか、
国語から道徳教育や情操教育といった側面を排除するとか
実用的な語学としての国語を理想としていたり、
読ませる文章とはどういった文章なのかなど、
教育者としての内容はとても納得できるし勉強になった
私的には「東京大学妄想系I類があればよかったのに」と妄想している箇所がツボだった。
投稿元:
レビューを見る
所在:展示架
請求記号:104/N97
資料ID:11501501
選書担当:ハー
思考している時は行動が停止しており、行動している時は思考が停止している。だが、どちらの時間も重要である。
投稿元:
レビューを見る
犬って何? ポチ、ハナ、~~個別的、一般的な犬って何?わかんない。
大森先生の説明もよくわかんない。いや~~、哲学ってわかんない。
でも、考えることは、おもしろ~~い。
投稿元:
レビューを見る
なんだかあまりにもやさしい文章なので、手加減されてるなって悔しい気持ちになる。で、わたしだってもっとムズカシイことを考えられるよって、さびついてた脳みそが動きはじめる。
ほら、野矢さんの思うつぼだ。
投稿元:
レビューを見る
いつもの昼休み書店めぐり中に、東京堂の平積みのなかにみかけて購入。
40年以上も家族のごはんを作り続けてきた田舎のお母さんが作るおみおつけは、同じ材料を使ってもかんたんに真似できない味がします。
本書にならべられた日本語も、同じように、とてもシンプルで、ダシがきいて、おいしく、身体にしみわたることばに満ちた味がします。
ごちそうさまでした。
投稿元:
レビューを見る
考えることは面白い。
現代に溢れている情報は、人々の考える時間を奪っている。
情報に溺れないように気をつけたい。
投稿元:
レビューを見る
私は文字を「読む」というよりは「見る」感覚なのだが、この本は久しぶりに「読む」本でした。
言葉のひとつひとつが脳細胞を刺激してきて非常に考えさせれると同時にわくわくしてくる。
好きな本です。
投稿元:
レビューを見る
【9月11日読了】
野矢茂樹先生の、「論理トレーニング」は大学生の頃に読んでいた。本書は、連載されたコラムの記事を本にまとめたもの。ただ、コラムとはいえ奥が深い。「考える」とは何か、「伝える」とは…
哲学は、私たちが「当たり前」と思っている事から遠ざける。実は当たり前ではない。「色は存在するか」「なぜ私たちは犬を理解できるのか」「冷蔵庫にお茶が入っている」という文章が伝わる条件は、などと、一トピックごとに色々と考えさせられる内容であった。
個人的に、野矢先生の二人の「師匠」の話が印象に残った。一人は大森荘蔵先生で、いわゆる研究者としての師匠である。野矢先生いわく、大森先生は人間としての師匠ではないというが、本書の記述の中に大森先生が相当多く出てくるので、強い影響は受けている。「犬ではないものを区別できることが、犬を理解していることだ」というのは大森先生の見解だそう。
もう一人は末木剛博先生。もともと理系で入学した野矢先生が、「座禅サークル」で縁をもったのが哲学者の末木先生だ。野矢先生が大学生の頃に「自分は何もできない」と悩んでいた頃、末木先生が「生きているだけ、もうけものと思わなくっちゃあ」と答えたというエピソードが印象に残った。仏教でいう観の転回か。
哲学のこともだが、野矢先生のこれまで歩んできた人生のことも書かれていて、自分を重ね合わせながら読んだ。
投稿元:
レビューを見る
ふらーっと寄ったビレバンで出逢ってしまった一冊。
そんな運命的な出会いをした割には
読むのに時間がかかった。
つい寝落ちしてしまう。
哲学向いてないのか?笑
でも私自身は嫌いじゃないよ。
野矢茂樹さんの写真を最近見たけど、
この文体のようにとても優しそうで
ちょっとお茶目で
日々の出来事に思案してしまいそうな人に見えた。
投稿元:
レビューを見る
論理トレーニングの人の本ですが、これ同じ人なの?!?!って思うくらい、軽くてさらっと読める本です。野茂さん可愛い。実物もきっと可愛らしいおじさまなんだろうなぁ…。哲学哲学した話を期待して読むとちょっと違うかなとなるかもしれませんが、日本語も綺麗だし、嫌味もないし、さらっと読めるし、娯楽本として良い本だと思います。
投稿元:
レビューを見る
ウィトゲンシュタインの翻訳や著書で知られる野矢茂樹のエッセイ集。お堅いものではなく、哲学とは何?という人でも読めるような平易で力の抜けた、素であろう文体の小品集といったところ。いくつか重複してる内容はあるものの、全体を通してそっかー、そうだなー、と気追わず読める一冊。
投稿元:
レビューを見る
新聞に連載されていたエッセイと、雑誌などの媒体に掲載された少し長めのエッセイとで構成されていて、前半の新聞連載の部分はさらっと読める。哲学者が普段着で語ると帯に記されていたように、なんとも可愛らしいエッセイだった。読み進めるうちに、野矢先生がなぜ「大人のための国語ゼミ」を後に出版したのかがよく分かるエッセイも登場する。
後半の方が読み応えがあり、哲学者の本領発揮といった感じがして、わたしは好きだった。