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経済学はこれまでほとんど読んでいない分野なので、店頭で読みやすそうな本を選んでみました。入門書としては手頃で分かりやすかったです。上巻は、経済学の基礎的な考え方、基本的なアプローチとしてのマクロ経済学とミクロ経済学、マクロ経済学からみた日本経済を変えた三つの分岐点、分析の基盤として重要性を増しているゲームの理論、を扱っています。
経済学は実験によって検証することが難しいため、過去の歴史を検証してゆく作業が重要になります。日本経済で特に注目する三つの分岐点とは、石油ショックと変動相場制への移行、レーガノミックスからプラザ合意まで、バブルの形成と崩壊、です。それぞれ日本経済に与えたインパクトと、それらを日本がどう乗り越え、変わってきたのかを分析しています。
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日経ビジネスアソシエ2月号の特集「今、知るべき教養」で紹介されていた一冊。
平易に経済学の基本が記載されているので、本当に経済学をはじめて学ぶ人にはうってつけの本だと思います。
【サマリー】
1-1 経済学は身近な学問
・1973年の石油ショックと変動為替制による物価上昇(インフレ)
・1990年代のデフレ・スパイラル
・為替レートの(円安、円高)影響。トヨタ・Panasonicなどは1ドルあたり1円の上昇で数十億~100億円に近い利益が吹っ飛ぶ
1-2 経済学の活用
・IMF:
国際通貨システムや各国のマクロ経済の安定を目的として設立された。
経済危機に陥った発展途上国への融資機関の役割も担う
融資条件は、大胆な規制緩和と赤字を出さないような厳しい財政規律
(ワシントン・コンセンサスという)
1-3 経済学の思想の発展
(1)自由貿易か保護主義か
アダム・スミス(『国富論』)
保護主義を前提とする重商主義を批判
イギリスの穀物の輸入に制限をかける政策を巡って対立
自由貿易を重視。
利己的な利益を求めて個々の経済主体が動いたとしても、価格という調整機能によって、社会全体に秩序が生まれる
→夜警国家の思想へ
デビッド・リカード
比較優位の考え方
・限られた資源を得意な産業に集中
・不得意な産業で生み出される財やサービスについて輸入する
フリードリッヒ・リスト(ドイツ)
産業保護論
後発国のドイツとしては、一時的に自国の産業を保護し、産業の力を蓄えることによって競争力をつけることが重要
(2)ケインズ革命とマクロ経済政策論争
ケインズ
1930年代の大恐慌が背景
政府によって積極的な財政政策や金融政策の展開が必要
古典派(小さな政府を支持)への批判書となる
ミルトン・フリードマン
マネタリスト(新古典派)
経済への政府の介入を強く批判
2-1 GDPとマクロ経済
(1)GDPの意義
・成長率を図る
・他国との比較を図る
・一人あたりの生産性を図る
(2)名目GDPと実質GDPの違い
名目は、インフレ・デフレ率は勘案されない
(3)GDPの構成要素
家計部門(消費)
・GDPに占める割合が大きい
・重要指標-消費性向(消費額を所得で割った指標)
・日本の消費性向は低い(貯蓄に向かいがち)
企業部門(投資)
・景気への直接的な影響を与える
・在庫投資(生産の積み増し)設備投資、研究開発投資などがある
・利子率、為替レートに大きな影響を受ける
政府部門
・景気の調整弁となる
海外(輸出-輸入)
(4)需要と供給
需要が着実にあること、供給能力を越えないことがGDPの拡大には必要
・供給サイド
労働、資本、土地などの生産要素がどれだけ利用可能であるかということが大事
技術水準も供給能力に影響を与える
(5)政策
財政政策:公共投資 or 減税 +国債発行
3-1 石油シ��ックと変動相場制
1973年:
・第一次石油ショック
イスラエル対アラブ諸国の第4次中東戦争
OPECを通じて、世界の石油産出量のコントロールを強める動き
重厚長大産業(鉄鋼、造船、石油化学など)の衰退
軽薄短小型産業(エレ、精密機械、自動車など)の資源利用の比較的少ない産業へシフト
・変動為替相場への移行
固定相場制(ブレトン・ウッズ体制)の崩壊=ニクソンショック
1ドル360円から、円高へ
・狂乱物価(悪性のインフレ)
田中角栄の日本列島改造論
各地に巨額の公共投資 → 不動産価格や諸物価の高等
マネーサプライの急激な増加 → 物価上昇
3-2 レーガノミクスからプラザ合意
1970年代後半:米国はスタグフレーション状態
1980年:レーガンによる小さな政府の政策。積極的な減税と民営化、規制緩和の徹底
財政収支の急速な赤字拡大
↓
急速なドル高、円安 → 日本企業による輸出攻勢
米国の金利上昇 → 世界的な債権の金利上昇
↓
新興国(ラテンアメリカ諸国、韓国、フィリピン)における累積債務問題の表面化
↓
ドル高を是正するための為替介入を各国で協調して実施(プラザ合意)
3-3 日本バブル
90年代中頃 住専金融機関が経営破綻
90年台後半 拓殖銀行、山一證券、日本長期信用銀行などが破綻
4-1 民営化、規制緩和
民営化から市場原理が見えてくる。
例えばJR東日本(国鉄時代の不合理性)や電電公社
↓
市場原理に従えば適切な資源配分が行われる
(市場メカニズム、価格メカニズムが重要)
ただし、独占寡占による歪みや外部効果(外部不経済:温暖化など)、情報の非対称性を勘案する必要がある
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タイトル通り、経済学の初心者向けにマクロ経済学・ミクロ経済学について分かり易く書かれた良書。
分かり易すぎて、ちゃんと頭に入ったかしら?と思っても、読み返すのが苦にならない文庫本であるのもまた良い。
私が生まれた1970年代前半から現在にかけて、日本経済にしても世界経済にしても、さまざまな変化があったことを改めて実感した。自分の人生と、世界経済を重ね合わせて振り返ることができるのは、年齢を重ねた醍醐味だろうか。まだまだちゃんと理解できていないことは多いが、経済を学ぶことは面白いと思う。
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経済の重要な概念を分かりやすく説明した良書。数式がないので、数学に苦手意識を持つ人にも優しい。
内容が若干古いので、最新版のアップデートを期待したい。
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中小企業診断士の経済学がなかなか理解できなかったので、本書で改めて概念を理解することにした。確かにわかりやすい。ということで、この理解をベースに再チャレンジです。
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伊藤先生によるわかりやすい経済学。
アダム・スミスからケインズまで経済学の発展の歴史をまず学び、そこから理論へと移ってゆく。
もっとも面白かったのはゲーム理論・「囚人のジレンマ」という簡単な理論で様々な経済現象が説明できるのは面白い。
A社とB社という2社しか存在しない市場においては、2社が協調した方が互いに利得を得られるにもかかわらず、互いに競争してしまうのは何故か?といった問題も「囚人のジレンマ」で説明できる。なかなか面白い考え方だ。
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経済とは何かについて書いてあります。
改めて経済を学ぶためには良い1冊です。
下巻があるのでそれを読みたいです
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(2007/3/12)
マクロとミクロのちょっとづつかいてあるんですが,
まー,中盤の1970年代くらいからの変動相場制になっていくあたりや,バブルに流れていくあたりの解説が主って感じでした.
ラストらへんはゲーム理論についてかいてありましたが,
ゲーム理論は最近とみに話題ですが,これがホントにそんなに説明力のある道具なのかは,謎.
あと,経済政策については,学習する時変システム,しかも隠れ変数が一杯,への時間遅れ制御って感じがするので,
不況になったらテコ入れだー.好況になったら抑制だーの,ネガティブフィードバックで安定化させられるのかは謎.
経済政策の人と,制御論の人ってどのくらい世の中で相互作用してるのかなーと,思ったりもした.どうなんですかね.?
動的計画法,確率微分方程式とかは制御と経済学で両方出てくる,ところですが.
経済学部の友人がMATLABつかってて,「へー」とおもったりした.
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注:2014年現在では
制御工学と経済学のモデルの交流は随分進んでおるようです.
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忘れている事も多く良い復習になった。経済学の基礎が簡単に書かれていて分かり易い。『経済財政白書』等を実践として読むといいだろう。
GDPの構成要素を需要サイドで見ると消費(最も巨大な支出で全体の60%を占める)、投資(最も激しく変化する)、政府支出(景気の調整弁)、輸出・輸入である。経済的な指標で考えるならまずその国のGDP関連を詳しく見ると色々分かる。その国が一年間に生み出す付加価値、一人あたりGDP、消費者物価指数の変動、投資指数の変動、輸出・輸入品目の構成(公易条件)、GDPデフレーター(名目GDPから実質GDPに評価しなおすための指標)、寄与度(実質経済成長率に占める各需要項目の割合)等。
GDPの構成要素を生産サイドで見ると資本、労働、土地、技術。供給能力から想定されるGDPの動きを潜在成長率と言い、実際の成長率を上回っている時は供給が需要より多い状態になっていると考えられる為、デフレギャップと言う。
日本経済を変えた3つの分岐点は、①石油ショックによる軽薄短小工業への移行及び日本列島改造論(巨額公共投資による日本経済活性化)と金融緩和並びにアメリカの相対的な経済力弱体化やベトナム戦争等による財政赤字を補填するための変動相場制への移行、②レーガノミクス及びプラザ合意による円高への急転換、③①と②を受けてのバブル発生と崩壊である。
ゲーム理論は現実の様々な事象を分析できる。エッセンスは相互依存関係と合理性である。互いの意思決定が互いに影響を及ぼす前提のもと、意思決定者は合理的な選択をした場合、その後は選択を変えないナッシュ均衡が起こる。実際には協調が発生したり、コミットメント(先手をとって相手の行動を自分にとって好ましい方向に変えさせる事)が発生する。
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経済の基礎的な内容が網羅されていた。個別のトピックに対する深掘りというのはほとんどなく、物足りなく感じる点もあるかもしれないが、この一冊を足がかりに興味関心を広げていけば良いと思う。特筆すべきは4章まるまるゲーム理論に割かれている点。大学講義の導入レベルの知識は得られるので一読の価値があると思う。
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▼福岡県立大学附属図書館の所蔵はこちらです
https://library.fukuoka-pu.ac.jp/opac/volume/287977
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テレビ東京系の番組「ワールド・ビジネスサテライト」のコメンテーターを務めていた著者による、経済学の入門書です。上巻では、ミクロ経済学とマクロ経済学の基礎のほか、ゲーム理論も扱われています。
ミクロ経済学とマクロ経済学の解説に関しては、本書で扱われるのはごく初歩的な内容に限られています。その一方で、現代の日本経済の流れを分かりやすく説明するなど、初心者にとって親しみやすいような工夫がなされているように感じました。また、ゲーム理論についても1章を割いて、そこでどのようなことが問題になっているのかを印象に残るような例を引いて説明しており、ユーザー・フレンドリーな入門書だと思います。
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今まで経済学に触れたことがなく、初めて学んでみようと思った時に手にとって欲しい本。
内容としては、ミクロ経済学、マクロ経済学、ゲーム理論を扱っている。
実際の社会現象に対して理論を用いて経済学的な説明をしているため、経済理論のイメージがつかみやすく、
内容も簡単でわかりやすい。
是非読んで欲しいおすすめの本。
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とっつきにくい経済学。
でもそれをきちんと説明してくれる。
非常に面白い。
実学とまでは行かないかもしれないが、
生活するうえで知っておいたら絶対役立つ
社会の要。流れる財のルール。
どのような原理が働いているのか、
どのような関係、機能がどこにどのようにあるのか、
そしてそれらによって現在の社会が
どのように動いているのか。
この読後、ニュースを聞けば、
寡占の動きへの危機感、
日本という国の比較優位(いわば産業のポートフォリオ)が
何なのか、
そして理想状態と言われる
「ナッシュ均衡」も興味深い。
面白い。
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経済学の基礎をわかりやすく学べる。特にゲーム理論については、初見であったが、具体例も提示してくれているためとてもわかりやすかった。