投稿元:
レビューを見る
旧家の息子である友人の実家の話になったとき、彼はポツリと「怖い客間があるんだ……」と漏らした。詳細を聞くと、その客間は病の間と呼ばれ、泊まったものが皆心を病んで、自殺してしまうのだという。
前の巻はやや物足りないと思ったが、この巻はどの話も面白い。「スニーカー」「カタシロ」「後を頼む」など不思議な話も多くあったがそれ以上に怖い話がてんこ盛りで大満足!特に怖かったのは「取材」「呪詛」「病の間」。 「取材」はある事故が原因で夫を亡くした妻に、泊まると心を病んで自殺してしまうので、カメラを仕掛けて客間の撮影を行い何が起こっているかを見ようとビデオを仕掛けた。そのビデオに映っていた、ものが今までになく、かなり異質だった。縦に黒い溝のようなものが入った幽霊のようなもの……。幽霊だけでもかなり怖いのに、何故縦に黒い溝が走っているのか。考察する分には面白いかもしれないが、当事者からすると不気味で仕方がなかっただろう。それの正体は、最後の方になるとようやくわかるのだが、なぜその様なものが、礎石に使われしかも、その様な惨たらしい扱いを受けていたのか。ずいぶんも前の事なので、その真相は闇のなかだろうが、そうしようという発想が人道にもとる行為で、普通じゃ考えられない。