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前作ではお話への訴求要素を阻害していたように感じられた過去パートと現在パートの行き来が、本作は全然気にならず。むしろ前作までの内容を知っていたことと、何より石丸Dが本シリーズに関して無関係じゃないどころか、当事者の一人であることが明らかになるという点に興味津々。
そのためか、終止モチベーションが低下することなく読了。一気読みに近い状況で、久々に早めに読了しましたが、読後の感想としてはいくつか首をひねる点が…
まずは前作までは全知全能クラスの存在感を放っていた石丸さんが、ラストシーンでのあの展開を予想できなかったという点に理不尽さを感じてしまいます。石丸Dだったらあの程度の“アクシデント”は予想していて然るべきかと思うのです。前作までの聡明さがあれば、二十三重にも張り巡らせた防護策で回避してても変じゃないかなー、と。
そしてもう一点は妙にしっくりこないラストシーン。何ですかね、この煮え切らない感じは。意味がありそうで意図が全く読めないあのエピローグ(二ヶ月後)は「これで終わり?」感が強烈に感じられるのであります。
終盤までのお話がいい感じだっただけに、終わり方が微妙だった点が少々残念。本作でシリーズ完結だったと思うのですが、補完のための小品集など出していただきたく思うのが本音であります…
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シリーズ三作目。シリーズ物はだんだんつまらなくなっていくのが多いような気がするけれど、このシリーズはだんだん面白くなっていったと思う。テンポが良く、前二作に比べてとても読みやすかった。ただ、オチが何となくわかってしまうのが残念といえば残念だけれど。
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シリーズ第三弾で、完結編とのこと。2まで読んだ以上、外すことも出来ずに購読。
やはり独特な世界観は維持されつつ、今回は結末へ向けての盛り上がりが特に希薄な感じがしました。なんだか、過去と現在の話を交互に描写することで真相へ迫っていくのはいいんですが、あまりにも淡々としすぎていたというか、消化不良のような印象はあります。もちろん、シリーズ全部を読んで、その構成とかはすごいな、と素直に思えるんですが。
意外性よりも、ここまでの因果に1つの結末(終着点?)をもたらす為だけにある物語、だったような気がします。
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どうしても一作目のあの震えるような怖さ、凄味、に対して見劣りしてしまう感はあり残念。ですが、三冊を始めから読み返してみれば、伏線の回収はきっちりと成されている。素晴らしい。
そして、過去の歪みの怖さとともに、現代人の社会の歪みに、寒気が走るのです。
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長い腕シリーズ3部作の最終巻。第1部の長い腕、第2部の呪い唄に比べると、近江敬次郎の残した罠や、罠にはめられた人たちが殺人を犯す動機が弱い気がする。描写が少ないせいもあるかも。とはいえ東屋敷が抱える構造的な怖さの描写部分は、寒気を感じながら、なるほどと納得。
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「長い腕」の完結版。長い長い復讐とそれにまつわる謎が明かされるとあって、喜び勇んで購入したのですが。
読み終わった感想としては「肩透かしかな」という感じです。
1巻、2巻、3巻とトーンダウンしていく様な印象です。
ある人物による時代を超えた復讐と罠が現代の人間に作用を及ぼし、様々な事件を引き起こしていく。
この設定は非常に面白く、既に鬼籍に入った人間の悪意と罠に翻弄される描写に引き込まれていたのですが、ラストに向かうにつれて素っ気ない描写になっていきます。
同じ章の中で時代があちこちへ飛ぶのも集中を削がれました。
重要なキーパーソンであるはずの人物の心の描写もあっさりとしていて、正直「え?」という感じです。
「あの人物」の罠の完成を期待していた人には、がっかりの内容かもしれません。
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3作目と言う事を知らずに、読んでしまいました。
題名の「弔い花」とは、何かまがまがしいものかも、、、なんて、怖いもの見たさの興味心から、手に取りましたが、、、、
な~んだ、曼珠沙華の事でした。
彼岸花では、題名には、ならないかもしれない。
大工の石丸幸太郎は、「火事花」と言う。
菊代は、「思い花」と、可憐な花の名を口にする。
花が咲く時には葉が枯れて、葉が、茂る時には花は、姿を見せないから、葉は花を思い、花は、葉を思っているのに、一緒になることは出来ないと、、、
近江敬次郎が、桜材で、彫った花の伏線も、なるほど、、、と思う。
寛永元年1848年から、現在を、交互に、書き表しているところも、なるほどと思うけど、最初の2冊を読まずに、初めてこれを読んだので、、最初の登場人物だけでなく、系図が、書かれていて、やっと、理解出来た。
昔の物語が、現在にまでつながっているところは、面白いけど、なんか、最後が、物足りなく感じたのは、私だけなのでしょうか?
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ここにきて驚きの相関図が現れた。『長い腕』を書いたときにここまでの展開を考えていたのかな。
もう一度はじめから読みたくなっちゃったじゃないか。
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「長い腕」の3部作もついに終了。
1作目から間が開きすぎて、敬次郎の呪いってなんだっけー、な状態。「長い腕」を本棚の奥から引っ張り出してきて、軽く読み返してから読んだ。
汐路ちゃんおつかれ、って感じ。
感動のフィナーレ、というわけにはいかなかったけど、3冊それぞれでしっかりミステリー、ホラーしつつ、敬次郎の呪いもしっかり解決。複線も回収して、きれいにまとまったかな。
石丸さんの最後は残念だったけどね。
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「長い腕」三部作、最終巻。
最終巻にして、人物関係が繋がり、敬次郎が最後に残した呪いも明らかにされる。最後、上手く纏めてきたナ感は得られたものの、時代が何度も行ったり来たりして、少々読み辛いのと、2作目から少し間が空き、曖昧な記憶のまま読み進めざるを得なかったのが残念なところ。これから読む方は是非とも三作一気に読んで戴きたい。ただ、呪いのかけ方も1作目が一番衝撃的だったかな。2作目も3作目の今回も、それを超えるほどではなかった。
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「けいじろう」の幼少期、つまりは
呪いが始まるきっかけが鮮明になって面白かった。
石丸さんがあんな形で関わりがあったのも驚き。
すっきりと終わる訳ではないけれど
大きな区切りはついたので、終わったな。という
感が大きく残ったのがよかった。
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話の流れや伏線の回収などとても良かったと思えるのに、いまいち話に入り込めなかったのは主人公をはじめ登場人物に魅力がなかったせいかもしれない。近江敬次郎の呪いという線では第1話が一番良かった。
自分も日本人に生まれたからには、日本家屋の建築の素晴らしさを少しはわかるようになりたいものだ。今の自分では歪んだ屋敷にも気づけないかと思う。
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事件の解決と共に、敬次郎の呪いもある意味完結して思わず溜め息が洩れる。
違う場所違う時代で彼に縁を持つ者たちが動き、その想いが時を越え繋がってゆく様は見事で重厚。
結局最後まで触れられなかった敬次郎の胸の内が一番のミステリーでありパンドラの匣なのだろう。その匣は彼の死で放たれてしまったが、残った一抹の希望が汐路の父のような存在だったのかな。
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三部作の完結編。主人公の島汐路が、江戸時代から繋がる宮大工の呪いとの戦いに終止符を打つ。建築に密かに仕組まれた呪いの正体を、現代、江戸時代、敗戦後の三つの時代を超えて解き明かす構成が秀逸。
様々な伏線が一つに畳まれていくので、恐らく3部作を念頭にプロットされた小説だったと思う。1作目のホラー的な要素や、より生活感のあるリアルな島汐路のキャラクターが良かったが、3作目は終盤に向けてスピーディな展開になった感じがした。待ちに待った作品だったので、じっくりタイムトラベルを楽しみながら読めたかな。
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2月-7。3.0点。
長い腕シリーズ完結編。前作から時間が経ちすぎ、
忘れている。但し、謎は解けたかな。
ラスト、あの人物が破滅になったのは痛快。
積年の恨みというひと言かな。