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電子書籍
分人シリーズ読了
2019/12/07 00:04
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:漣 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「決壊」「ドーン」「かたちだけの愛」そしてこの作品「空白を満たしなさい」
一週間くらいで、この四作品を読みました。
そして、読了の度に自身の整理のためにレビューを書いています。
前の三作品は、主要登場人物が天才やその道の一流と呼ばれる人々ばかりで、非日常感が強かったのですが、今作は一変して普通の家庭が舞台です。
しかし、死者が生き返るという設定が飛躍というか、なんで??と平野啓一郎さんの意図が最後まで分かりませんでした。
ストーリー展開はぐいぐいと惹き込まれましたが、分人シリーズ締めくくりであるが故か、分人の説明がくどいのです。平野啓一郎さんの作品は計六作品読みましたが、どれもこれも勉強されたことだったり、主張だったりが、これでもかと、会話でも地の文でも説明しくされています。
「ドーン」のレビューで書きましたが、分人主義って新しい発想でも考え方でもありません。
個人の中にいろんな自分が居るのって、当たり前です。誰も一貫性なんてないし、その場その場の顔がある。不寛容な世の中を憂いて、敢えて分人主義なる言葉を作り出して疲弊した人々の溜飲を下げようということでしょうか。
話は戻りますが、設定は別にして物語は良いのに、後に残るものがないんです。余韻が全くない。
それは当然です。平野啓一郎さんが、説明に説明を重ねて一切の余白を許さず塗り潰しているからです。
私は作者と読者は対等であると思っています。
全部書けば良いってものではないはずです。
読者に何も委ねないっていうのは、行間を読む楽しみを奪い、想像させることを許さない傲慢さと捉えています。
まだ平野啓一郎さんの作品で読んでいないものが幾つもあります。その中でなにか「!」があるのを期待しています。
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