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定年退職したエリートサラリーマンの退職後の生活を、現実の厳しさをデフォルメしてちりばめながら、鋭く描いた作品。面白かった。
こんなに恵まれた老後なのに、何をバタバタするのか、なんでそんなにいつまでも仕事やプライドに拘るのかと、前半は主人公に違和感を感じつつ読みました。後半からは一気の急展開で、楽しみつつも、考えさせられることが多かったです。
まだ退職まではしばらくの期間がある50歳くらいで読むと、この先の人生についていろいろと考えられるし、でもまだ方向転換も可能だし。本書を読むには適齢期ではないかと思います。
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東大・法学部卒、メガバンクに就職、役員になる寸前で子会社に移籍、エリートコースを外される。そして定年。子会社の定年前には年収1300万。退職時には自分の金融資産だけで1億5000万ある。定年後も「終わった」ことも受け入れられず、IT会社の社長を引き受けることになるが倒産。会社の負債を返すために金融資産は1500万に減り、妻とぎくしゃくする。最後は故郷に救われ、卒婚と称して別居して故郷に帰ると言う話である。
主人公の人物描写や心情、会社や夫婦のあり方、定年後に出会った周りの人々との関係、ものの見方など面白いところはたくさんあった。
思い浮かぶのは、確か漱石が言っていた「一生三円」という言葉である。結局、人生は総決算すると誰でも三円程度の値打ちしかないと言うもので、この小説も最後は誰でもあまり大差はないということがひとつのテーマのように思える。
それでも、主人公は十分恵まれた人であり、バブル時代にはさんざんいい目を見て、バブル崩壊後も優先して国から支援を受けていた銀行員のことだと思うと良い気持ちはしない。
IT会社が倒産するところでもそれほどのやり手の銀行マンであったのだったら、まともに会社の負債を肩代わりして返すなどと言うことがとても不自然に感じた。実際のところは財産はすべて妻に移してしまい、返済を逃れる手を当然のように採るのが普通だろう。
本の装丁に描かれている人物とはまるで印象の違う小説で、とても違和感が残った。
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定年後のオヤジ。
東大出のエリート銀行マンの話だから、
なんだか、感情移入できない。
実際には、もっともっと哀しい現実が待っているんじゃないかな、なんて
哀しい心持ちになってしまったよ。。。
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東大卒のエリート銀行員・田代壮介は転籍先で定年を迎える。仕事しかなかった彼の生き方に妻や娘や同窓生は何を思う。人生のソフトランディングとは?時間の使い道を自分で決める生き方とは? 組織の論理で動かざるを得ないサラリーマンには難しい問いかも。「若いころに秀才であろうとなかろうと、美人であろうとなかろうと、一流企業に勤務しようとしまいと、人間の着地点て大差ないのね・・・(著者あとがきより)」
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重松氏のファミレスを読んだ後だったので、なんか憂鬱。段々歳が近付いて自分もって感じなので
もっと明るく行こうよ!夫婦っていいよ〜
我が家は幸せなのかなぁ
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定年を迎えた元エリート銀行マン(役員目前で出世競争に敗れ、退職前は子会社に出向)が、リタイヤ後をどう生きるか、もがき続ける。
散り際の美しさにこだわり続けた主人公なのに、実際は惨めでカッコ悪くて全く潔くないんだけど、団塊の世代の中央でバリバリ働いてた人たちってこんな感じなのかな。「散る桜残る桜も散る桜」。
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自分自身が60歳になり、主人公と同じで「まだできる」、「もう引き際かな」、「体力、精神力が持たない」などと考える日々。1億円もの貯金がある訳ではなく、主人公のような冒険もできず、でもできることはあるはずと過ごしている。妻・千草のような態度をされたら離婚だよねぇ。
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もーーーーー
おもしろすぎでしょ。
いい時読んだわ。
ソフトランディングできない
職場と墓場の間。
これ課題だわ。
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エリートサラリーマンが定年を迎え、プライドの高さゆえ孤立してしまうというありきたりの話しかと思いきや、中盤から流れが変わり一気に引き込まれてしまいました。
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以前から気になっていた本、やっと読めました。面白かったです。職場と墓場の間の人生、「終わった人」の行き着くところは、学歴職歴は違えど案外横一線だったりすると念を押された気がします。道子さんの鋭い指摘な台詞に、うんうんと頷いたりで、思い当たる言葉の数々に妙に納得させられながら読めました。
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内館牧子さんの小説は面白い。定年退職した後の男性のストーリーだが、生き方、人間関係の問題、共感出来る事が多かった。人生は、先々先手を打って考えても、そのとおりにはいかない。「今やりたいことをやれ。」退職しても、終わった人になるかどうかは、自分次第。自分のやりたいこと、自分を必要としてくれる場所、仲間を作っていけば、いくつになっても、明日があるひとになれる。今を楽しく過ごせる仲間を、その時々で新しく作っていきたいと思った。
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2016/06/17-18
一気読み。
いやぁ、怖い。自分の将来を見るよう。人事は他人が決めること。能力だけでは上にはなれない。派閥の影響などもある。
仕事だけで生きている人にとって、定年は確かに生前葬だと感じる。特に自分の周りの人間が毎月のように定年になりパーティをやるとそう感じる。自分が定年になるまでには20年はあるが、恐らくあっという間。自分と家族の間で楽しめる趣味や、仕事以外でのキャッシュポイントはやはり必要だと強く思った。
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2017.10 共感できるところは少しだけはあるが、偏見と思い込みが強すぎる小説で、人物の一貫性も揺らぎがちなご都合主義な本でした。題材でベストセラーになったのかな?
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退職後ソフトランディングできない男が、働く場所を求め、あがき結果的に多額の負債を負ってしまう 救いは故郷の友人たちの生きざまを知り、地元に帰ることを選択すること
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定年後に生き方にもがき続ける元エリート銀行マンの喜怒哀楽を綴った作品。サラリーマンとして時に不安を感じる定年後の人生を考えさせられる。多分、自分は給料安くても仕事にしがみ付くだろう。