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(収録作品)音の正体/304号室の女/善意の第三者/時の穴/懐かしい声/心の旅路/リセット/エピローグ
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*グランドマンション一番館」には、元「名ばかり管理職」の男、元公務員、三世代同居の女所帯から独居老人、謎の若者、はてはかなり変わった管理人までと、アクの強い人たちが住んでいる。騒音問題、ストーカー、詐欺、空き巣―次々に住人が引き起こすトラブル。そして、最後に待ち受けていた大どんでん返しとは…。希代の名手が贈る必読の傑作ミステリー連作集*
この方の作品は初めて。叙述トリックの名手なのですね。確かにトリック満載で、久しぶりに頭をフル回転させました。重くはないけれど、じっくり読み込みながら進める感じなので、読み応えはたっぷりあります。読後感も悪くないです。
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濃いわ。
よくもまぁこんだけ次々とクオリティの高い叙述トリックが書けるもんだ(褒めてる)。
グランドマンション一番館の住人たちの短編集。
とにかくほとんどの住人がヤバイ。親殺しアリ、幼児虐待アリ、年金不正受給アリ、オレオレ詐欺アリ、孤独死アリ、……一作一作がけっこう現代社会の問題にリンクしてる。
「地の文で嘘を書いてはならない」ってなことを言ったのは誰だっけ? 実は部屋が違ったり、時間軸が違ったり、ヒトが違ったりと、折原劇場やりたい放題な作品になってる。
叙述トリックって短編の方が効果的なのかもしれない。一編一編充実してて、濃いなぁ、と思える本だった。
最初は「こんな犯罪者と死人ばかりのマンション住みたくない……」と嫌悪感いっぱいだったけど、民生委員の高田さんが真面目に仕事をこなして(褒めてない)住人間の交流が見えてきて以降(その前から老人たちは独自のネットワークを築いていたことも分かってきて)、最後は滑稽にすら思えるようになった。
あ、全然ハートウォーミング系じゃないです。
なかなかの良作なのに、本棚登録が少ないのが意外に思った。
もっと読まれていい。
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もはやお家芸の叙述トリックを大いに期待した
マンション?ミステリーだが・・・
一発目の「音の正体」は良く出来ていて
それに連れてグイグイと読ませてはくれるが
説明口調の文体にイマイチ乗れずに
期待とは裏腹にやや大雑把な終わり方であったのが
個人的には残念である。
でもなぜかもっとこの人の読んでみたいと思った。
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大好物の連作短編。
時間軸や年齢や場所や人物や…アレコレ思いつく限りの叙述トリックオンパレードだけど、繋がり方がしっくりきて、テンポよく読める。
高田さんの話、「善意の第三者」好きだな〜。おとめさんもお幸せに!最後まで残った組に幸多かれ!!
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初めての一っちゃん( ´ ▽ ` )ノ
何の前知識もなかったから無心に楽しめた( ´ ▽ ` )ノ
本格ミステリの人と知ってたら、むしろ敬遠してたかも……ああいう、人間が記号化してるような小説は苦手だから……(´ε`;)ウーン…
あんまりミステリに詳しくない人間でも容易に先が読める展開で、とにかくスラッスラ読める( ´ ▽ ` )ノ
遅読の自分でも3~4時間で読めちゃった( ´ ▽ ` )ノ
社会問題や現代人の心の闇も描いてはいるけど、それはあくまで薬味ていど。(むかし学習雑誌の別冊ふろくによくあった)推理クイズブックというか、さまざまなトリックの それこそモデルルームみたいな連作短編集( ´ ▽ ` )ノ
肩がこらず、どこでも区切れて、出張新幹線のおともなんかに最適な一冊( ´ ▽ ` )ノ
まあ、あの人とこの人、よくおなじマンションに住めるもんだなとか、こんなに犯罪が連発してたら完全に大島てる物件じゃないかとか、無理や不自然やご都合主義のオンパレードではあるけれど、こういうもんだと割り切っちゃえばどってことない( ´ ▽ ` )ノ
マッコイの解説、ひょっとしたらふれないままで終わっちゃうのかとハラハラしたけど最後の最後でちゃんと「グランドホテル」の名前があげられていてホッとした( ´ ▽ ` )ノ
「グランドマンション」ってタイトルだもの、みんな「こういう形式」の作品を期待して本書を手に取るよね( ´ ▽ ` )ノ
2019/11/25
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「グランドマンション」の住人を主人公にした連作短編集。それぞれはきちんと完結していますが、別の話で前の話に出てきた部屋や住人が主人公になったり、前の話が過去の話として話題になったりとこういう作りは楽しいですね。でも扱っているのは児童虐待だったり年金の不正受給だったり穏便なものではありません。住人に老人が多いのでその関係のお話も多いです。一話ずつがきちんと完結しているのにそれぞれがちゃんと作者らしさを持っているのには驚かされました。結果として軽く読めましたが満足感いっぱいのとても好みの本でした。
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お勧め度:☆6個(満点10個)。8章からなる連続短編集なのだけれど、微妙にそれぞれが繋がっていて、最後にはそれこそマンションの住人リストを作らないとわからなくなるような感覚に陥った。その上、話が複雑に絡み合いながら、認知症の老人目線で書かれていたりするので、よけいわからなくなった。内容はグランドマンションとは名ばかりの4階建てマンションに起きる様々な問題が浮き彫りにされまさに最後は老人ホーム的なマンションになってしまい、さらに放火事件も起こり、ごたごたしてくるし、読んでいて??と思えてくる終わり方だった。
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2019年7月21日読了。様々な問題を抱える住民たちの集まったグランドマンション壱番館、弐番館の建設に際し色々なトラブルが発生し始め…。叙述トリックの名手たる作者、各話とも趣向を凝らしてあり面白いが、さすがにマンネリに思えるし、トリックがお話にリンクしていないというか、大所の終盤の話のトリックにしてもよく考えると「なるほどね、マンションの特性を活かしたトリックだね」という気もするが、お話に有機的につながっておらずいたずらに読者を混乱させようとしているだけに感じられイマイチ…。容疑者などがつぶやく悪意を持った独白など、これはこの人の個性7日?全部同じに感じる…。
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1つの集合住宅のみを舞台にする、というミステリーの手法があるそうで。
最近ではドラマ『あなたの番です』が記憶に新しいけれど、本書もその手法だ。
初っ端から不気味かつ叙述トリックが効いていて、
ぼやっとしてると筆者の罠に引っかかる!と
全てを疑って慎重に読み進めたため、
逆に衝撃を受けなくなってしまった…
トリックや伏線はかなり綿密だが、やや既視感があり、
予想できた箇所もあったのが残念。
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面白かったが、提示されている謎の答えが分かる話も結構多かった。
民生委員の高田が事件解決のために動き回る話は、本筋と関係ない気持ち悪さがあって苦手だった(この人こそ問題ある人間なのに、と思ってしまって、素直に本筋を楽しめないというか)。そういう捻った感じが好きな人もいると思うので、好みの問題とは思うが。
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「グランドマンション一番館」でおきる不思議の数々。
まぁ、一番館っていうのがミソだよねって思っていたら…。
でも、この住人がなかなか手ごわいのである。
つか、マンションって普通、似たような家庭や収入の人が住んでないの?
って思うのは、私が田舎にいるからな…。
話がぐるぐるして、なんだかんだと着地するのが面白かった。
うん。
人生って、ある意味同じところをぐるぐるしているメリーゴーランドみたいなもんだもんね。
不思議と読後がほんわかしたのである。
全く、ほんわか要素なかったんだけどな。
なぜ??
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面白さはまずまず
古い集合住宅の1番館隣に新築マンション2番館が建設されることとなり、その建設を巡り1番館居住者のストレスが募って行くところから話が始まる
短編なのに、読み進めるとマンション内の住民があちこちに登場し始め、あらゆるところで事件が起きる。
最終的に、1番館は放火で全焼し残った住民は2番館に移り暮らし始める
2021/03/08 22:44
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「折原一」のミステリ連作集『グランドマンション』を読みました。
『漂流者』に続き、「折原一」作品です。
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「グランドマンション一番館」には、元「名ばかり管理職」の男、元公務員、三世代同居の女所帯から独居老人、謎の若者、はてはかなり変わった管理人までと、アクの強い人たちが住んでいる。
騒音問題、ストーカー、詐欺、空き巣──次々に住人が引き起こすトラブル。
そして、最後に待ち受けていた大どんでん返しとは……。
希代の名手が贈る必読の傑作ミステリー連作集。
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隣人問題、騒音問題、虐待、不法侵入、年金不正受給、振り込め詐欺、火事…… アクの強い住人たちが、これでもかとばかり次々に問題を引き起こす「グランドマンション一番館」を舞台にしたミステリ連作集、、、
奇想と騙りが炸裂する、不可解で愉快なグランドマンション… 叙述トリックの連続で、何が起きるかわからないドキドキ感が愉しめる作品でした。
■音の正体
■304号室の女
■善意の第三者
■時の穴
■懐かしい声
■心の旅路
■リセット
■エピローグ
■解説 杉江松恋
202号室に住む騒音に敏感な「沢村英明」は、真上の302号室に住む子どもの足音や赤ん坊の泣き声等の騒音に悩んでいた… 「沢村」の我慢は限界に達し、育児放棄や虐待を繰り返しているらしい母親に苦情を、、、
その後、子どもの生活感が全く感じられなくなり、子どもたちは母親の手で殺められたのでは!? という疑惑が「沢村」の頭に浮かぶ… 被害者かと思った人物が、実は加害者だったという、どんでん返しが愉しめる『音の正体』。
303号室の「松島有香」は、グランドマンション二番館の販売事務所に勤めており、所長の「大田原浩平」と二人で事務所をやりくりしていた… ある日、「牧野麻子」と、その婚約者「杉崎大介」が事務所を訪ねてきて304号室を成約、、、
その後、「有香」は、鍵の紛失、携帯の紛失、さらに、不審な電話と不穏な出来事が続き、そして、「麻子」が「大介」と「有香」の不倫を疑い、ある罠を仕掛けてくる… 「麻子」や「大田原」の住居について、意外な結末が愉しめる『304号室の女』。
206号室の「高田英司」は、高齢の母親「筆子」と暮らしていた… 彼は民生委員をやっていて、305号室に住む「久保田綾香」に想いを寄せていたが、ある日偶然、「綾香」の婚約者「立川茂樹」の浮気現場を発見し、その事実を善意の第三者と名乗り、手紙と証拠写真で「綾香」に知らせる、、、
さらに正義感の強い「高田」は、「綾香」の祖母「ミヨ」の年金不正受給を暴こうと、ある行動を起こすが、それによりある事実を知ることに… 叙述トリックを使って、30年の時間軸の差を巧く使った『善意の第三者』。
203号室の「瀬沼富男」は無職で家賃滞納中、ミステリマニアで多数のミステリ稀覯本を持っている「瀬沼」は204号室の老人「佐久田芳子」が多額のタンス預金をしていることを知り、ミステリ作品の密室犯罪を��考にしながら「佐久田」の金を奪うことを計画する… しかし、「瀬沼」は犯行を実行する前に自室で殺され、しかも、そこは完璧な「密室」であった、、、
「瀬沼」は殺される直前、警察に電話して犯人は管理人だと告げていたが、管理人にはアリバイがあった… 密室を扱うという本格ミステリのパロディっぽさが愉しめる『時の穴』。
105号室の「多賀稲子」がオレオレ詐欺で500万円を騙し取られ、続いて106室の「塩崎俊夫」が200万円を騙し取られ、301号室の「塚本ハル」のところにもオレオレ詐欺らしい電話があるが、「塚本ハル」は騙されず、逆に犯人を出し抜こうとする… 民生委員の「高田」は104号室の「岡安亮太」が怪しいと疑う、、、
意外な人物が犯人でしたね… 被害者かと思った人物が加害者だったという叙述トリックを愉しめる『懐かしい声』。
103号室の「武藤留子」は、突然、部屋を訪れた男を思わず殴ってしまった… その男は救急車へと運ばれていくが、その後、「留子」は男が落としたであろう鞄を拾い、鞄の中に入っていた手帳に書かれていた、ある少女の壮絶な日記を読むことになる、、、
叙述トリックを使って時間軸を錯覚させることで、謎めいた物語りに仕上げてある『心の旅路』。
105号室の「多賀稲子」は、窓のカーテンを開けると戦慄が走った… なんと、目の前にあったはずの「グランドマンション2番館」が消えてなくなっていたのだ、、、
「稲子」は痴呆が始まっており、他の住民と話がかみ合わない… そんな中、民生委員の「高田」が年金の不正受給で逮捕され、106号室の「塩崎」も事故に遭う。
「グランドマンション1番館」と「2番館」を誤認させるトリックと、管理人を誤認させるトリックの、二つの叙述トリックを愉しめる『リセット』。
『エピローグ』は、放火で焼失し、新しくなったグランドマンション1番館を売りに出している「大田原浩平」と「松嶋有香」の後日譚ですかね。
8つの物語の連作となっているのですが… 印象に残ったのベスト3は『音の正体』と『304号室の女』、『懐かしい声』かな、、、
そして、『時の穴』が次点かな… サクッと読めて、叙述トリックを堪能できる一冊でした。
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グランドマンションの住民たちの連作短編ミステリー。叙述トリックが効いてて私は結構好きな部類(*^^*)。それぞれのストーリーにぴりっと仕掛けが効いてて最後までワクワクして読み進め、ラストにそういうことだったのかー、と楽しく読めた。