紙の本
楽園ドバイの知られざる暗黒面
2009/07/12 22:57
12人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サトケン - この投稿者のレビュー一覧を見る
いい本を見つけた。
実に貴重なドキュメントである。
ドバイで投獄されて、同じUAE(アラブ首長国連邦)に属するアブダビ中央拘置所に4日間拘束、再入国禁止処置となりながらも、なんとか命からがら国外脱出に成功した日本人の一青年が書いた実話である。
勤務している会社が倒産したら、外国人労働者は在留資格を同時に喪失、ただちに投獄、なんていうことが、UAEでは「滞在法違反」で現実となる。恐るべき人権後進国なのだ。
どんな国でも、労働ビザが切れても1週間程度は滞在できる余裕があるものだが・・・
「ドバイよいとこ一度はおいで~」と煽るのは、観光関係者と投資関係者だけだろう。この日本人青年のような外国人労働者の立場から書かれた本は稀有なのではないか?
極端な体験かもしれないが、楽園の知られざる暗黒面も知っておいて損はないはずだ。
複眼的な思考は、とくに海外にかかわるものには求められるから。
2008年のリーマショックはドバイも直撃したと聞いている。しかし、この本はドバイの驚異的な面のみが強調されていた時期に出版された本だ。
普通の書店には置いている可能性が小さいので、bk1含めたオンライン書店での購入をおすすめします。
紙の本
4日で出られてよかったですね
2013/07/17 16:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くりんぐりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の移民(あるいは出稼ぎ外国人労働者)の環境って、世界でも稀に見るほど優遇されているのだな、と改めて気づかされました。
ドバイに行く飛行機の中でこの本を読みました。空港に下り立ち、発展したドバイの街並みを見て、なんとも言えない気持ちになりました。
滞在中、接した人の多く(商店の店員など)は外国人労働者でした。
その方たちが、この本で描かれたような生活を送っているのかと思うと、暗澹たる気持ちになりました。
自国民と外国人(労働者)をきちんと区別し、遇するドバイ方式。ドバイ方式というか、世界の国々ではこれが普通です。その程度、内容は適正かどうか、議論の余地はありますが、日本のように、在日外国人や外国人労働者を日本人以上に優遇するのは明らかに異常だと思いました。その国責任を持つのは国民だけですから……。
ドバイといえば、光の面ばかりが強調されていますが、作者が体験した負の部分も平等に報道されるべきだと思います。
とても不幸で、強烈な体験でしたが、4日間で出国できたことは本当によかったと思います(当時はいつ出られるかもわからなかったのでしょうけど)。
多くの方に手に取っていただきたい本です。
日本人にも読んでほしいですが、日本で安穏と生活保護をもらったり、祖国に家族がいるという名目で税金をまぬかれたり、某芸能人の親のように、医療費詐欺などをしている不貞な外国人に特に読んでほしい(まぁ、気にもしないのでしょうけど)。
投稿元:
レビューを見る
ドバイが理不尽なのはわかった。
そして、ともすれば筆者と同じような憂き目に会いうる国であることもわかった。
つまり、物質的にAdvancedであっても、
社会システム的にAdvancedかどうかは別の話であり
(ただし、社会システムにおいては多様性の問題・文化の違いといった方が正しいかもしれない)
そこを錯覚するな、ということだ。
まあそりゃそうだ、だって外国だもの。
で?
と思わせてしまうのは
あまりに筆者が薄いから。
まあどの書評でも叩かれている部分ではあるので割愛するが・・・。
投稿元:
レビューを見る
高級リゾート地ドバイで、
外国人労働者としてアラブ人の下で働き、
刑務所に入った日本人の珍しい体験記。
マスメディアではわからない、
ドバイの社会構造や実態がよくわかる。
アブダビ中央拘置所でのソマリア人やアフリカ人等
との交流を通して文化の違いや国際格差を考えさせら
れる。
ドバイを理解するための名著だし、
何より読み物として面白かった。
投稿元:
レビューを見る
「闇の子供たち」があまりに重いので、ということでお口直しにと一緒に貸してもらった本です。筆者的には大変なんだろうけれど、前に読んだ本の内容が内容なだけにホノボノしました。しかしホントとんでもない国ですね…。
中身的には本文用紙が厚いのか厚さの割りにページ数が少なく感じました。(あっさり読み終えてしまった/物理的に)
投稿元:
レビューを見る
砂漠の巨大オアシス。
表向きは華やかなドバイ。
しかし、それはオモテの顔。
陰惨な実態が浮き彫りになってます。
投稿元:
レビューを見る
ドバイドリームを願った人の壮絶な半年間のお話.
観光客と労働者としての、あまりにかけ離れた待遇.
こんな一面もあるんだな〜と教えてもらった.
投稿元:
レビューを見る
拘置所に入った初日はトイレ近くにいる囚人が臭いのためになぜ気絶しないのか不思議でならなかったが、人間は環境に適応できる動物なのである。
投稿元:
レビューを見る
・ドバイショックとは政府系不動産開発会社のナキールとその持ち株会社であるドバイワールドが2009年の11月に欧米の金融機関に対し390億ドルの負債に対する半年以上の支払猶予を求めたこと。これに対し、市場ではユーロが売られ、対外債権を異常なほど持つ日本の円が買われ、円高が進行した。
2009年12月には隣国であるアブダビから200億ドルの融資を受けた。
・7つの首長国から成り立っているアラブ首長国連邦の一国がドバイ。
・夏には気温が50℃を超すことも。
・命名法で、ビンは親父の、アールは祖父の名前のこと。そもそも名前のバリエーションが少なく、ムハンマドだのアリだの5種類くらいしか無いらしい。
・ドバイショックとは、ドバイ政府が欧米系の金融機関に対して政府系不動産開発会社である「ナキール」と、その持ち株会社である「ドバイ・ワールド」の債務590億ドルに対して半年間支払いの猶予を求めたことに端を発し、欧米系の銀行の焦げ付きを懸念した投資家からユーロが売られたこと。円高もこれから来ている?
・ジュメイラ・ビーチの人工島に建設されたブルジュ・アル・アラブが有名なバナナ型のホテル。
・ブルジュ・ドバイが世界で最も大きな人口建築物。
・砂漠なのに人工スキー場まである。
・渋滞で有名。
・人口226万人のうち、90%が外国人。ほとんどが出稼ぎ労働者。
投稿元:
レビューを見る
へー、という感じだが、割とさらっと読めて良い。
本に記載があるほど、パキスタン人は悪い奴ばかりでもない。
投稿元:
レビューを見る
彩図社のこの手の本は数ページ読んでやめる物が多いけど、この本は普通に面白かった。展開も映画のようで良かったです。ただ、行きたかったドバイへのイメージは変わってしまった。
投稿元:
レビューを見る
オーバーに書きすぎている、と思う点が多かった。
実際、ドバイはこんなにひどくない。
読み物としてはおもしろかったけれど…
投稿元:
レビューを見る
希望の国ドバイの赤裸々な姿がたくさん描写されています。
作中には海外では日本の常識が通じないってところがこれでもかってぐらいあります。
中央監獄所に入れられてる話、またその入れられた理由なんかがとんでもないなぁと思います。
投稿元:
レビューを見る
アラブ首長国連邦で働いていた会社が閉鎖したため、突然不法滞在扱いになって収監され、強制送還された作者の実話。UAEの社会の不条理さを切々と愚痴っていて、申し訳ないがいろいろ笑える。個人的に仕事でUAEとの関わりが強いので、興味深々で読んだ。面白かった。
前半は、ドバイの暑さや経済発展、文化的背景など、ドバイで働く作者の奮闘の様子が描かれている。後半は、アブダビ拘置所にぶち込まれたあとの、囚人たちとのやり取りや待遇などが面白おかしく書かれている。後半の拘置所の中の各国の囚人の様子や支配関係が醍醐味。
作者は今、日本でどうしているのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
何とも言えない後味の悪さはどこから来るのか。。最初から、軽い理由だけでドバイ行きを決めたとあり、最後もどうしてこんな事態になったのかを検証することも無く、軽いノリで終わってしまう。軽い気持ちで、ちょっと冒険ができたので本でも書いて話題を作ろうか、という印象を持ってしまう。北大理学部を出て、TOEICもそこそこで、シンガポールでは専門分野の会社で働いていたようなのに、何を思って「海外で寿司職人」なのか、それも3週間の養成コースで。。
ドバイについて書かれている内容も、見方が甘すぎるもの、浅すぎるもの、間違っているもの、適当に面白く書いておけば、というような印象を持ってしまう。