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映画を見てから原作を見たが、リーマンショックの引き金を起こしたサブプライムローンの仕組みを非常に分かりやすく解説すると同時にそこで実際に何が行われていたか生々しくつづっている。崩壊に賭けた人は決して運よく勝てたわけではなく、きちんとしたロジックに基づいて崩壊に賭けているのが興味深い。周りに流されずに自分の頭で考え続けることが成功に繋がっている。あとは金融ってモラルが求められるはずなのに、実は人のお金で商売するので、最終的には無責任になるんだなーと思った。本当の崩壊というのは数十年に一回の単位で発生するので、前例主義が当てはまらないこともよくわかった。
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去年だったか海外出張の際に機内で途中まで観た『マネー・ショート』の原作。著者は『マネー・ボール』のマイケル・ルイス。サブプライムの証券化の胡散臭さにいち早く気付き、その破綻に賭けた3人(3グループ)の勝ち組を追ったノンフィクション。「勝ち組」とはいえ、それぞれが訳ありな生い立ちを歩み、その人生観を反映してか、投資銀行、金融市場、格付け機関に対する不信感や疑念が彼らの行動の原動力になっており、市場や投資銀行の破綻が実現しても暗い影を落としており、金融市場に対する鋭い問題提起となっています。およそ10年前の話であり、私もリーマン・ショックの煽りで転職活動が苦戦したので、色々と思い入れを持って読み進めました。読み応えあるので、債券市場や証券化に関心ある方にオススメですが、それ以外の方も楽しめると思います。
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本作は読んだというか流し見たと言った方が正しい。本作を原作とした映画を観ようするも観入る事が出来なかったので、原作を見てみることに。これが間違いかも。
この本は金融業界(特に証券)に詳しくない限り、(単語に経済に)理解することが難しい。まず、話は小説調ではなく、事実を淡々と述べている。文章は読みやすいものの、どこが起点だったり重要な点、転機となった点かがわからない。これは訳者が素晴らしいものの、あくまでも洋書だからという理由のように感じる。
あとは文章量。450ページくらいあって、かなり多い、、、
※ 映画『マネーショート』を観たあとの感想 ※
本小説は映画化されており、そちらを観るとかなりわかりやすい。おそらく、空売りの仕組みを理解していれば、難解な単語は住宅ローン・サブプライムローン、ペーパーアセットに関連したものだと理解できる。
金融業界に属していない方にはまず初めに映画を視聴されることをお勧めする。
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サブプライムローンに端を発する、2008年のリーマンショック。
この金融危機によって資産を失った人も少なくないはず。でも、失う人がいれば、かならず得ている人もいるというのが金融の世界の掟。
こんな未曾有の危機の中を切り抜けて、実際に資産を大きくした3人のツワモノたちのリアルストーリー。最終的に多額の資金を得たにもかかわらず、何やら結末は決してハッピーエンドではなかったような。。。
そんな、実際にあった話しを「マネーボール」で知られる著者が丹念なヒアリングを元に書き起こしたノンフィクション作品。小説としても面白いが、金融知識を補完する意味でもとても勉強になる一冊。
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◆多くの機関投資家ですら多額の損失を被ったサブプライムローン危機。しかし、この災厄をチャンスに変え、利益を出した猛者がいる。本書が紡ぐのは、そんな一癖も二癖もある金融屋たち◆
2013年(底本・原本2010年)刊。
◆「マネー・ボール」の著者が、サブプライム・ショックに際し、下落によって利益を得る逆張りを画策し、巨額の富を得たディーラー達の模様を叙述するノンフィクション。
逆張りで成功した彼らは、一見変人にも見える。が、実は左程でもなく、むしろ、サブプライム債の価格上昇で儲かると見込んでいた多くのディーラーやそれに群がった投資家らの方が、余程迂闊で奇矯な存在に見えてくる。そんな読後感だ。
そもそも格付会社が信用ならん存在なぞ、何故知らないのか?。
また融資(ここでは住宅ローン)。それにはおよそ焦げ付きがあり、また住宅ローンであれば、その金利設定は借主の信用力とは関係がなく、長プラなどの外的指標に左右されている可能性を考えれば、短期の売抜けは兎も角、その毀損が暴露して不動産価格バブルが崩壊し、金融機関=貸手が痛むこと、それをオフバランスし、貸倒れの危険というリスクを外に押し付ける算段でしかないことは理解できそうなものを…。
一方、そのリスクに関して、サブプライの内部の構成債権の信用力まで、現地調査=担保適正を調査した人物。それゆえ信用力が出鱈目であることを早期に見抜いた眼力。当たり前のことを当たり前に行ったこと(まぁ、金融機関の悪どさを内部にいて熟知していたことが大きいが)の意味を十分感得出来る。
他方、サブプライム債が近い将来破綻することを見越し、ドイツ銀行に対して、サブプライムが破綻することを保険事故とする保険の設定(当然、ドイツ銀行には定期的に保険料を支払う)したケースも示される。
が、そもそもその新規の保険設定を交渉で成功させた交渉力、それを迂闊にも実行したドイツ銀行(ただし、一部はそのポジションをサブプライム破綻前に、第三者に売却している)。かように保険構築の柔軟性に舌を巻く。日本の証券会社・金融機関・保険会社では短期間でそのような保険の設定を成しうるか。その巨大さとスピード感に圧倒されたのは否定できない。
なお、オプション価格設定の公式として著名な、ブラック・ショールズ方程式が、長期オプションにおいては乖離が激しくなるという点には注目しておくべきか。
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マイケル・ルイスがサブプライムを題材にして書いたノンフィクション。
テーマ的に難解になってしまうのは仕方がないところ。
CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)はスワップションの一種と思っていたが、要は債権のデフォルトに対してかける保険という言い方はわかりやすくて勉強になった。
ある意味勧善懲悪的ではあるが、結局投資銀行のほとんどは存続しており、事実はドラマのようにスッキリはしないものだと思い知らされる。
儲けたときは自分の手柄、大穴を空けたら社会の責任というウォールストリートの厚顔無恥なポリシーがOccupy Wall Street運動を引き起こしたのだと納得。
その他学び:
良く精査して正しいと思ったらそちらに賭けるのは大きなリターンを期待できる、が正しいことが実現するのには自分が思う以上に時間がかかる。その為には忍耐とそれを支える資金が必要。別の言い方をすると何が正しいかは比較的わかりやすいが、それがいつ実現するか予測するのは難しい。今でいうと日本国債の暴落はいずれ起きるが、それがいつか予測するのは難しい。
ブラックショールズモデルは正規分布を仮定するが、暴落・暴騰の発生の仕方は正規分布に従わない(カタストロフモデルに近い?)のでそういうものに対するオプション価格は割安になる
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レビューはブログにて
https://ameblo.jp/w92-3/entry-12416702134.html
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・安倍政権は1000兆円にもなる国家債務を返す当てもないまま、さらに国債を発行し、大規模な公共事業を約束している。日本国政府はまるで借金が膨張していくことを気にも止めていないようだ。それにも拘らず、日本国債の値段は下がっていない。日本の銀行が、他に融資先がないので買い続けているからだ。しかし、こんなことが永遠に続かないのは明らかだ。いつか破綻するのだが、問題は、それが「いつか」ということだけである。アメリカの不動産バブルの崩壊を予測し、CDOをCDSで空売りして大儲けしたヘッジファンドのいくつかが、今度は日本国債に狙いを定めはじめているようだ
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難解な部分が多かったが、リーマンショック時に大成功を収めた各投資家のエピソードがかなり詳細に記されていたので非常に面白かった。
登場するそれぞれの投資家の個性の強さ・能力の高さは1級のものだった。
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モーゲージ債: ローンをかき集めて証券化したもの.リスクとリターンを階層別に切り分ける
サブプライム:劣位
誰かの人間の資産は誰かの人間の負債→モーゲージ債はこの負債をこねくり回して証券化 流動性が高まり効率性が生まれ負債を抱える側も低金利でローンを借りられるようになるという一見するといい話
→経済の発展って「貸し借りの発展」なんだな
主人公のアイズマンは裏表がなく,ある意味”空気が読めない”ところがあるけど
他人に流されず,自分で考える力を持っているとも言える
金を貸す銀行側が正常な判断ができなくなることはある 少し前だったらスルガ銀行がいい例.返済能力が行き詰まる融資を見つけたらそれはいずれ弾けるバブルなんだなあ.歴史は繰り返す
ブラックスワンにかけることは,痛みを伴う.
モーゲージ債の保険(CDS)の保険料,プットオプションのロング
”欲に訴える手がダメなら,次は不安を煽る”
なぜ格付け期間は爆弾見たいな債権に最高評価をつけてしまったのか
・格付けがザルであることを格付けさせる側(投資銀行)が見抜いてそそのかした
・消費者の信用度評価に用いるスコアがザルだった.
車の運転経験がゼロの人に,「この人は事故を起こしたことがない」とゴールド免許を発行する 見たいなスコアリング
具体的には出稼ぎのために移住してきた人(ローンを借りたことがないから当然ローンを焦げ付かせたこともない)に高い信用度をつけた.
意思決定で大事なことって「未知をなくす」ことだなあ
こういうブラックスワンでチャンスを掴むには
・世の中は案外合理的ではないという認識(外見はまともでも中身が杜撰で付け入る隙があるものが存在する)
・人の話を鵜呑みにしない懐疑心
・自ら真実に到達しようとする好奇心,執念,頭脳
・その日が来るまでメンタル・フィジカル(資産)がダメージを受けることになろうともブラックスワンが来るまで耐え忍ぶ忍耐力と余力
が必要,それを行動に反映する大前提として「自分は無知である」という謙虚さが必要.傲慢になったらそこで終わり
タレブみたいなひとがいっぱいでてくるし、みんな自分の行いが報われるまで物凄く「何か見落としているんじゃないか」と葛藤している。
ブラックスワンにかけるというのはその日が来るまでは報われない苦しみを避けられないらしい。
鶏小屋の鶏1000羽が「明日も餌をもらえる」と思っている中、自分だけ「明日は七面鳥にされる、今夜にでも逃げ出そう」と考えているように。
サブプライムの崩壊にかけていた人も終盤「金融そのものの崩壊」というリスクには振り回されたっぽい
いくら保険を買ってもその保険を支払う能力が相手になければその契約は意味ないもんな
”投資銀行の経営陣が,自行には十分な流動性があるという時,それは例外なく,流動性がないことを意味する”
→外見を取り繕うシグナリング 言葉だけじゃなくて行動でも
稀な事象ほど,発生確率���低く影響も小さいと誤解されがち.
ー>誰も見向きもしなかったプットオプションが暴落を機にとんでもない価値を持つようになる.
筆者は最後に,買っても負けても莫大な報酬が支払われるウォール街のシステムを避難している
今回のシステムの崩壊にかけた人はもちろん,今回のシステムの崩壊に加担する側の人間も雇われ先から数千万ドルの報酬を得ている
多分その仕組みは今も変わってなくて,タレブのいうSkin in the gameではない,ということだろう.
頑張っても報われない世界もあれば頑張らなくても(成果が比例しなくても)勝手にお金が入ってくる世界もある
そういう意味で世の中は公平に作られていないということをもっと早く知っておきたかった.
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銀行員3、4年目の時に上司におすすめしてもらい読みました。この本を読んでいない先輩よりは「リーマン・ショック」「空売り」「CDS」「サブプライムローン」と言った用語についても自分の言葉で話せるようになったと思います。
リーマン・ショックについてほとんど無知の状態で手に取りましたが、ストーリーが面白く、手に汗握りながら、ワクワクしながら一気に読み進めました。
知ってるようで知らない「リーマン・ショック」についてキャッチアップ出来ます。
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まだ記憶に新しい、2008年の金融危機 (日本でいうリーマンショック) を扱うノンフィクション。 好況に沸くウォール街で繰り広げられるマネーゲームを冷静に分析し、その先行きを正確に見通した男たちがいた。彼らはどのようにして、サブプライム・ローンのまやかしを見抜き、その破綻に賭け、そして巨額の利益を得ることができたのか。なぜ多くの人々が、破滅の瀬戸際までこのローンの危うさを見過ごしていたのか。 3組のグループの足跡を追いながら、金融危機に至るまでの顛末を描く。
まさに小説より奇なる展開と、解説の分かりやすさで、一気に読んでしまった。 ローン発行会社、銀行、投資ファンド、格付け機関、それぞれがライバルを出し抜き、利益を生み出すためのトリックを駆使したあげく、作り上げた複雑なシステムは現実と乖離してしまう。 ウォール街からは、実際にローンを借りている人々の姿が見えていなかった。 渦中にいて外からの視点を失うことの危険性。 それが忘れられた頃に、バブルは何度でも繰り返され、その度に破綻に至るのだろう。
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GFCの爆心地がどこだったのか、なぜあそこまでの金融危機となり得たのか、世間に逆行して住宅市場をショートできた賢人たちがどのようにその決断に至ったのか…
それらが非常にわかりやすく、かつ飽きずに読み続けられる良書だと思います。
市場が間違っていて自分は正しいと確信できるだけの分析力と、莫大なショートポジションを維持したその胆力は想像を絶するものがありました。
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マイケル・ルイスの本、はじめて手に取りましたが、予想をはるかに超えて面白かったです。2008年に引き起こされる世界金融危機の発端となるサブプライム・モーゲージ債。これが貸し手の金融機関と借り手(所得の低い米国人)の間だけでしたらここまで被害は大きくならなかったのでしょうか、いわゆる投資銀行と呼ばれる連中が、錬金術をはじめるわけです。しかもタチが悪いのが、錬金術をはじめた投資銀行のトップが、事態を全く理解しておらず、S&Pなどの格付け機関もその金融商品(CDSやCDO)について理解していないのです。
本書では、この錬金術に気づいた極めて少数派の人々が、その人物像も含めて丁寧に描かれており、とても興味深く読みました。また複雑な金融商品についても、素人にもわかりやすい説明がされているので、すらすら読めました。本書にも書かれていますが、金融機関の人々は、あえてわかりづらいネーミングをします。ですから金融商品の名前は額面通りに受け取るのではなく、自分で名称をつけてしまう方が賢いやりかたでしょう。米国の投資銀行、そして格付け機関も共犯者と言っていいと思いますが、世界経済を破綻寸前においやった人々の実話と、それに立ち向かった(逆張りした)少数の人々(本書の主人公)の物語は、これからも語り継がれていくべきだと思いました。
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映画を先に見ていたので、話が理解しやすかった
事実は小説よりも奇なり...!
ビル・ミラーとアイズマンが話すシーンとか、そんな出来すぎたことが起こるかねっていう気持ちになった
マイケル・バーリが気の毒すぎた、懸命すぎた余りに非難されるなんて、現代の魔女狩りじゃんね
金融業ってひっどいなあと思ってしまった、、、