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物語の最後までは了解しやすい世界。最後の部分で読者の感性が求められるのかな。
作家がどういうモチベーションで作品を作るのか,作品を通して何を表現したいのか。明確なものがあるかもしれないし,ないかもしれないな。
表題作他,3編。
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なぜ芥川賞に選ばれたのか疑問。自分が読んだ本谷有希子作品のなかではダントツに最下位。ぬるい毒の足元にも及ばないと思う。なんでこの作品?審査員の人に問うてみたい。
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本谷有希子さんの作品は恐らくほぼすべて読んでいるけど、これはなんだか新しいジャンルのような気がします。
成熟しすぎた自我のうにうに系の話ではない。でもやっぱり本谷有希子さんらしさは残っていて、依存、その中での共存とかはテーマだったりする。
夫婦。人間が親でも家族でもない他人と家族になる時。自分の中で壊れていくものと、産まれていくものがある。それを拒もうとすると多大なエネルギーが必要だったりして、楽じゃない。かといって、どこまでも拒まずに受け入れ続けていくと、知らない自分に行きついてしまいそうで怖い。
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本谷さん、芥川賞受賞おめでとうございます!
読みやすく、面白かった。
異類婚姻譚??なにそれ?本谷造語?と思いきや、かえるの王さまとかそういうハナシのことを言うんですね。
結婚前のため、いいタイミングで読んだんじゃないかと。このハナシはやっぱり異類婚姻譚なんだけど、このハナシを薄めた状況はわたしたちの周りでゴロゴロと転がってる。
前撮りでヘアメイクさんにお二人似てらっしゃいます〜と言われたのを思い出してちょっとコワい。
結婚によって、わたしと彼がお互いを食い合う、蛇ボールでさいごには元のわたしも彼いなくなってしまう。
うーん、考えさせられました。
他の短編の中では犬たちが一番不思議面白かった。
犬たちに名前をつけるトコロ、
『お持ち帰り』キャンキャン!!キャン!
とても愉快でした。
トモ子関係はちょっとくどい感じもしました。
装丁の可愛さ二重丸!!!!
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「異類婚姻譚」夫妻の顔がだんだん似ていく。これが文字通りとなると少しホラー染みた怖さを感じる。サンちゃんと旦那のやりとりが何とも不思議、そして夫の無気力さに溢れている様子は何を象徴しているのだろうか。また、顔が似てくるということの意味が何なのか?理解しづらかったが、何かあり得そうな説得性がある、どこか考えさせる気になる作品だ。
「藁の夫」は平安に満ちた新婚の2人だったが、極めて短時間の状況変化を通して人間の本性の怖さが的確に表現されている。
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久しぶりの本谷さん作品。
何で芥川賞を獲ったのか不思議。
さながら乙一さんが書いてるような作風で本谷有希子色が出てなかったもので。
ファンタジー?
夫婦似るのは良いけど、似過ぎて混ざり合うのはいかがなものかと。愛してる人とは一つになりたいけど、限度があるよね。
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「似た者夫婦」というけれど、まさか混ざってしまうとは。 不思議な話だけど、あながちただの妄想にも思えない。
本当に混ざっていってしまうのかも知れない。
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「夫婦の顔が似てくる」というのは、お互いのライフスタイルや価値観が似通ってくる、など、ふつうは結婚する夫婦が望んでいることでもあり、微笑ましい姿なのではないか、と思う。
けれども、この本ではまず旦那に似てきた自分を「なんだか薄気味悪かった」ととらえている。いっぽう、時を過ごしても似てこない夫婦や、逆に似ていたはずの夫婦が似ても似つかぬ他人に戻ることもあることを描写している。
この本の中で、主人公の「サンちゃん」は何となく結婚して専業主婦になり、日常を送るのだけれど、島流しのようでありながら穏やかな平安の中で過ごしているような感覚を覚える。しかし、あるときから、夫はなぜか会社を早退して帰り、家事をするようになる。自分に対してかいがいしく揚げ物を作ってくれたり、洗濯物を畳んでくれたりするのだが、そんな夫に対し、サンちゃんはとうとう今まで自分の中にたまっていた本音をぶつける。すると・・・。
この「妖しげな」クライマックスのまとめかたはよいのです。が、情景のドラマチックさとは裏腹に表現しようとする「何か」がぼやけてしまったような印象がありました。
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読みやすくて面白かったです。表題作は芥川賞を受賞。夫婦は長年連れ添うと顔が似てくるという説をモチーフにしていますが、自己と他者の境界や、他人を理解することは可能か、といった命題を扱っていると思います。異類婚姻譚とは、民話や昔話の研究でよく使われる言葉で、命を助けられた動物などが人(多くは女)の姿で助けた男の前に現れて生活をともにする話です。この作品で妻が専業主婦なのも、妻は人ではないと思わせるためかと(読んでいくうち受ける印象が変わってきますが)。結婚とは、まさに異類婚姻譚なのかもしれません。
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この結婚は失敗だったんだろうか。
どんどん自分がなくなっていくと同時に顔もだんなに似てきて(魚に似ている)揚げ物ばかり食べされられて…
この小説を分類しるとホラーになるのではないだろうか…。
顔がゆるんで口と鼻の位置がずれてきたり、それをあわててなおしたりってのがおかしい。
同じマンションに住むキタエさん、家のいたるところにおしっこをしちゃうってのも困るけど山に捨てるという発想がホラー。
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夫婦がだんだん似てくるというのは微笑ましい良い意味で使われるのだろうが、この夫婦はまるで違う。
人ではない何か、異形へと向かいこの先どうなってゆくのかと不安な気持ちを煽る。
考えることさえ面倒で嫌がる夫、毎日大量のフライを揚げる夫、コインのゲームをやめない夫が薄気味悪かった。
「藁の夫」は同じ夫婦のカタチを描いたものでもぐっとくるものがある。
藁に火をつける自分を想像までしたトモ子だが、ふと我に返り楽器を藁の中に戻してゆく姿に安堵感を抱いた。
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??
私にはあわなかった、よくわからなかったです。
やっぱり文学賞モノはあわないみたい。
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夫婦がどっぷり似ていく過程、しかし互いに知らない面もあったり、自分を守り通したいところもあったり。
蛇ボールの例えが秀逸。
短編は、少しわかりにくかった。
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第154回(平成27年度下半期)芥川賞受賞の表題作を含む4編を収録。本谷さん初読み。さらけ出し、溶け出し、蛇ボール(ウロボロス)と化す夫婦。「俺さあ、最近山とか自然が、なんか気になるんだよねえ」。変わることを望み、人でなし=人ならぬものに変化する夫と、変わることを拒み、自分を取り戻す妻。猫を山中に「逃がす」話を含めて、印象に残る作品ではある。
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もともと本谷さんは注目していた作家さんなので、芥川賞は今更という思いでしたが。
ややもすると妙に思える似ているという夫婦のかお。
他人の中の他人のはずなのに、怖いというか不気味。
山の中に逃がしてやるネコのこととか、
山芍薬とか。
この世は切なさとかなしさとほんのちょっとの苦笑いで出来ている。