投稿元:
レビューを見る
三冠達成おめでとうございます。
凶暴さがなくなった、と言われたそうですが、
確かに芥川賞候補になっていた過去の作品にあったような「最後に大暴れ」の展開はなく、
終わりがない日常の一部が、静かに切り取られてあった。
むしろ川上弘美とか多和田葉子のような妖しさ、艶めかしさがあって、
あんなにムチャクチャだったあの娘たちもなんとか生きていく方法を見つけたんだな、と、
昔読んだ小説の主人公たちに、勝手にシンパシーを感じたりした。
変わったのは「凶暴さ」だけではなくて、
フラストレーションをただぶつけるだけだった彼女たちが、
「聞き役」に回っていることもそうだろう。
昔の彼女たちの側にはいつも家族や恋人がいて、
生温かい目で見つめるその人たちに、なんだかんだ救われてきた。
今度は彼女たちが、誰かを救う番なのだろう。
投稿元:
レビューを見る
芥川賞だったんだと読み終わって気づく。
よくわからないけど、一気に読める面白さを持っていた。よくわからないけど、この発想はすごいなと思ったし、本谷さん自身に興味を持った。
そういう意味では良い本なんだと思う。
投稿元:
レビューを見る
芥川賞受賞作ということで読んでみた。
最初は、特に進展がわからず面白さを感じなかった。
しかし、後半はどんどん話が進展して行った。
少し怖さを感じた。
投稿元:
レビューを見る
第154回芥川賞受賞作。別に芥川賞受賞作は全部読んでるというわけではない。むしろ、ほとんど読んでいない。調べてみたら、第75回(1976年上半期) - 村上龍「限りなく透明に近いブルー」以来読んでいない事がわかった。若い頃は自分のリズムに合わなくても読み通せたけど、この約40年間は、自分の気に入った文章だけを時には繰り返し読んできたわけだ。(何をかいわん)。本作を読んでみたのは、齢60を超え、まさに「耳順(六十にして耳順(したが)う)」 に至ったんでしょうかねぇ。
本作は、日常生活の中での何気ない違和感、自分のアイデンティティの不安定感を主婦らしい感性で捉え、軽妙な文体で表現した佳作。表題作以外に「<犬たち>」「トモ子のバウムクーヘン」「藁の夫」の3編が収められているが、基本を流れるトーンは同じ傾向の作品。それなりに楽しめます。
投稿元:
レビューを見る
(2016/10/6読了)
本谷さんってこんな感じの話を書く人なのかな?
オカルト?私には理解できなかったなぁ。
特に、バウムクーヘンは、全くわからない。
最後の藁の夫は、読んだ記憶が蘇って(変愛小説・アンソロジー)最後まで読まなかった。
もう、タイトルが気になっても、本谷さんの本を手にとるのはやめよう。
(内容)
子供もなく職にも就かず、安楽な結婚生活を送る専業主婦の私は、ある日、自分の顔が夫の顔とそっくりになっていることに気付く。「俺は家では何も考えたくない男だ。」と宣言する夫は大量の揚げものづくりに熱中し、いつの間にか夫婦の輪郭が混じりあって…。「夫婦」という形式への違和を軽妙洒脱に描いた表題作ほか、自由奔放な想像力で日常を異化する、三島賞&大江賞作家の2年半ぶり最新刊!
(目次)
異類婚姻譚
〈犬たち〉
トモ子のバウムクーヘン
藁の夫
投稿元:
レビューを見る
「異類婚姻譚」
相手の向こうに透けて見える自分と対峙してるのだと思った。
「犬たち」
静かに雪が降り積もる情景が浮かぶ、綺麗なお話。だけど不穏。
投稿元:
レビューを見る
芥川賞受賞作。日常の中で気づかないうちに潜んでいる、作られている毒。読み進めていくうちにホラーではないのにぞくぞく怖さを感じる作品。
他の著者の作品も気になる。
投稿元:
レビューを見る
図書館で。一日で読み終わりました。不思議な空間をぞくぞくしながら、『あ、わかる。』って思う瞬間を感じながら物語の中をふわふわ浮かびながら読んでいたような、感じです。
投稿元:
レビューを見る
第154回(2015L)芥川賞
中編・異類婚姻譚(受賞作) 他
・<犬たち>
・トモ子のバウムクーヘン
・藁の夫
何か違う。
投稿元:
レビューを見る
日本経済新聞社
小サイズに変更
中サイズに変更
大サイズに変更
印刷
芥川賞に滝口、本谷氏 第154回、直木賞は67歳 青山氏
2016/1/20付日本経済新聞 朝刊
第154回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が19日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞は滝口悠生氏(33)の「死んでいない者」(文学界12月号)と本谷有希子氏(36)の「異類婚姻譚(たん)」(群像11月号)に、直木賞は青山文平氏(67)の「つまをめとらば」(文芸春秋刊)に決まった。
記念写真に納まる(右から)芥川賞に決まった滝口氏と本谷氏、直木賞の青山氏(19日、東京都千代田区)
記念写真に納まる(右から)芥川賞に決まった滝口氏と本谷氏、直木賞の青山氏(19日、東京都千代田区)
2月下旬に都内で贈呈式が開かれ、受賞者には正賞の時計と副賞100万円が贈られる。
滝口氏は東京都生まれ。2015年「愛と人生」で野間文芸新人賞を受賞。「死んでいない者」は通夜に集まる親戚間の会話が視点を変えながら展開する。芥川賞選考委員の奥泉光氏は「人物像がくっきりと描かれ、独特の語りの世界を高く評価した」。記者会見で滝口氏は「小説はどういう風にも語れるもの。語りの融通無碍(むげ)な力を信じて書いた」と話した。
本谷氏は石川県生まれ。劇作家として鶴屋南北戯曲賞、岸田国士戯曲賞を受賞。14年、小説「自分を好きになる方法」で三島由紀夫賞を受けた。
「異類婚姻譚」は軽妙で毒気のあるユーモアを交え、夫婦の不思議さをファンタジー風につづる。奥泉氏は「説話の構造を現代小説のなかに生かし、夫婦の不気味な関係を巧みに描いた」と評価。会見で本谷氏は「書き続けることは作家にとって大切な資質。それが自分にあるかこれから試される」と述べた。
青山氏は横浜市出身。11年、時代小説「白樫の樹の下で」で松本清張賞を受けた。「つまをめとらば」は江戸時代の武家の男たちを主人公にした短編集。自立した道を歩む女たちの姿を通して、男たちの惑いや弱さに光を当て、直木賞選考委員の宮城谷昌光氏は「知的でユーモア、爽快感がある」と評した。
直木賞史上2番目の高齢での受賞となる青山氏は「年齢は関係ない。書いていくかぎり、もっとよい作品を書いていきたい」と力を込めた。
このページを閉じる
NIKKEI Copyright © 2016 Nikkei Inc. All rights reserved.
本サービスに関する知的財産権その他一切の権利は、日本経済新聞社またはその情報提供者に帰属します。また、本サービスに掲載の記事・写真等の無断複製・転載を禁じます。
投稿元:
レビューを見る
とりあえず、受賞作のみ読了。
ほんと結婚して他人が共に生活し続けるって何だろう。なんて思ってたとこで、この作品と出会えて、よかったのか悪かったのか。
不思議な感覚の内容にすっとのめり込めたが、薄ら寒いぬめぬめした気分の終わり方。
私も自分では気づかないうちに顔がだらしなく崩れてるかもと思った。
やっぱり好き。本谷さん。
投稿元:
レビューを見る
専業主婦の私は、ある日、自分の顔が
夫とそっくりになっていることに気付き…。
「夫婦」という形式への違和感を軽妙洒脱に
描いた表題作のほか、自由奔放な想像力で
日常を異化する全4編。
なんだかよくわからない感じだった。
投稿元:
レビューを見る
気持ち悪いし不気味だし、でも途中で笑っちゃうとこもあったし。夫婦ってこうゆうことなのかなぁとか。不思議な感情がたくさん感じられた。なんか怖い部分もあるけど、あー、それならそれでいいや。と思ったり。本谷さん好きだし。はじめは会話の流れがちょっと違う感じで、でもそれを乗り越えたら一気に引き込まれるように世界に入っていった。すぐに読み終わっちゃいそうでもったいなくて、2日に分けて読みました。何も考えない生活。怠けるとは。どっちがどっちかわからなくなってくる恐怖。天ぷらが美味しそう。チャリンチャリン貯金するゲームの音。何かに依存する事での現実逃避。人が何になりたいか。わからないけど、人じゃなくてもキラキラしてたら嬉しいんだろうな。
投稿元:
レビューを見る
柔らかい文章で読み易くはある。
ただ、ふんわりとした文章にべったりとした気持ち悪さ、薄気味悪さが潜んでいて、この本はそこに魅力があるのかもしれないが、どうやら好きになれない。
何となく、『爪と目』を思わせる。
投稿元:
レビューを見る
キャラクターの誰にも魅力が無いのがすごい。ヌメッと気持ち悪くて、でもドライにローに話が続くので嫌悪感はそこまでなく。意外な結末に最後はちょっとぽかん。