紙の本
ロマンティック・コメディー
2011/10/01 21:46
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BH惺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
シェイクスピアの喜劇は初めて読みましたが、やはり悲劇とはまったく違った印象でした。
喜劇というと、ドタバタコメディーを連想するけれど、今作は2作とも幻想喜劇といった印象。なぜなら、「妖精」が重要キャラクターとなっているので。
「夏の夜の夢」
とってもわかりやすかった! 妖精パックの魅力全開で。
妖精王・オーベロンと女王・タイターニアの犬も食わない夫婦喧嘩のとばっちりを受けた、人間界の2組のカップル。
妖精パックがオーベロンから依頼されて、2組のカップルのうちの一人にまちがって惚れ草を与えてしまったのだから、もう大変!!
登場キャラたちの面白可笑しい受難?の数々が読んでいて楽しい。 恋人が惚れ草のせいで別のカップルの相手に浮気してしまったり……と、もう混戦状態!あわや決闘騒動となる……というところで、妖精王・オーベロンの機転で無事ハッピーエンド。
「あらし」
「テンペスト」というタイトルが一般的ですよね。
これは……人間関係が込み入っていてややこしくて、自分的に読むのが少し辛かったです。
弟の陰謀で領地を奪われ島流しに遭ってしまった主人公・プロスペローの一種の復讐譚。
冒頭の嵐に巻き込まれる船のシーンからして一気に作品世界に引き込まれる!! その嵐も実はプロスペローと、彼の大切な相棒である妖精エ―リアルが仕組んだもの。
紆余曲折あって、プロスペローは自分に酷い仕打ちをした弟の罪を全て赦すのだけど、その時の心情を語る言葉が印象的。
「大事なのは道を行うことであって、怨みを霽らす事ではない」
プロスペローの心に吹きすさび荒れ狂っていた嵐は今まさに静まり、穏やかさを取り戻す。この心情の吐露の描写が秀逸。
で、このプロスペローとエ―リアルの固い絆で結ばれたコンビがまた最高です。なのでラスト、事を成就したプロスペローが、ようやくエ―リアルを自分から解放してあげるシーンが余計に悲しかった。
シェイクスピア最後の作品ということで。最後の最後、「自分を自由にしてくれるのは観客の皆さまなので、たくさんの拍手をもってこの身の枷を取り除いて欲しい」と、彼の分身ともいえるプロスペローに語らせるエピローグがぐっと胸に迫りましたね。
演劇の世界から心おきなく引退したいというシェイクスピアの洒落た演出を見た思いがしました。
紙の本
テンペスト
2018/05/08 07:19
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽんぽこ仮面 - この投稿者のレビュー一覧を見る
改版するなら「あらし」は「テンペスト」に改めたほうがよかったんじゃないかと思うけど、味わいの異なる2作のカップリング、解説も丁寧で読み応えあります。
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シェークスピア初読み作品。母推薦(笑)。おんなじよーな名前の人がぎょーさん出てきて解りづらいですが最後に大団円!で括られるところを見るとシェークスピアって天才なんですね(…また陳腐な)
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なんだこれ的な展開で始まっていつのまにか終わってしまうが、どことなく書かれた時代を感じる夏の夜の夢と、これもなんだよ的な場面から始まって勝手に場面が切り替わり立ち代りする奇怪な劇作品あらしの2本立て。あらしは読み途中〜〜。
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豆の花「はい、どうぞ御用を。」〜ボトム「頭を掻いてくれんか……蜘蛛の巣氏はどこだ?」〜おもろいよなあw
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今度昴の公演を見に行くのでその準備として購入。
む…難しかったです。
やっぱり劇場で動きと一緒に観覧するのが一番かと思います。
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ヘレナ「だから翼もつキューピッドは盲に描かれている、恋の心にはどこを捜しても分別などない、だから無分別を示すよう翼はあるけど目はない。恋は相手を選ぶときしょっちゅうだまされる、だから恋のキューピッドは子どもだと言われる。いたずらな子供はたわむれに平気で嘘を並べたてる、だから子供である恋の神はやたらに嘘の誓いを立てる」
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過ぎ去った日の友人ノーマンが熱狂的にシェイクスピアに傾倒していて、そんなに凄いものなのだろうかと訝りながら手にしてみた。…私にはまだよく分からない。
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これが私のお芝居に対する観念を変えた作品。
言わずと知れたシェイクスピア作品ですが、今まで一度も読んだ事なかった;;
この作品のロビングットフェロー(パック)役を演じました。
台本として何度も何度も読み返しました。
なので、今や書き込みがいっぱいw
なかでも印象的なセリフはやはり
『はてさてなんと馬鹿者ばかりでござろうか、人間というものは』
という何ともパックらしいセリフw
格別の思い入れがある作品です。
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シェイクスピアによる喜劇2作品。
たぶんどの作品よりも読み易いですよ。馴染みがなかった方は是非この機会に。
◆夏の夜の夢
物語の鍵を握るは「惚れ薬」。
2組の男女の諍いに妖精の王、女王の争いが入り混じる。そこに「惚れ薬」とくれば、後は王道のストーリー。
だから安心して読めるのかも。
「薔薇は摘みとられ絞りとられて、その香を残してこそ、この世の幸というもの、身を衛る棘に囲まれて凋みながら、ひとり身の仕合せに生き、死んでゆくより、その方が遙かにましであろう。」
◆あらし
実の弟に国を追われた貴族が、娘と共に流れ着いたとある無人島。そこで魔法を身につけ、返り咲くお話。
登場人物の関係をしっかり把握してないと少しキビシイかな。
たくさん精霊が登場してくる。たぶん舞台で観たらすごく華やかなんだろうなぁ。
シェイクスピアは台詞回しが好き。
あぁ、実際に舞台を観に行きたいなぁ……。
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いたずら好きの妖精と、惚れ薬で妖精の女王を困らせてやろうとたくらんだ妖精の王、王の結婚式で興じる舞台の練習に来た者たち、駆け落ちしようとする一組の恋人、駆け落ちした女を慕い追いかける男とその男に恋する女・・・そのみんながある晩森に偶然にも居合わせた。そして、いたずら妖精のミスで全てが大混乱に。
そんな恋するものたちの喜劇です。
なんだか時代は違っても恋愛には変わりはないのかなって思いました。
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これはちょっと。
あまりの心温まるハッピーな話についていけません。
シェイクスピアの悲劇を読みすぎて沈々鬱々となった人はどうぞ 笑
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夏の真夜中の森に舞い飛ぶ妖精たち。
森に迷い込んだ恋人たちと妖精たちのドタバタ。
まるで暗闇にひっくり返した宝石箱がキラキラ輝くようなお話です。
シェイクスピア御大のロマンティック喜劇の傑作『夏の夜の夢』
やっぱりロマンティック・コメディはいつの時代も魅力的(^▽^)♪
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[夏の夜の夢] 真夏の夜の森に偶然集合した妖精たち、貴族の恋人たち、芝居の稽古をする街の人達でおりなすドタバタ劇。惚れ薬。 [あらし] 弟に公爵の地位を追われた主人公が、難破先の島で妖精と魔法を使って一芝居打つ。ハッピーエンド。
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父がある時期に私に献呈した本。
プロスペローのようになりたい。
全てを知った上で、全てを許す寛大さという愛を知り、以降、それを実践しようと試みている。
誰にも知られることなく汲まなく行き渡る想い。シェイクスピア最後の作品にふさわしい。