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めっちゃ正直に書く。
この本を読んだり、熊本市の女性市議による赤ちゃん連れでの議会入り問題を考えたりすると、
「あー、子供を産まなくてよかった」て思うわ。
だって子供は女性一人で作れるわけでもないのに、いつも子供のことで大変な思いをするのは女性の方が圧倒的に多い。
不公平すぎるし、そんな状況で子供なんて欲しくない。
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重くて、重くて、なかなか読み進めなかった。
いつしか自分の事も思い出してしまう。
裁判員制度も難しい。
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子育てに悩み、自分自身の気持ちに余裕がない時に裁判員制度の参加に選ばれた主婦。同じ家族構成を持つ被告女性が自分の子供を殺めてしまった裁判を審議する。何度も法廷に足を運び審議を重ねる度に、どんどんと被告の女性と自分を重ねてしまう。もしかしたら、自分も一歩間違えたら被告の女性と同じ事をしてしまうのでは、と恐怖を感じつつ精神的にじんわりと追い込まれる様子を細かな細かな描写で書かれた一冊。ここまで深刻な事態にならないとしても、同じような年齢の子供さんがいる主婦なら、身近にある問題や悩みだと思います。角田さんの文章力に圧倒されました。
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幼児虐待死事件の補欠裁判員になってしまった、容疑者と同じ立場にある主婦の物語。
共感できてしまう部分が多いだけに胸が痛い作品ですが、苦しくなりつつも読み進めてしまうのが角田作品の妙。事件の内容によっては、動揺しやすい立場の人間を裁判員から外す余地も必要ではなかろうか。厳しすぎる。
夫からの微弱なモラルハラスメントによる洗脳は、実は巷にいくらでもあるのかもしれない。思考停止して逃避するか、戦うかは自分次第。相手は守るべきか弱い幼児ではないのだから。
そして母娘は相性が悪いと悲劇です。
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2歳児を抱えた専業主婦が、我が子を殺害した容疑で逮捕された母親の事件の裁判員となったことから、自身の育児や夫婦、親との関係を重ね合わせ、精神的に追い詰められていく。
自分とはタイプも環境も異なる主人公の言動に、眉をひそめる部分もあった。が、子育て経験者として、育児での苦労は痛いほどよくわかる。
24時間片時も解放されることのない子どもとの時間、夫が帰宅するまでの孤独と不安、義父母をはじめとする周囲からの"善意"のアドバイス…。程度の差こそあれ、狂ったように泣き続けるわが子に途方にくれることは、母親ならば誰もが経験しているはず。
被告人と主人公との境目が曖昧になり、ずぶずぶと深みにはまっていく様をこれでもかと執拗に描いたこの作品は、ストーリー以前に読むのが辛かった。
わが子を虐待するのとしないのと、じつのところは紙一重だと思う。完璧な子育てができる人なんていないのに、渦中にいるときにはそれに気付かず、真面目な人ほど自分の至らない点ばかりが気になって苦しむ。
一線を越えてしまうかどうかは、夫婦をはじめ、周囲の人たちとの関係をいかにうまく築くかという、人間関係のあり方が大きいように思う。
思い通りにならず、経験したことのないような大きな試練を受けるのが、子育て。私自身、努力してもどうにもならない無力感を思い知らされたのが、子育てを通してだった。
でも反面、それまでにはなかった自分が生まれ、何物にも代えられない素晴らしい喜びを得られるのも子どもの存在があってこそのこと。使い古された言い回しではあるけれど、親は子どもに育てられる、というのは真理だろう。
母親の落ち度を一方的に責めるのではなく、一見善人に見える人たちの言動に目を向け、理解されにくい責任を取り上げたという点でも、この作品の意味は大きい。
ただ、作者の言う意図的な悪意というよりも、当人たちも気付かないうちに善意のつもりが悪意になっている、というたちの悪いパターンが現実には多いのではないかと感じた。
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読んでいて酸欠になるようなこの圧迫感。
とにかくしんどいし、長い。
容疑者の人生と主人公の人生
どちらがどちらのことなのか
混同していく様が怖い。
そして罪を裁くということが
これほど難しいものだとは。
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読んでいて気が重くなった。気が重くなりながら読んだ。
この主人公の主婦は考え過ぎなのではないか?こんなにも人のことを気にするものなのか?しかも、旦那にこんなに気を使うものなのか?と時にはイライラしながら読んだ。
補充裁判員になった里沙子。里沙子が担当する裁判は、里沙子と同世代の主婦が、娘を風呂に落とし、殺してしまった事件。里沙子にも2歳の娘がいて毎日娘のわがままに翻弄されている。
ちょっとしたことで旦那に娘への虐待を疑われていると感じ始めた里沙子。旦那の一言一言にいちいち嫌味を感じたりするうちに被告人が自分とリンクしてきて・・・
正直感情移入は出来なかったし、早く読みたいと思えるような話ではなかったが、実際、こういう人もいるのかも知れないとも思えた。そう思うと心理描写がかなりリアルに感じた。
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読んでいてあまりにもネガティブな物の考えばかりするし頭がおかしくなってしまいそう。
いや、実際に子供を育てるのって本当にそうなんだろうか・・・。
結婚するのにも(自分はするきがないが)たいへんだなぁと思う。
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孤独が人を追いつめる。
他人が聞いたら笑っちゃうような不満や苛立ち。
その積み重ねがいつしか、化け物みたいな憎悪に変わっている。
そういうことは、育児中の母親じゃなくてもある。
やってらんないよと愚痴れる「誰か」がいたら、
やりすごせたかもしれない。
べつに親友とか、友だちじゃなくてもいい。
優しく気が利いた慰めじゃなくていい。
言葉をかければ聞いてくれる他者がいたら、
それだけで心は死なずに済んだりする。
この物語の主人公である二人の女性には、そんな他者がいない。
代わりに、逆に言葉によってじわじわと力を奪っていく夫や義母がいる。
べつに夫や義母が人非人というわけでもない。
義母は子を想う母であり、夫は子を愛する父でもある。
それが怖い。
悪人なんて誰一人いなくても、ある関係性のなか深く孤立してしまう人はいる。
嫁いだ先で子を育てる母親は、そうなりやすいのかもしれない。
「家族」であることは、すごくむずかしい。
「家族」なんだからと理解を求めるのは絶望フラグだ。
子どもを殺したいくらいに心を死なせてしまう環境なら
なりふりかまわず走って逃げてしまえ。
逃げて逃げて逃げた先に、話を聞いてくれる人が必ず、いる。
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2才の娘文香を育てる里沙子は刑事裁判の補充裁判員に選ばれる。
泣き止まぬ子を風呂に落とし殺した母の裁判に触れるうち、被告人に自分自身を重ねていく里沙子。
乳幼児を育てている母の圧倒的な孤独感。夫や母親との関係からくる閉塞感。どこにでもいる、どこにでもある母の辛さ。
里沙子が裁判に参加することで悩み、被告人家族を自分の家族に投影し、突き詰めていく過程がこれでもかというほど丁寧に描かれていく。
それを辿ることは、乳幼児を育てた者であるなら誰にでもヒリヒリと辛い経験となるのではないか。ましてや、今その真っ只中にいて母ならなおのこと…
被告人は決して特別な女性ではなく、どこにでもいる、誰でもなりうる、ひょっとしたら私もひとつ間違えばあちらがわにいたかも…と思わせる辛い読書だった。
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言葉というのは、発した側と受け取った側でかくも食い違うものなのだな、と思いながら読んだ。人と人との対話の中でどんな感情が生まれたかなんて、赤の他人に推し量れよう筈もない。それを判じねばならないのが裁判員だとして、ただ正しくある必要はないのかなとも思う。「もしも私だったら」そういう一般人の感覚を法廷に持ち込むのが裁判員制度なのだと思ってる。そういう意味で主人公は自らの役割を全うし、だけどそれゆえに自らの中にある火種に空気を送ったのではないか。すなわち、被告に共感できる彼女は、いつか被告と同じ場所に立つのではないか、と危惧してしまう。いつか、あのときはどうかしてたわ、と彼女が朗らかに笑える日がくればいい。
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児童虐待死の裁判員に選ばれた主婦を主人公にした心理サスペンス。裁判を通して彼女が徐々に気づいていく現実は、下手な犯罪小説よりも怖いかもしれません。これ、主人公と同じような立場にいる人が読むときっと、怖くて怖くて仕方ないんじゃないでしょうか。読後感は悪くないしそれほど引きずらないけれど、そう思えます。
たしかに自分と全く同じ価値観の人なんていないと思うし、家族であっても全く分かりあえるだなんてことはあり得ないと思います。だけどそこで相手とどう折り合いをつけるか、相手の言動をどうとらえるか、というのは自分次第。無神経で相手を傷つけるのも問題だけれど、過敏すぎて追い詰められるというのもまたやり切れません。
この裁判の被告人はたしかに犯罪者だけれど、同時に被害者でもあるのでは。そして同じ立場に誰がいつ追い込まれるかも分からない……そのように感じました。被害妄想と言ってしまえばそうかもしれないけれど、そのようにしか受け取れない人がいるのも事実だし。性格の問題はどうしようもないのだから。
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ネット上に本作について語る著者のインタビューがありました。「出版前にゲラを読んでいたとき、最後の最後に、実はこの里沙子という女がおかしくて、周りは何ひとつ悪くないんじゃないか、と思ってぞっとしたんですけど、まさに読み手がそう感じるように書きたかったので、ぞっとした後で、自分で『よっしゃあ』と思いました(笑い)」
私は、まんまと、著者の術中にはまっていました。
この作品キャッチフレーズは「感情移入度100%の社会派エンターテイメント」だと帯にありますが、かなり強烈な皮肉ではないかともいます。
実は、これほど世代、性別、経験(子供がいるかどうか、あるいは何歳か)によって、共感できるかどうかに差が出る小説も珍しいのだから。
ある人にとっては、「これは私の話だ。」かもしれないけど、ある人にとっては著者の狙い通り、「里沙子だけおかしい」になりうる。その気持ち悪さ、これがこの作品の最大の「味」なのだと思います。
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乳児の虐待死、育児、夫婦の関係、母と娘の関係、嫁姑の関係、など色々と考えさせられる作品だった。読みながら自分の経験を思い出したりしてしまうので、なかなか読み進められなかった。
育児の悩みの部分など、角田さん実は育児経験あるのでは!?と思ってしまうくらいあるあるが出てきて驚いた。
とてもリアルで丁寧に描かれている作品だけど、重過ぎてまた読みたいとは思えないかな…。読んでいて思わずゾッとする作品は久しぶりだった。
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3月8日読了。補充裁判員になった主人公が、我が子を風呂場に落として殺した母親と自分を重ね合わせて追い詰められていく話。子育てを終わってしまったからだろうか…ストーリーとしては引き込まれ興味深く読んだもののあまり共感できなかった。とはいえ、自分自身子育てしていた時にはこの追い詰められ感は凄くあった。そしてその追い詰められ感はマスコミなどの公園デビュー話、ママ友とのトラブル話によってもっと増幅されていった。今から思ったら取るに足らない話だったのにその時は必死だったと思うのである程度は仕方ないように思うが、追い詰められて当たり前なのよ、悩んでも仕方ないのよの大合唱が以前に増して強くなっていくうちに子育てを自由に楽しもうという空気よりも悩め悩めという陰鬱感が大きくなっていっているように思う。この作品もその空気。もっと気楽になろうよと思った…ということで星一つマイナス。