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私たちのあらゆる言動は、さざ波を立てるようにネットワークを進んでいき、友人(一次)、友人の友人(二次)、さらに友人の友人の友人(三次)にまで影響を及ぽすケースが多い。だが、その影響力は徐々に弱まり、三次の隔たりの位置に存在する社会的な限界を超えると、目立った効果はなくなってしまう。
いくつもの実験から次のことが明らかになっている。人びとは、数秒から数週間の時間枠で、他人が示す感情の状態に「感化」されるのだ。大学の新入生を無作為に選び、やや元気のないルームメイトと同室にすると、三ヵ月のあいだにどんどん元気をなくしていった。
私たちの発見によれば、ある人が幸福な友人を持つと、その人が幸福になる可能性は約9%増大する。不幸な友人を持った場合は、幸福になる可能性が約7%減少する。(中略)
だが、友人の感情の状態まで考慮に入れると、より多くの友人を持つだけでは十分でないことがわかる。より幸福な友人を持つことが、私たち自身の感情を健やかに保つカギなのである。
だから、自分自身が幸福になることがすごく大事。
友人同士の絆の性質によって違いが出ることを、まさに私たちは発見した。たがいに認め合う友人が肥満になると、自分が肥満になるリスクも3倍近くになる。しかも、たがいに認め合う友人の持つ影響力は、友人だと思われている(だが自分は相手を友人だと思っていない)人の2倍になる。最後に、友人だと思われている人は、相手を友人だと思っていないなら、相手から何の影響も受けない。
著名投資家のウォーレン・バフェットは、2009年の株主宛年次書簡で、企業破綻のドミノ倒し的な本質についてこう述べている。「災難に遭うまいとする(市場)参加者は、性病を避けようとする人と同じ問題に直面します。……つまり、誰と寝るかということだけでなく、その人がほかの誰と寝ているかが問題なのです」。まさに、二者関係を超える拡大が問題なのだ。
ネットワークの構造における種を超えた共通性
ファウストらが気づいたのは、優れた予測をするには、動物種の別よりもネットワーク内の関係のタイプのほうがはるかに重要だということだった。たとえば、毛づくろいの関係は、どの種でもきわめて似通っているように思えた。実際、アメリカの上院議員のネットワーク構造を最もうまく予測するモデルは、雌牛の「社会的舐め行動」のネットワークだったのだ。
仮想世界でのことが、現実世界に影響を及ぼす
任意に割り当てられたアバターを使ったゲームを終えたあと、アバターが美形だった人は現実世界でもより大きな自信を示したのだ。ある実験では、参加者にオンラインの出会い系サイトに掲載された写真を見せたところ、美形のアバターを割り当てられた参加者は、美形の相手がきっと自分とデートしたがると思うことが多かった。
社会的ネットワークの中心にいる人は周縁にいる人より、一次、二次、三次の隔たりで多くの人とつながっている可能性が高い。その結果、もし良いもの(お金や尊敬)がネットワーク内を流れていれば、中心にいるがゆえの特典を手にできる。周縁にいる人より中心にい��人のために何かしたいと思う人のほうが多いからた。生徒たちがゲームをすべて終えたとき、最も人気の高い生徒たちは、人気のない生徒の四倍の金額を手にしていた。
ネットワークの質と量が富を決めている。
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レビューはブログにて
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かなりアカデミックな文章で読むのが大変でした。ソーシャルメディアを構造的に理解したい方にはオススメです。社会的ネットワークの社会実験事例や定量データがあるので納得度が高いです。六次の隔たりや利他精神が伝播する事例は面白かったです。
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世界を人と人とのつながりから解きほぐしていく本。
結婚相手を探す時や大学生の友達関係など、身近な例が出てくるので、とてもわかりやすいし面白く読めます。
世界中で行われた研究の成果・論文も紹介されていて、文系理系両面の研究成果にいろいろ驚かされます。
人とのつながり(=ネットワーク)によって、自分の行動は友達の友達の友達まで影響する、とか
ネットワークにも、強い/弱い、メリット/デメリット、向き/不向きがある、とか
他の他人からの影響、意外と大きくて、意外と広範囲に及ぶところが面白かったのと、
他人とのつながり方が遺伝する、というのは驚きでした。
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2010/12/22fin
書いてあることわかるけど、参考になることがなさそうなので途中で読むの止めた
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拾い読み
訳がひどい。
テーマとしては面白いし、人間全体のつながりをここまで壮大に体系化しているのは新しいので、再読の価値あり。卒論の参考文献になりうる。
物理的etcな条件から人は一定の種類の社会関係を一定の数だけもつように制約されている。人々を理解するためのカギは、彼らのあいだの絆を理解することである。
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社会的ネットワークの理論について事例、理論を交えて、現代のネット社会における人と人との「絆」についても網羅的に描かれている。開発途上国で、コミュニティーという不特定多数を対象に行うプロジェクトにおいて、住民のエンロールを上で、ヒントになるような事例もあった。by T.K
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先日、facebookで「肥満はなぜ「伝染」するのか:実験結果」とのWIREDの記事をご紹介頂いた。そこで本書の著者の名前を発見し、積ん読状態にあったのを思い出し読んでみた。
本書では、肥満に限らず、感情や性感染症など様々なことが伝染する豊富な実例をネットワークに基づいて解説し、その影響を3次の隔たりまでとしている。本書でもグラノヴェッター氏の引用があり弱い絆(弱い紐帯)の強みについても述べられている。
人間がお互いに認知し関係を維持できる数を平均約150(100~230人)とするダンパー数が紹介されている。これは村落の平均人口が150人であったり古代ローマ時代の歩兵中隊が120人、現代の軍隊では歩兵中隊が180人としてその裏付けとしている。このダンパー数は英国の人類学者ロビン・ダンバー氏によるもので、彼は人間に見られるような規模の集団を維持するのに言語は毛繕いの2.8倍効率的ともしている。
ソーシャルメディアについても多くの知見が述べられており、その中に、facebookの一般的な利用者の友人は110人(2008年のデータ)とある。現在facebookをまともに使い始めて約半年の私の友人が119人だ。従来型の言語の伝達を更に効率をよくしたFacebookを始めとしたソーシャルメディアが、ダンパー数から大きく広がった人間関係を維持できるかどうかはとても興味深いところですね。
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人間には社会的ネットワークを形成する、根源的な欲求を持つ。
社会的ネットワークはそれ自身を通じて、幸福感、富、転職先の紹介から、肥満・伝染病までの様々な情報を伝播・交換する。
社会的ネットワーク内では、同類型の人が集まって、クラスターを作る傾向がある(幸福な人は、幸福な人と友達になる)。
個々の人間の現状は、個人の能力や努力の成果というよりも、それぞれが置かれた社会的ネットワークでの位置や、誰と知合いなのかの結果なのかもしれない。
個々人では不可能なことを、社会的ネットワークを通じれば実現できる(バケツリレーによる消火活動等)。我々は、寄付や贈与等によって、無意識の内に、公共財としての社会的ネットワークの維持に貢献している。
「情けは人の為ならず」、「朱に交われば赤くなる」、「類は友を呼ぶ」といったことわざを実証した本。
研究の実験方法や、検証結果等を詳細に説明しているので、ちょっと長い。
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ヒトとヒトがつながる社会について研究されたものです。今の社会においてすべてはつながり、影響を常に与え合っている。笑顔も幸せも、自殺も性病も。今あるネットワークはより複雑にはなるが簡単にはなっていかないので、その複雑さに埋もれることなくシンプルなルールをみつけ、その中心に投下していくための視点、アイデアというのが今後大切になっていくのだろう。
三次の影響、六次の隔たり。
結婚することで男性は寿命が伸びる、離別することで寿命が縮む。女性は変化が少ない。
仕事と性交渉相手は近いネットワーク内では探さない。
紹介をすることでネットワークの中心に近づいていく。
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フィリップ ウォレン アンダーソン博士の言葉、”More is different"が人間のネットワークにも当てはまる。自分の意志以外にもネットワークに意志があるというのは、まるで脳の働き(自分の意志、とニューロンの関係ではないか。「単純な脳、複雑な「私」より)。インターネットにより、人間社会のネットワークの構築の容易さ、見える化がより社会全体、ネットワーク全体の動きが認識されやすくなった。インターネットというツールは未だ進化中のツールであり、人間社会のネットワークへの作用は注視すべきものである。
■ 目次
私たちはみんなつながっている
第1章 真っ只中で
バケツリレーと電話連絡網
ネットワークにおける生活のルール
ルール1 私たちはネットワークを形づくる
ルール2 ネットワークは私たちを形づくる
ルール3 友人は私たちに影響を及ぼす
ルール4 友人の友人の友人が私たちに影響を及ぼす
ルール5 ネットワークはそれ自身の命を持っている
六次の隔たりと三次の影響
私たちはつながっている
第2章 あなたが笑えば世界も笑う
私たちの祖先は感情を持っていた
感情の伝染
感情の集団暴走
……幸福の広がりとは
……人混みのなかで独りぼっち
……
第3章 ともにいる者を愛す
私はどうやってパートナーと出会ったか
似た者同士
……花婿が花嫁より得な理由
愛、セックス、多層性
第4章 あなたも痛いが私も痛い
元恋人の恋人の元恋人
病原菌も広がってゆく
異なるネットワーク、異なる処方箋
友人の友人があなたを太らせる
……自殺も伝染するのか?
公衆衛生の新たな基礎
第5章 お金の行方
ジョージはどこに?
SARS、シーガル、水夫
……情報の流れの三次の隔たり弱い絆の強み
いつの時代も仲間同士の結束は固い
ネットワークの創造性
……
第6章 政治的につながって
あなたの一票に価値はない
一人だけで投票するわけではない
……つながりの最も多い政治家は誰だ?
政治的影響のネットワーク構造
活動はインターネットへ
第7章 人間が持って生まれたもの
太古から結ばれた絆
協力関係につながりが果たす驚くべき役割
……双子に学ぶ
ネットワークは遺伝子のなかにもある
……友人を何人持てるか?
……
第8章 おびただしいつながり
仮想世界の現実的行動
……まあ、すてきなアバターですね
……シックスディグリーズからフェイスブックへ
大量に、そして受動的に
友人が多すぎる?
リアリティーとウィキアリティー
干し草の山から針を探し出す
……
第9章 全体は偉大なり
人間の超個体
あなたのものでもないし、私のものでもない
善意の広がり
持てる者と持たざる者——社会的ネットワーク格差
……
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園さんの概要把握方法で読んでみました。
社会的な課題につきあたったとき、その問題を、社会的ネットワークの構造問題自体の症状として捉えるという視点を勉強出来た。
つながりを持つ人は、持たない人に比べてどんなメリットがあるのかな、とか社会的な大きな問題(たとえば虐待とか)を捉える際に何かヒントとなる視点を得たくて読んだ。
第5章で書かれている経路依存性と推移性があまり理解できなかったな。。
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人のつながりがネットワークを形成する。
そのネットワークは1つの個体として大きな力を発揮する。
多くの人と繋がっていた方が、情報化社会においては強力である。
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『もしも人間が他人を大して必要としないのなら、他人を避けるほうがよほど理にかなっている。』
物理的なつながりと意思のつながり、行動のつながりと行為のつながり、人と人の生きる社会を形作る「つながり」について解説した本。宗教的な話から、ビジネス的な話まで、バラエティに富んだ視点が並べられていて、読んでいて飽きない。人脈は、絶対的な「網」として捉えるのではなく、相対的な「位置」として捉えるべきなんだなぁと。