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重かった。細かい描写がこれでもか、これでもかという勢いで迫ってくる。見たことはないが、どんな様子だったかリアルな映像が浮かぶ。
それだけ素晴らしい文章力だということだ。
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生きることの意味、人生とな何かを考えさせられる。
重い病気を患い、ただただ何もせず、何も生まず、誰かに得するわけでもなく、その日その日をただ生きる。
そこに意味はあるのか?生はあるのか?それは最早人と呼べるシロモノなのか…
それでも自死を選ばず、ただハンセン病患者として、新しい生き方を見つけること、その困難さと美しさに目を奪われる。
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いのちの初夜が100分de名著で取り上げられたことから興味を持ち、読んだ。
北条民雄の書くものを小説だけでも生涯に一度は読むべきだと思う。
陳腐な表現にしかならないが、生きる苦悩、死ねない苦痛、死の必要性、全ての人に共通する普遍的な苦しみと想像を絶する世界が描かれている。
このような世界が日本にあったこと、このように扱われた存在があったこと、誰も忘れてはならないし知るべきだと思う。
苦しい読書だったが読めて良かった。
あなたが見られた癩者の生活は、まだまだほんの表面なんですよ。この病院の内部には、一般社会の人の到底想像すらも及ばない異常な人間の姿が、生活が、描かれ築かれているのですよ。
生き抜くこと程たやすいことはありませんからね。生き抜くってのは、つまり死ねないってことじゃないですか。
私は私の中にある、“誰かに共感されたい”、という慾求を信じる。
成程、生きるということは愚劣だ。人生はどう考えても醜悪であさましい。この愚劣さ、醜さ、あさましさにあいそをつかして首を縊ったり海に飛び込んだりした者は決して少くない。しかし、私はここで呟かずにはいられない。愚劣な人生にあいそをつかして自殺した人々の死にざまのなんと愚劣なことか!と。