紙の本
いまいち
2017/01/14 08:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:shunsmom - この投稿者のレビュー一覧を見る
心に残りませんでした
投稿元:
レビューを見る
雨の朝、静かな庭で出会った二人。靴職人を目指す高校生の孝雄と、謎めいた年上の女性 雪野。
雨と日本庭園、そして各章の結びに付されている万葉集の一首に象徴される登場人物の心情、作品全体から瑞々しさが溢れていてまぶしく美しい。静かでそれでいて力強い。
アニメーションの方もぜひ見てみたい。
投稿元:
レビューを見る
秒速以上に主人公に共感しにくい話だった
人の成長は見てて面白いと思うけど(翔太主人公の兄)は普通という枠から抜け出せないから嫉妬みたいな感情が沸いてくるのかも
他人ならまだしも恋人に嫉妬するのはどうなんだろうか?
靴職人になりたいなら靴屋とかで働くのが合理的なのにアニメではそんな描写なかったけど人のいいくせ人間関係に不器用な彼があんなところで働いたとしても空回りするだけなのがよく分かった
あとバイトのくだりと中国人の話は蛇足だと思う。これを省いて相澤の話を深く細かくしてほしかった
雪野がバーで酔った勢いでみたいのを期待したけどことごとく裏切ってくれるし
普通な展開は残念だ
雪野と付き合っていた教師が不良のあいてをする苦悩みたいなのも感じた。割りきってるんだろうけどこういう生き方てしんどいだろうな先生がタバコ吸う理由が分かった気がする。
相澤が雪野には最後まで会わず仕舞いなのがやもやした。町でふらっと会うような奇跡的な描写くらいほしかったな
正直な話主人公視点が面白くなく他の人物(特に相澤)が面白い内容となっていたのは不意討ちだった
相澤の話が終わったあと主人公がなにをしてようがなんの魅力もなかった。そもそもこれほど主人公に何の魅力も感じないのは初めてかもしれない
これ読んでて思ってたけど視点がコロコロ変わる本て自分には合わないんだなと新たな発見ができた気がする。
ないだろうけど相澤のスピンオフとか出たら読みたい。
映画でも言われてるが「どうせ人間なんて、みんなどこかちょっとずつおかしいんだから」ってセフリが最後まで読んだら確かにまともじゃない人たちばかりだったなと改めて思わされた。
投稿元:
レビューを見る
ようやく文庫になってくれた。
人間なんてみんなどっかちょっとずつおかしい。
ほんとその通りだよ。
個人的に最後のいちぶんがすき。
その表情をそう喩えるか、と。
投稿元:
レビューを見る
映画の補足としてみた。
主人公の二人の視点だけではなく、複数の人からの視点で物語が進行していく。
映画では描かれなかった感情の変化や発言が見れてとても面白かった。
「"愛"よりも昔、"孤悲"のものがたり」
これがこの物語のキャッチフレーズだ。靴職人を目指しているが、それを周りに打ち明けられずにいる、端から見れば普通の高校一年生の秋月孝雄と教師の雪野の物語。
物語の節目節目にはその章に合うような万葉和歌が記されている。
雨の東屋でしか会えない二人にとって雨は何かとても大切な意味を持っている。
映画の雨の描写は心がスッとするような穏やかな感覚を覚える。
教師との恋愛なんてダメだよなぁって分かってても、この二人はそれぞれ周りと違う世界観を持っていて浮いてしまっているが、互いに理解できる世界がある。
自分と似た世界を持っている相手に引かれてしまう二人。
物語終盤、孝雄は夢を追ってイタリアへ留学し、雪野は実家の愛媛へ転勤する。二人は離れ離れになってしまう。
現実的な視点から見たら、アラサーの雪野は結婚意識しているだろうし、大人びている孝雄はそれを理解しつつどうするのかなって考えてしまう。
投稿元:
レビューを見る
待ちわびていた文庫化。
映像作品のノベライズ、っていうのを基本的には手にとることが少ないのだけど、この言の葉の庭は映画が46分と短めな割に深みというか奥行き、というか奥ゆかしさを感じさせる作品だったので、言葉としてどう描かれるのかなと思い、ずっと手に取りたかった作品。
秒速のときも思ったけど、文才ありすぎ。天は二物を与えたのか。登場人物たちが抱えていた感情、体験などがちゃんと描かれていて、映画を観ていなくても楽しめる。そして映画にはない2人のその後や、映画では単純な悪者だった人にもちゃんと理由があったことを知る。人間、みんな少しずつどこかおかしいけど、そのおかしさには何か理由があったり、なかったりするんだろうなぁ。
少し残念だったのが、映画で好きなセリフがなかったこと。また映画観直そうかな。
投稿元:
レビューを見る
アニメーションをみることなくこの本を読んだが各登場人物の生活や取り巻く環境が垣間見えとても心地よい時間を過ごさせてもらった
投稿元:
レビューを見る
何を読もうかと思案して、ランキングと皆さんのレビューを頼りに手にしてみる。
元になったアニメのことも作者のことも知らずに、映画のノベライズということもあってあまり期待せずに買ったのだけど、これは良かった。
中学生から高校生になる時期の少年・秋月孝雄と、彼が学校をさぼって通う公園の東屋で出逢った謎の女性・雪野百香里の二人の感情の行き交いを中心に、長い人の営みの中でも変わらぬあり続ける人の心象を描き出す。
彼らの“恋”というにはあまりに儚くあまりに切ない感情の移ろいを丁寧になぞり、そのひりひりした感情を透かし出し、寧ろこれをどうやって絵にするのだろうと思えるほどの言葉の力が迸る。
短い話の終わりに置かれた万葉集の恋歌の、その大らかで情熱的な表現が、物語に深みを与えて印象深い。
二人の周りの人々、いい加減に思えた兄にも、奔放に見えた母にも、強面の体育教師にも、何不自由ないと思える少女にも、それぞれに表に見せる部分とは別の事情と感情があって、そこには何らかの気負いや覚悟や準備がありリスクを避けるとか人生の可能性を残すとか色々な思惑もあって、そうしたものの上で人生は進んでいくが、だからこそ、そうした気負いや覚悟や準備や思惑もなしに自分が進む道を選べる瞬間が尊いと思える。
投稿元:
レビューを見る
登場人物達の生を断片的に切り取り,つなぎ合わせることで一つの物語ができあがる.万葉集に精通していると,初めの歌が物語の先を想像させてくれる.各人の物語に異なる淡い色が付いたような筆致である.
投稿元:
レビューを見る
映画がとても良かったので、ノベライズが出た時は嬉しかった。映画自体は時間が短くて、物足りない感じがあったので内容に満足した。
映画は雨の描写がとても美しくうっとりしてしまう様な作品だった。小説ではどうかと思ったけど、やっぱり文章も美しい。
そして孝雄と雪野の2人の視点だけではなく、他の人物からの視点も描かれていて、それも物語の奥行きみたいなものを感じられた。
とりあえず、もう一度映画を見たいと思う。
2016.4.8
投稿元:
レビューを見る
言の葉に込められた想い。
込めた想いをかたちにするために、
込めた想いを届けるために、
自分の道を進むために。
投稿元:
レビューを見る
アニメーションに感化されて手に取った本。
映像だけでなく、言葉も美しかった。
孝雄と雪野だけでなく
孝雄の兄や母、伊藤先生、相澤祥子など
他者視点からも描かれている小説版。
各話の最後にはその内容に合った
万葉集から歌の引用と現代語訳・解説付き。
登場人物たちの過去や心情をそれぞれ少しずつ
掘り下げてストーリーが展開されていたり、
5年後?の孝雄と雪野のエピローグがあったり、
映画にはなかった部分も充実していてよかった。
主題歌『Rain』の歌詞と重なるところもちらほら。
情景描写や音に関しては
やっぱりアニメーションならではの良さがあるし、
各キャラクターの深い心情や、詳しい身の上話は小説で補える。
小説を読んだ後でまた映画を観たら
細かいところにいくつも気がついて、
初めて観たときよりもっと楽しめた。
ラストの部屋を飛び出すあたりからは
やっぱりちょっとくさいなぁと感じてしまうけど、
たぶん10代の頃だったら自分も泣いてただろうなと思う。
個人的には『秒速5センチメートル』よりもこちらの方が好み。
この作品に惹かれた人はきっと
前より雨が好きになるんじゃないかな。
毎年梅雨の時期は鬱屈した気分になるけど
今年はもしかしたら、いつもよりその季節を楽しめるかも。
投稿元:
レビューを見る
映画が大好きなので、本も読んでみようと思って購入。
言葉にされているため、「あそこのシーンでこのセリフを言った時、あの人はこんなことを思っていたんだ」など、新たな発見も多かった。そして、やはり雪野が孝雄を追いかけるシーンは、映像が浮かぶと共に秦基博さんのRainが脳内で流れてきて、泣いてしまった。
これは、映画を観た後に読むべきだと思う。
投稿元:
レビューを見る
■"愛"よりも昔、"孤悲"のものがたり。
また会うかもね。もしかしたら。雨が降ったら―。雨の朝、静かな庭で2人は出会った。靴職人を志す高校生の孝雄と、謎めいた年上の女性・雪野。迷いながらも前に進もうとする2人は、どこへ足を踏み出すのか。圧倒的な支持を受けた劇場アニメーション『言の葉の庭』を、新海誠監督みずから小説化。アニメでは描かれなかった人物やエピソードを多数織り込み、小説版ならではの新たなる作品世界を作り上げた傑作。
投稿元:
レビューを見る
梅雨なので、読みたくなりました。
和歌と、場面が合ってるのが良い。
和歌って多様。
雨が降ると、一人一人が隔絶されて、自分の孤独さとか、自分の中の深い所が見えてくる。
東京で、雨の日の東屋で、他人同士の距離感。
近過ぎず、遠過ぎず。
雨が降らなくても、いつもこの距離で人と関われるなら、孤独を感じないかも。