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お馴染みのSIer滅亡論を掴みにユーザー企業のIT部門を滅多切り、終章ではこれからのSIerの方向性を考察する。自分の経験のなかでも優秀なIT部門もあれば、ユーザとの単なる窓口まで、色々とお付き合いさせて頂きましたが、一概にIT部門だけ責めるのも気の毒な気がする。紙媒体を売る会社さんがWebメディアに進出した際、以前、雑誌の販売管理システムでお世話になった方が、しばらくしてお会いすると、Webの開発マネージャになっていました。これは経営陣が新しいWebビジネスに向けて、IT部門の体制を大きく変えた事例だと思う。また、二つの対談でも述べられているコードを書く重要性についての言及はまさに我が意を得たり、ソフトウェアはコードを書くことが最終的な設計なので、これを単なる製造と見なしてプログラマの地位を貶めるから、日本のIT産業が夢のある業界に育たないのだ。色々と考えさせられる示唆を頂きました。
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前著ほどではないかなーと思いました。
というか、結構 Web 上の記事で読めてしまうので、本で読みたい方向けですかね。
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人工知能が発達してSEの仕事が無くなる……とかそういう話ではなく、仕事の内容(人月商売)が時代遅れだから無くなるという話。
ただそれだけでなく、日本経済自体が東京オリンピックまでなのでそっから冷え込むだろうとのこと。今でも冷え込んでいるような気がしないでもないですけどね。
人月商売は日本にしかないらしい。アメリカだとエンジニアの収入はかなり高いというけど、日本でももっと収入あがらないもんだろうか。
なお、転職では大規模のプロジェクトを経験した話をすると有利になるというイメージがあるけど、実際には小規模なプロジェクトを経験した人のほうが優秀な人が多いのだとか。まあ、多数の中の一人よりも、少数の中の一人のほうが経験値高いだろうなとは確かに思う。
ところで、何で中島さんとの対談以外は『ですます調』じゃなくて『だである調』なんだろう。すごい違和感あったのだけど。
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タイトルは過激であるが、特に対談内容は考えさせられる。
コペルニクス的転回になるのかもしれないが、まずは受け入れて、選択肢に入れていくべき。
変革を後押しする一冊。
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これ、「ゴーマニズム宣言」なんじゃないかと
予測についてはともかく、現状認識はこんなものかと。ただ、関係者がこれを読んで改めて認識するようじゃ……。
同じことの繰り返しにうんざりで、A4用紙2枚程度の内容を1冊にするのは、編集長特権でしょうか。あと、誤植というか日本語として変な表現が多すぎます。このあたりの商品性についての認識を伺いたいものです。
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タイトルが少し過激だだが、中身も「極限暴論」という記事を書かれている著者なので、少し過激な表現があります(敢えて尖っている感もありますが)。
ただ、デジタルビジネスへの転換期である"いま"を考えると、反面教師的にも、この極限暴論の価値に目を向け、SIerとしては生きていかないといけません。
基幹系、勘定系といった大規模SIは、デジタルビジネスのあおりを受けて、益々縮小(投資の割合が減少)していくとすれば、バックオフィスよりも、企業の最前線(事業)に貢献するITの必要性がより求められるはず。
AmazonのAWSサービス、Googleの自動運転など、産業とITは融合しつつあるわけで、ITに生きる企業は、どのようなコアコンピタンスを育むべきか。
本書は、記事を編集したものであるため、ちょっと冗長であったり、時代背景や過去からの業界における課題・問題を企業や、SIerへ突きつけ、新たな一歩を踏み出すこと・・・を考えさせてくれる1冊だと思います。
さっと読めるけれど、後味がすっきりしない、感じはいまの自分にとってとても重要な気づきでした。
第1章 技術者を使い捨てる日本のIT業界の末路
第2章 丸投げのIT部門、人月商売のITベンダーの喜悲劇
第3章 諸悪の根源、劣化したIT部門の不都合な真実
第4章 デジタルビジネス時代、ITベンダーの生きる道
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大手金融機関の保守費用
→一社年間500億円以上
ぐちゃぐちゃなシステムをさらにぐちゃぐちゃにする
→田舎の温泉宿の増築のよう
日本企業は自分のたちの組織を守るために、非効率なシステムを導入し維持しようとする
という前提
本来のERPの目的
→一般管理費の削減
→儲けるため
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暴言暴論編に続けて読んだので、さすがに少し食傷気味。
対談の中には興味深いものもあったのだが、ぜひもう少し突っ込んだ対談を聞きたいものだ。
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日本のSE、SIの現状やありかたを考える本
Tipsメモ
・今の開発はERP、FinTechなどに置き換わる
・需要が一定でないと今のSIは成り立たない→下請けからつらくなる
・「ものづくり」「おもてなし」気質
→現場の頑張り依存、マネジメント後進国
・仕様書を書く人がPGを書かない、プログラムを書く人が意味も解らず仕様通りに書く
→生産性低い
・建造物では設計図・構造計算あり→建てなくても強度は解る
→ITは「設計図と建物」より「レシピと食べ物」に近い
→なんちゃってレシピでおいしいかおいしくないか関係なくレシピ通りに作る
→あいまいな要件・仕様で、経験・行間読み・稼働で実現する日本のITベンダは凄い
・独自システムは属人性高→引き継ぎなど無駄コストも高い
・SEの稼働率が重要となっており、仕事がなくなることへの危機感あり
→アメリカで人材流動化している部分を、日本では社内で疑似的にやっている
・大規模PJで特定部分しか担当しない
→一部のスーパーキーマンで回る、若手が育たない
・ユーザ企業は専門家(ITベンダ)まかせになっている
・ビジネスのいねべーしょん⇒デジタル化
→ユーザ企業がITベンダ化し、ITベンダもビジネスを直視していく
→事業領域をまたいだ変革がおきていく
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日経クロステックでも連載されてて、よくこの人の連載は読んでいたが、耳が痛い。。
確かにIT業界に人が足りないと言われているが、その大半は「臨時工」や「COBOL見習い」なのかもしれない。景気が減退し、案件が少なくなると、「新規事業だ」といって新しいシステム作りに注力させる一方、既存の保守が盛り上がると「新規事業」から人を引き抜くITベンダー。正直その「新規事業」も、何のためにやってるのか分からないような格好つけの事業に過ぎない。その意味で、セコムの例は見習える。新たなサービスを作り出す。
大企業では技術者がいないのも頷ける。大規模プロジェクトでは正直大きな部分を担うことがないので育ちようがない。
そしてこれから重要になってくるのが、IT部門との「殴り合い」。御用聞きの時代は終わった。ベンダーは上から目線で、やれることはやるしやらないことはやらない姿勢となるべき。(ただしその上から目線は、技術的なことでマウントを取ることではない。それは単なる仕事のしにくいヤツ。業務改革の目線である。)
この本が書かれているのは、2016年。5年後にSIerが死滅すると言われてるが、流石にそうはならなかったか、、
逆に何でそうならなかったかというと、SIerが、日本の雇用慣行と深く関わっているからじゃないか。雇用慣行の話は、以前小熊さんの本でも読んだが、「慣習」として深く根付いている。確かにクラウドサービスは増え、IT業界自体は大きく変わってきているが、そもそも雇用慣行が変わらない限りそんな急激にIT業界は変わらないだろう。
公共部門のITについても、耳が痛い。もう顧客の御用聞きとなるべきではない。パッケージシステムだけ売って、あとは終わりでいいじゃない。
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極論暴論だけでなく、本を読んでみようと手に取った一冊。
令和四年まだSIerは死なず、蟹工船プロジェクトは世に蔓延り、ダメなiT部門とベンダーマネジメント()を得意とするSIer、枯れた技術に拘束されるソフトハウスの技術者という構図も変わりつつあるようでまだまだ存在する。
蟹工船の一員として、なかなか身につまされる一冊。
2016年に出た本ではあるが、今昔どうなった?という目線で今読むと示唆深い。