投稿元:
レビューを見る
王陽明の生誕から死までの人生と教えを解説した書です。
王陽明とは、明代の中期の儒学者で、陽明学を顕した方です。。
朱熹の理説を批判し致良知、知行合一、すなわち、知と実践を同時になすことなどを唱えました。
気になったことは、以下です。
・江戸の大塩平八郎へ影響を与えた。実践的な求道者とある
・家として、王陽明の家系を説明している。
・聖人は必ず学んで達することができる。
・人間として、真面目であるが、こちこちで融通のない人間になってはならない
・只管打坐(禅語:一心不乱にひたすら座禅を組むこと)もいいが、しばしば頭をひねららせた
・朱熹(朱子学)も王陽明(陽明学)も、師との出会い、師との関係はおなじような体験をもっている。師とはそれほどまでに大切である
・五溺とは、儒教にである前までに夢中になったもの、任侠、騎射、文学、道教、仏教である。
・伝習録:王陽明の弟子がまとめた、陽明学の入門書、手紙なども含まれている
・王陽明も科挙には悩まされた。郷試には受かったが、会試、殿試にはやぶれて、いったん故郷にもどっている。
・文官にもかかわらず、山賊退治に駆り出されている
・独立とは、独り立ちすること。自分独り、世の中がどうであろうと、他人がいかにあろうと何物にも頼らずに自分自身に徹して生きて行く、独立とはそういう意味である。
・格物到知 とは、格物:主観の徹底、到知:客観の徹底。人が主観主義の思想を底の底あで考え抜くか、骨の髄まで生き抜くかしたとき、初めて自己の内に見出すことのできるものが真の客観性であるというもの
・山中の賊を破るは易く、心中の賊を破るは難し
・最後に日本の江戸時代に陽明学が伝った経緯に触れている
朱舜水が、日本にもたらした。水戸光圀、中江藤樹、熊沢蕃山、三輪執斎、山田方谷、春日潜庵、河井継之助、そして、大塩平八郎
朱子学が中心だった、江戸幕府の碩学たちは、陽明学を過激な思想と見なしていたきらいがある。
目次
文庫版のまえがき
第1章 生誕の秘話と青年時代
第2章 「五溺」と発病求道
第3章 「竜場徹悟」と教学の日々
第4章 最後の軍旅と長逝
安岡正篤先生の現代活学講和選集
1 十八史略 上
2 十八史略 下
3 孟子
4 人生の五計 困難な時代を生き抜く「しるべ」
5 酔古堂剣掃
6 先哲が説く指導者の条件「水雲問答」「熊沢蕃山語録」に学ぶ
7 王陽明(本書)
投稿元:
レビューを見る
陽明学についてではなく、王陽明の生涯を物語的に書いてある。
致良知:もともとある力を発揮する、より良くを実現する。
知行合一:分けない。主観と外部が同時連動している。
投稿元:
レビューを見る
講演録なので読みやすいが、内容は陽明学を説明したものではなく、王陽明の生涯について語ったもの。また、著者本人の自伝的な事柄も交えつつ語られるのでやや冗長に思える部分もある。