投稿元:
レビューを見る
読んだ記憶があるのだけれども、再読してみました。
邪悪ってevilの訳ですかね?
こんな感じの人何人か知ってます。もちろん関わらないにこしたことはありません。忘れた頃に不思議な訃報がまわってきたり、今でも元気だったりいろいろあります。
投稿元:
レビューを見る
著者の息子、とんでもないことに気づいた。
悪(evil)という字の綴りは、生きる(live)という字の綴りの逆だということに。悪は生に対置するもの、他者を支配し、その肉体ばかりか精神をも殺すもの。
悪い人間に焦点をあて(悪い人間というのは犯罪者を指すのではなく、どこにでもいる普通の人間)虚偽で取り繕った仮面の下にある「邪悪性」に目を向けさせようというのが本書のねらい。気づきにくいけれどわりと出会う、話していて、なんだか変だぞあなたの感覚、と感じるような人々。精神科医の診断を求めて来る者たちの多くは、この邪悪性の犠牲となっている。
最後の方では、ベトナム戦争時のアメリカ軍によるソンミ村虐殺事件を中心に、集団としてまたは国家としての悪に考察が深まる。理想主義者であることを自認する著者は、世界平和を希求するためには悪と科学的に向き合うことが必要だと考えているようだ。非常に高邁な信念のもとに書かれたのではないかと思われる、読みやすくも示唆に富むベストセラー。
投稿元:
レビューを見る
原題は"Pepole of The Lie"。自分を正当化するため無意識に嘘を重ねて他者を犠牲にすることも厭わない「虚偽の人々」を、著者は「邪悪」と称している。今でいう「自己愛性パーソナリティ障害」であろうか。本書で登場する患者はどこにでも居る普通の人々であり、そこにあるのは「違和感」と「矛盾」。それらがどういう心理状態や論理構造で生じるのか詳らかに分析されている。特に「集団の悪」の章で語られるベトナム戦争でのソンミ村虐殺事件を取り上げてストレスによる退行性についての見解が興味深い。
テーマの特殊性もあって全体的には面白い内容ではあるが、著者の個人的見解や感情、思想が色濃く出ており、精神医学的な理論や客観性に欠ける部分は否めない。
投稿元:
レビューを見る
この本が出版された時点では『悪』としか書きようがなかった事も、おそらく現代ではもう少し解明が進んでいて『こうなる原因はおそらくこの辺りから来ていて、ここを治すにはこういう手法がある程度有効』みたいな情報がありそうだなと思う。
結局本の中では解決策はない。親子関係と大人同士の関係性と、国(集団)と個人の関係性の話がまとめて書いてあるので、話を広げ過ぎててその辺りを一緒にしてしまうのはどうなのかなと思う点もある。
けど、全体的にはいい本だなと思う。