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2014.7.28 〜8.13 読了
信長に反逆した松永久秀、荒木村重、明智光秀の心理を描いている。「武功夜話」(前野家文書・・・筆者は将右衛門の甥の子)が比較的新しいこと(伊勢湾台風で崩れた土蔵で発見、整理解読後に昭和62年出版)を知る。村重の領地(阪神)付近で育ち、備中の美星町一帯を領地とした竹井一族(小笹丸城)を母方の祖先に持つ遠藤周作にとっては本作は書かなければいけない一作だったのか。
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京都に住んで増えた愉しみは、戦国時代がやたら身近になったこと。本能寺も南蛮寺も天王山も「ご近所」なんだもん。歴史がめっちゃリアルに見える。
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遠藤周作氏の反逆読みました。実は人生の中で遠藤周作氏の本は好きで結構読み漁っているのですが…
氏のクリスチャン的な部分が鼻について離れてしまう時期とそうでない時期があって…
今回改めて読みました。実は三回繰り返して読みました。
遠藤周作氏の中で「反逆」が一番好きかな….荒木村重、明智光秀、高山右近の三人が主役で….舞台が伊丹高槻茨木尼崎野田大阪城あたりとリアルに感じられるばかりというところも今回だだはまりした要因でしょうか…。
荒木村重、信長に反逆をし、家臣・妻・親族を見捨てて逃亡、その結果妻をふくめ一族郎党を皆殺しにされ(舞台の尼崎の七松)その後もおめおめと生き延び茶人として生きながらえ…自ら道糞と名乗る。
重い、とてつもなく重い人生。
反逆に失敗し死ぬこともできず生き恥を晒したと考えるのか…現代の考え方でも割り切れない荒木村重の人生。
深い…そして
重い。
荒木村重編が終わったら本能寺の変。明智光秀ですね。
よっちんは戦国時代で好きなのは「浅井三姉妹・明智光秀・石田三成」なんですけど(滅んだ人ばっか)中でも
明智光秀は超お気に入りです。
本能寺の変について「明智光秀は認知症だった」という説も最近読みましたが彼の人生も深く重い。
高山右近編が最後に来るのですがこの物語も重く深い。
荒木村重・明智光秀・高山右近の深く重く業に満ちた生涯を描いた名作だと思います。
尼崎城を見る度に「荒木村重が有岡城から尼崎城に逃げてきた気持ちはどんなだったろうか…」と思いをはせてしまいます。
生きるということの苦悩を体現したかのようなお三方の生涯によっちんは尽きせぬ興味があります。
最初に読んだ時は20代前半、そして30代でも一度読みました。40代になって読んで彼らの選択の理由は伺うことはできませんがどれだけ重たい十字架を背負ってのこりの人生を生きたのだろうかと思います。
ちなみに高山右近、金沢に住んでいたこともあるんですよね。小学生の頃高山右近のことを知って「たかやまうんこ」と喜んでいたことを記憶しています。
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織田信長に対して反逆した二人の武将(荒木村重と明智光秀)について書いた本です。
メインはこの二人ですが、それ以外にも、羽柴秀吉や松永久秀、高山右近、中川清秀の反逆というか、反骨心が多く登場します。
本の全般に渡り、そういう男の嫉妬や怖れ、怯えなどが多く登場しますが、唯一それが存在しない人間として織田信長がいます。そんな信長にそういう思いを味あわせたい、というのが荒木村重や明智光秀のささやかな?願望というのが面白いです。
↓ ブログも書いています。
http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-fda2.html
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信長の残虐ぶりが際立つが、それでも頂点にのし上がった知略や、人の心を読む力には大いに興味をそそる。
対する主人公、荒木村重は戦略に関しては凡人であり、感情移入しやすい。
豊臣秀吉、明智光秀それぞれの戦略と照らし合わせながらのストーリー展開で、戦国時代への興味が増します。
また、この時代の価値観、損得で動く殺伐さがよくわかります。
上巻の後半で早々と反逆ののろしを上げ、かなりの劣勢となりつつの下巻、この後どう展開するのか楽しみです。
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荒木村重、高山右近、明智光秀、豊臣秀吉、そして織田信長。遠藤周作の書く歴史小説。
上巻は荒木村重の籠城半ばまで。他の作品で持っていた印象より、荒木村重が誠実な人間に描かれていて面白い。
しかし情感ゆたかな筆致であるがゆえに、人間の弱さや無常がことさらにしみる。
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’’ブラック大名に仕えてるんだが、俺はもう限界かもしれない’’ー信長に仕えて反逆した荒木村重と明智光秀が主役に据えられています。
明智光秀が本能寺の変に踏み切った理由として信長が違約して四国の長宗我部討伐に踏み切ろうとしたことを中心に、荒木村重が有岡城の謀反をおこした理由として本願寺顕如に魅かれつつあったという設定で書いていますが、要するに信長の恐怖威圧に対するプレッシャーに耐えきれなかったという書きぶりです。
両者の戦に共通する人物として、高山右近と豊臣秀吉をうまくフューチャーしています。特に秀吉が戦を始める前に徹底的に根回しするさまの書きぶりは、遠藤周作が日本統一するまでの秀吉のスキルを非常に高く評価していることをうかがわせます。あの頃の秀吉はまさに対信長を除けば天下無双ですね。直情的な戦闘武士の柴田勝家ではそりゃ勝てないはずです。そして、高山右近が中川清秀が味方してくれるはずと、希望的観測に強く依拠しながら裏切られて敗北する両名に人の弱さをうかがいしれます。
それにしても、荒木村重が妻子を見殺しにされた後もなお自決を選択せずに生き続けたことは当時の棟梁にしては異例な選択なので、その点をもっと突っ込んで書いてくれるとなおよかったかな
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秀作!荒木村重が主人公という視点は非常に面白味があった。久し振りに歴史小説でも、これは!という作品だったなー。
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誰にスポットをあてるかで印象が変わるなぁと思う。
何年もかけてこの戦略を繰り返す人生、誰かに仕える人生、それぞれにおいて常に死と隣り合わせという人間模様が壮絶すぎるなと思う。時代が違えば人殺しが無く、生き死にを賭けなくても上の地位につくような人が何人もいるんだろうな。
宗教の話はやはり面白いなと思う。
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★評価は再読了後に。
この本、高校時代以来の再読かと、初遠藤周作作品だったんですよね、当方にとって。
感慨深いとともに、自分が歳を取って扱われる題材に対する基礎的知識が曲がりなりにもそこそこ身に付いたのかな?と思うくらい、ここに登場する人物等の最小限の理解は頭に入っているなと少しばかり自分を褒めてみたり、あるいはもう当方も終わったなと思ってみたり。
しかし下巻で道糞はどう描かれるのか(描かれたのか)?この人物ってある意味一番身に詰まされますよね、確かに。
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新興勢力の荒木村重が信長の傘下に加わるところから物語がはじまる。しかし初対面の時から有名な饅頭のエピソードがあり村重は心の何処かで信長に心腹できない自分がいる。村重が反旗を翻した理由に松永久秀から預けられた女中が信長の暗殺を計画した杉谷善住坊の娘であり娘を匿っていると疑われるのを怖れ謀反を起こすと言う設定は興味が沸いた。物語の中では光秀も信長に含むところがあるのだが秀吉も同じく信長に対して忠義一徹ではないのに下巻への伏線を思わせる作品。
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残酷な信長に反発する家臣の視点からの小説。
摂津の荒木村重は信長から摂津をまかされ、信長の妻(愛知県の生駒村)の連れ子だしと結婚する。
だしは討ち取った首に漆を塗って見せるような信長の噂に反発する。
その子荒木村次は、信長に敗けて城を出て、妻さとと別れ別れに。
名物の茶道具の話、当時の茶道の様子がある。
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~全巻通してのレビューです~
これは面白かったですね。特に荒木村重の部分。
司馬先生の「播磨灘物語」を読んだ時の荒木村重は官兵衛を酷い目に遭わせた武将という程度の印象でしたが、
本書は村重が信長に服従した時に剣先に刺した饅頭を満座の中で食わされた屈辱を忘れず、その後色々あってついに謀反を起こすまでの心理描写を克明にしており、
村重の人物がはっきりと浮かび上がってきます。
キリシタンで元々村重の家臣で後に信長に寝返る高山右近についても結構詳しく触れていて、寝返る時の葛藤など興味深かったです。
明智光秀についても描かれていますが他の本で既述のものが多く新鮮味はなかったです。
本書は荒木村重の部分を読んでこそだと思いました。
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鉄の首枷が面白かったので、メルカリで購入して読みました。かなり黄ばんだ本だったので新品を買うべきだったと後悔した。遠藤周作の歴史本は面白いことがわかった。というのも、宗教者としての見方から見ているので、事実の羅列にならない。
たとえば信長の残虐さを擁護していないところが良いと思いました。
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とりあえず、上巻のみ読み終えました。
歴史小説は初めてだったので読み慣れるまで少し時間がかかりましたが、慣れたかどうか考える前に引き込まれていく面白さがありました。
学校で日本史を習うだけでは知り得ない、また別の視点から戦国時代を知ることができます。
今まで知らなかった歴史の一面を学ぶと同時に戦国時代に生きた人たちの心の葛藤を見事に描写している作品です。