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「怖い」にも色んな形がある。
見て怖い。
見えないから怖い。
絵って、いままでただ眺めるだけでしたが、特に宗教画は色んな情報が詰め込んであるんだなぁと思うと楽しくなります。
ちゃんとカラーで載ってるのも嬉しい。
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単行本版『怖い絵』3巻に2編追加して文庫化したもの
(たぶん追加されたのは2つ目の「ヴィーナスの誕生」と「悪しき母たち」)。
見ただけで怖さが分る絵、中野さんの解説によりなぜ怖いのか分り、改めてぞっとする絵など。
やはりその絵が描かれた背景を知らないと、より深く絵画鑑賞できないのだなあと痛感させられた。
怖い絵だというのに強く惹きつけられるのは「悪しき母たち」「ベアトリーチェ・チェンチ」「夢魔」「怒れるメディア」「ムーランの聖母子」「死と乙女」など。
第3弾はまだかしらー。
それにしても表紙の皇女ソフィア、強烈すぎ
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今まで読んだ中野先生の本(数点であるが)の中で一番良かった。
作品の解説と共に中野先生の絵画の見方は3D化して私をとりまいた。
贅沢な体験ができる本書は、これからの秋の夜長にも相応しい。
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こっちも見つけたから買って読みましたよ。
やっぱり文庫じゃあ絵が小さいから大きい方を……とか考えましたが、書き下ろし入ってるし、かさばらないからって結局文庫版。
「絵は何も考えずに、印象だけを頼りに見ろ」っていう人もいるんですけど、私はやっぱり解説があった方が数倍面白いと思います。特にこの本収録の「怒れるメディア」なんて解説読んだら最初の印象と真逆でしたからね。怖いわー。
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前作がおもしろかったので、今作も迷わず購入。
そして期待は裏切られなかった。
絵画の解説がどれも面白いです。
裸体絵に対する見解が興味深かったです。
解説がなかったら見過ごしていたところに気づけるのもいい。
今作では、実際に見たことある絵があまりなかったのだけど、それはそれで新鮮に感じた。
気になった作品は、カバネスの『ヴィーナスの誕生』,『悪しき母たち』,『ベアトリーチェ・チェンチ』。
最初と最後の作品解説で歴史にifを投げかけているのも、おお…と思ったり。
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やっぱり、面白い。背景を知ると、見えてないものも見えてくる気がして怖い。最近、ギリシャ神話を読んだので、「ヴィーナスの誕生」もただキレイなだけに見えてこない。面白いなぁ。
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面白い。何度も一枚の絵のページに戻りながら、うなりながら読んだ。文庫本でなく、ハードカバーで買えば良かったと後悔する。泣く女編も早く読みたい!
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2014/08/21/Thu.〜(P.99まで読んで止まってしまった;)
2015/09/16/Wed.(最初から読み直し)〜09/28/Mon.
『怖い絵 泣く女篇』に続いて、これで2冊目。
私が読んだのは文庫本版。
掲載されている絵も、サイズに合わせた縮小に伴い、細部の線や色が潰れてしまっています。
そのため、解説を読みながら絵をみても、わかりづらい点がちらほらあり、仕方ないとはいえ残念。
もし再読する時は、ハードカバー版で読んだ方がいいな。
名画に秘められた人間心理の深層を鋭く読み解く22の物語。
中でも特に印象的だったのは…
●作品1*レーピン『皇女ソフィア』
女性統治者ソフィアは権力争いの末、弟に敗北。
この部屋に閉じ込められ、9年もの幽閉生活を送る。
窓の外にぼんやり見えるのは、彼女の味方だった銃兵隊長の・・・!
弟の腹いせによりわざわざ吊るされたそれを、
ずっと見せつけられていたとは・・・ひいい。
●作品4*ベラスケス『フェリペ・プロスペロ王子』
一見、可愛らしい子どもの肖像画と思いきや…。
ともに描かれたディテールとそれらについての解説から、
この絵の正体は、大人たちの一方的な都合の犠牲となってしまった、
王子の哀しい受難の姿であるのだとわかってくる。
●作品8*セガンティーニ『悪しき母たち』
一目みただけで「怖い」と感じる絵。
母の死が契機となり、孤独を強いられたセガンティーニ。
自分を捨てた父より、早くに亡くなった母が恨めしい。
と同時に、母の死に責任を感じ、
命と引き換えに自分を産み育ててくれた母を次第に理想化していった。
この絵は「堕胎」を絵画化した初めての作品といわれているそうで、
母性を讃えるため、母性を持たない女たちを酷(むご)く罰する絵を描くのは、
セガンティーニの屈折した思いゆえ。
●作品11*アンソール『仮面にかこまれた自画像』
群れる仮面がことさらにグロテスクなため、
素顔の画家の整った自画像はいっそう孤高で高貴とあれば、
それは自己陶酔以外の何ものでもない。
…が、この絵に描かれた男、実はアンソール本人ではない。
アンソールもまた仮面をかぶっているのだ、ただし防御の鎧としての仮面を。
「画家の王」と呼ばれた、かの男の仮面を!
●作品18*アミゴーニ『ファリネッリと友人たち』
穏やかな幸福感の漂う絵。成功者たちの憩いの園のよう。
中央に座る主役のファリネッリは、オペラ界に君臨した稀代のスーパースター。
そしてカストラートである。
「神と人と音楽を結びつける聖なるもの」とされるカストラートとは、一体何なのか?
また、それがどういう理由からうまれたものなのか?
そして、華やかなカストラートたちの影につきまとう実情とは?
解説を読んでゾッとした。
意味がわかると、これもまた「怖い絵」だった。
●作品22*シーレ『死と乙女』
画家自らを死神になぞらえたこの絵にまつわるエピソード。
怖いというより、哀しい。
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まるで見てきたかのような書き方で、引き込まれる面白さが上手い。このシリーズのヒットで二番煎じのような本が沢山出たけど、やはりこの作者のが一番面白いと思う。
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表題作の「死と乙女」のエピソードが、個人的に一番印象的でした。うわー哀しすぎるー。何点かは他の著者によるより詳細な怖い話(歴史)を読んでいたので、少々物足りなく思いつつ、文章の読みやすさにはまって止まらなくなりました。絵にも世界史にも興味をそそられる一冊です。
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この筆者の作品は相変わらず面白いです、絵画を当時の歴史背景や作者の作風とかを交えて解説してくれるので、紹介されている絵を見るときに複眼的な見方が可能になります。
歴史は好きでも絵心はない私にはこの筆者の本は本当にありがたいです。
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いやー面白かった。
3作の中で一番好きかも知れない。
どれもおすすめではありますが。
カストラートとか、ああ、そうかぁと説明書きにふむふむと納得。
少し自分がものしりに慣れた様な気がします。(するだけ)
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高知大学OPAC⇒ http://opac.iic.kochi-u.ac.jp/webopac/ctlsrh.do?isbn_issn=9784041004395
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「怖い絵」シリーズに連番があるかどうかは不明だが、「死と乙女編」ということで様々な西洋画の死や乙女を解説してくれる本。表紙は乙女とは言いづらい表情のプリンセス(皇女ソフィア’)。関連のある絵も紹介してくれるし、何より文章が読みやすい。言われないと分からないような箇所も書いてあるので「絵を読む」ということを勉強できる。
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血で血を洗う権力争いをくぐりぬけてきた皇女の威厳を感じる「皇女ソフィア」。
色っぽい表情の中に無垢な愛らしさと陰々滅々とした表情を両立させる美女「ヴィーナスの誕生(ボッティチェリ)」。
理想的な農民の祝祭の姿と現実の姿とのギャップに支配層側のエゴを感じる「豆の王様」。
幻想的な風景の中に呪縛されている女性の姿が母性神話に縛られている姿のように感じる。確かに堕胎の罪で女性が死後に永遠の責め苦に苛まれるのであれば、男性も同じような目に合わなければ納得いかない。
図説拷問全書の表紙にもなった「悪しき母たち」。
周りも自分も仮面を被り、いつしか外せなくなってしまっているのはのは自分たちも同じだと思う。
むしろ、現代はSNSのアカウントによって仮面を変えていたりしていると思うと、現代の方がよっぽどひどいのかもしれない。
尊敬する人の仮面を被り続けた結果、自己と同一化して画家としての名誉を得た彼は幸運だと思う「仮面にかこまれた自画像」。
毎回、絵画に隠されたドラマに戦慄する。