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・消えることが最初から決まっている泡のような幻想でも、今のあたしにはないよりずっとましだ。
・寂しくて、不安で、誰も自分なんかを好きにならないって確信できる場所。自分が、鉱物の結晶になってしまったみたいに。だけど、あたしはあの場所が好きだ。何も嘘がないから。
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大人が読む本ではなかった…。
17歳の女子高生アミは、「売り」をやりながら金を稼ぎ、知的障害者の兄とも寝ている。ある日、自分の出生の秘密を知り、お腹に身ごもった兄の子の将来を親に決めてもらおうとー
若い子の思考回路はわからない。
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これがこの人のデビュー作みたいです(苦笑)
すごい人だ……。
えーっと、主人公の女の子、アミは、知的障害者の兄と支えあうような関係の延長線上で、性的関係を結んでいる女の子。
けれど、やがて、その兄の子をアミは身ごもってしまう……。
というのが、物語の本筋。
で。
基本的には、この話の主人公である「アミ」が、桜井亜美さん自身なのかは未だになぞのまま……という。
これが実体験だったら、すごい人だよな……。
と思うわけですよ。
まぁ、ないこともないと思うけど。
世の中さ。
感情が大事なのか、理性が大事なのかは微妙なところなんだと、この人の話を読むたびに思うよ。
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妊娠中に読んだのだけれど、読みながらお腹が張ってしまった。妊娠中に読むような本じゃ無かったなぁ。後味も悪い。
中高生みたいな危うい年代の子供に、自分を損なう事の危険さを伝えるにはどういう言葉が説得力を持つんだろうか…と考えながら読んだ。
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テレファックスと呼ばれる売春で自分を切り売りしながらも、その裏では快楽によって結ばれた知的障害の兄との関係。
試験管ベイビー。本音と建前の境界線の表情。
タブーと呼ばれる題材をあえて前面に押し出すことで負の連環から抜け出す主人公の様子が上手く描かれている。
当時の社会の暗部を露骨に描くことが、今の社会に生きる人達の寂しさを知るきっかけになるような気がしてならない。
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桜井亜美の処女作。解説は宮台真司。
田口ランディと同じような雰囲気のある作品。
mixiの桜井亜美コミュニティでも他に読んでいる作家として田口ランディを挙げている人が多かった。
田口ランディの作品からオカルト的な内容を抜いたら桜井亜美に近くなるのかもしれない。
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鮮烈で生々しい作品。表現が非常に難解で、1行で何度も読み返さなければ、(読み返しても)わからないニュアンスがたくさんあった。おじさんを通じて社会とつながるんだけど、からっぽになっていく少女達の感覚が、少しわかってぞくっとした。
解説の宮台さんが面白かった。
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ほかの本も立ち読みしたけど、冒頭がとても良い。ネットでこのひとのほかの作品が酷評されていたが、この人の小説の良さはストーリーじゃなく、言葉の選択。
ストーリー関係なしに「刹那的」に楽しむことが大切。
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なんかここん所、電車で読むのが恥ずかしくなるような小説ばかりになっています。
というか世の中どうなっちゃっているんでしょうか?
先日読んだ、斉藤 綾子の小説(?)なのか体験談なのかが、俗っぽい感じの本ならば、このイノセントワールドは、もう少し小説っぽくなっているが、それでも2000年前後って女子学生はこんなだったのか?と勘違いしそうな内容です。
知的障害を持つ兄と人工授精で生まれた女子高生の妹。
兄を嫌う母とそれに反発する娘。
その妹であり娘である少女が世間を斜に構えてみながら、自分と兄以外の世界を拒絶し続ける。
なんかここには書ききれない、凄い世界を見せられている感じがします。
おまけに社会学者のあとがきでは、社会の俗を研究するためなのか、テレクラで少女たちのヒアリングを行っているなんている記載があると、どこまでがリアルで、どこからがフィクションなのかとますます、自分の見ている世界が信じられなくなってくる。
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知的障害を持つ兄とファンキーな妹。
二人しかいない閉じられた世界。
妊娠するが、兄は、そのことの意味も分からない。
そして、自分が、人工授精の娘であるということをしり、
なんともいえない存在感としてしまう。
自分の存在が、つねに否定されたなかに
生まれていることを認識し、
自分の存在の確かさをつかもうと努力するが、
なかなかうまく行かない。
こんな気分の女の子をどうやって、
世界の人は救うことができるのだろうか。
つらい話である。
凶暴な若者たちのある意味では、
大きなレジスタンスの時代かもしれない。
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恋空などが好きな方は読みやすいのかも?
自分の印象としては、良くも悪くも「ケータイ小説」の雰囲気って感じでしょうか…。
(「ケータイ小説」が流行る前の作品ではありますが。)
自暴自棄気味の主人公が全然好きになれませんでした。
なんというか、色々痛みにあふれた作品。
主人公の名前が著者と同じなので、自伝的な感じなのでしょうか?
表紙の写真とタイトルの美しさに惹かれて購入しました。
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ガールを先に読んだので、こちらは多少物足りない印象でした。
そして、特にこれと言った感想も、読み終えた時にはありませんでした。
以降の作品は、まるで別人の作品です。
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現代の暗い闇の部分にスポットを当て、危険で鮮烈な17歳が描かれている。
どろっとした、何だか胸にぬめりのように残る読後感。
扱っているテーマは難しく、ひとつ間違えばただの官能小説にもなりかねないのだけれど、
非常に深く掘り下げていて、こういった性をテーマにした作品にしては秀逸だと思いました。
…しかし次は読んでて楽しくなるようなのを読もう。
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1990年代末の「女子高生」をめぐる言説の象徴のような作品です。もっとも、宮台真司と速水由紀子によるマッチ・ポンプというような印象もあります。
宮台の「解説」には、アミは「今日的イノセント」=「世界の不受容」を象徴していると書かれています。身勝手な両親に背を向け、「テレファックス」という風俗で働き、DJキム・Dが主催するパーティでレイプされることになる彼女は、そうした世界の汚れにまみれながら、少しもその世界を受け入れない、イノセントな存在としてえがかれており、「セックスを一万回しても、マスターベーションを百万回しても、結局何の救いにもならない」とつぶやく彼女の「イノセント」な世界を、知的障がいをもつ兄タクヤとの性的な関係にかさねられています。
イノセントな存在どうしの「つながり合う環」が、「遺伝子」をめぐる空想のなかで求められるのは、「家族」という現実的なつながりに回収されてしまわないための著者の戦略だということができます。アミは偶然、自分が体外受精によって誕生したことを知って、「あたしの家族なんてものは最初から存在しなかったのかもしれない」と考えます。やがてアミはタクヤの子を宿すことになりますが、その子はアミの代わりに生まれるはずだった、両親の娘の生まれ変わりではないかという想念が、アミのなかに芽生えはじめます。
その後、アミは精子ドナーの男性と接触することになります。彼は、同棲していた女性と心をつなぐためのツールをもたず、そのことが理由で彼女をうしなったあとで、彼女の存在が彼の「心そのもの」だったことに気づきます。彼もまた、世界との現実的なつながりをもたない存在だったのであり、アミと出会うことで「袋小路」から抜け出すことになります。その後、彼とアミ、アミとお腹の子のつながりは、「実像の見えない幽霊のような存在」によって結ばれ、物語の締めくくりとなります。
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多分「リアル」なんだろうけど、イマひとつピンとこなかった。女の子の話だから余計にそうなんだろうな。あとがきや解説に宮台真司が出てきたり、最初作者が本当の女子高生だとか何とかいう噂があったりと、何となく戦略的なものを感じてしまい、一寸胡散臭い。女子高生ものはもういいから「14 fourteen」を読んでみようかな。