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下巻はスラスラ読める。緊迫感、自衛隊の意義について、かなり考えさせられる。最後が駆け足に感じられたのが残念。
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<きっかけ>面白そうな本を発掘してた時に見つけた本です。
<コメント>ストーリーは、「原子力発電所が並ぶ敦賀半島沖に北朝鮮の潜水艦が漂着した。対戦車ロケット砲で武装した特殊部隊十一名が密かに上陸、逃走する。」ところから始まる。これに対して国家の取れることは現状の法律では何もなく常に後手(被害が出てから手をうつ)状況で官僚の政治、死を目前とした現場の自衛隊の揺れ動く決断がうまく表現されてます。
現に他国に攻め込まれた場合、本当に小説のようなことが起きるのでないか?とさえ思ってしまいます。読み進むにつれて、ドンドン引き込まれて行きます。オススメです。
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某氏にすすめられてからかなり読破まで長かった。
正直つらかった。飛び飛びで読むと誰が誰で
どこの所属でどんなやつやねんとわけわかんなくなる。
ただ話としてはとても興味深い。
1隻の北の潜水艇が福井県沖に漂着し、
その後の福井県警から中央へ情報があがる遅さとその後のバタバタ…
実際こうなってしまうんだろうなと思ってしまった。
誰もが保身に、スケープゴートにされるのを避け
前線の1人1人の死は無視されていく。
難しい言葉が並ぶ中で突如、戦闘の描写にうつるとそりゃあもうドキドキ。
麻布署の外事課がホシを追うのにもドキドキ。
ただしエピソードには一時しか焦点があわず
そのほとんどで共感が得られないまま、ドラマチックに描かれる。
逆を言えばどんな時でも俯瞰でとらえられ描かれている感じ。
ただ膨大な情報量にはスゴイと思うが
警察マターから自衛隊マターに話がうつるときつく
あとから考えると「作者の知識ひけらかし?」なんて思ったりもする。
で、緊張感続いたまま、あのオチはどうなのかと思う。
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桜林洞ギャラリーの東山、李成沢(リ・ソンチョク)を追うコスモス班(公安)
原子力発電所のある敦賀半島沖に北朝鮮の潜水艦が漂着した。
警察、自衛隊の組織・機関の理解が難しかった。
艦や機の名前もすんなり入ってこない。
官僚たちの利己顕示欲、うんざりする利権争い、法律に阻まれガチガチの対応に情報が右往左往錯綜する。
危機管理の甘さと個人のちょっとした抜けが重なり重大なことへつながっていく。
難しかったけど、おもしろかった。
公安の行動確認や追跡など。
2008/10/1
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今突然北朝鮮が日本に攻め込んできたらどうなるか・・・とてもリアルに描かれています。
こんなになる前に何とかせねば。
フィクションですが、事がおこればノンフィクションになりそうな一冊
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ありえない話じゃないから怖い。
本当にこういう事態が起きたら、
今の日本じゃ対応できないのは明白。
なんだかんだと理由をつけてごまかしてるけど、
いざことが起きてからじゃ遅いのになぁ、
と思わざるを得ない。
つくづく、日本て変な国だと思う。
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簡潔にいうと、某国の特殊部隊が日本に侵入するも、政治が決断できない間に民間人含め数十人の犠牲が出てしまうという話。
もちろんフィクションだが、一歩間違えたらノンフィクションになると思う。
てか、憲法9条の戦争放棄は集団的自衛権を否定しているのであって、一方的に攻めれらた場合に応戦する権利(個別的自衛権)は有しているはず。にもかかわらず、一つの行動を起こすのに時間がかかる日本はおかしいね。本作が書かれた10数年前に比べ、有事法制が整ったとは言え、いざというとき、日本国民の生命が本当に守られるかは心配になりました。特に現政権は。。。おっと、これ以上はやめとます。
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北朝鮮VS日本。
とうとう自衛隊の出動を許可した内閣総理大臣。
しかし、あくまでも「防衛出動」の範囲内での作戦となる。
反撃もままならず、北朝鮮の11人の兵士を制圧できるのか・・・。
犯罪者と戦っているのか、国家間の戦いとなるのか。
生と死の分かれ目にギリギリの判断で切迫する現場。
そして責任をなすりつけ合う上層部。
そしておそらく日本人は忘れるのでしょうね。
喉元過ぎれば・・・。
日本は現代史だけを見ても決して平和な国ではないですね。
戦争に災害、テロ、事故、食品汚染・・・。たくさんの犠牲者を出している。
でもみんな忘れる。
忘れられない人たちがたくさんいることも忘れる。
喉元過ぎれば・・・。
自分に責任が降りかかってこないことで平和だと思いたいのかな。
自身も含めて。
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自衛隊の関連する小説を読んでいると、いつもぶち当たる問題を考えさせられます。
夏見正隆のスクランブルシリーズ。黒崎視音の交戦規則など。
その問題点というのは、有事の際に自衛隊が戦えないということ。戦うためのルール「R.O.E(交戦規則)」がないということ。
よく「自衛隊は自分が攻撃を受けるまで反撃できない」と言われていますが、現代戦において敵から攻撃を受けるということは死を意味します。それだけ現代兵器の精度や威力は高く、反撃をする前に自衛隊が全滅あるいは甚大な被害を被っていることが考えられます。
そういったことがこの類の小説にはよく書かれているのですが、それだけ自衛隊という組織が難しい問題の上に成り立っているということですかね。
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北朝鮮の潜水艦は座礁したのか?
艦内に原発のビデオが発見されるので敦賀半島を目指してたのだろう。それにしては上陸した特殊部隊は原発を占拠しない。
特殊急襲部隊(SAT)の投入についても、警察の山狩り前に先ずは投降を呼びかけるのが普通ではないか?
政府に至っては、いくら国交がない国とはいえ何らかの交渉はするのでは・・・?
大物工作員まで使って、北朝鮮はいったい何をしたかったのだろうか?
現行法での自衛隊出動、警察力の限界、有事法の未整備状態に対する警鐘などが評価されているようだが、そこだけに集中しすぎ。
小説としては?だらけでバランスが良くない。
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日本が抱える憲法上の問題や自衛隊と言う
ハードウェアはあっても法律・憲法と言う
ソフトウェアがしっかりしていないなど
本当にあった事件のドキュメンタリーか?
と思えてしまうくらいでした。
(事実、韓国で起きた事件をモデルに
しているようですが。)
娯楽作品とは言え考えさせられる
作品でした。
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読めば読むほど怖い。日本の危機管理ってどうなっているの?個人的には、組織とか機関とかいろいろな所属とかよくわからなくて飛ばし読みしてしまった部分もあり。
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日本の国防を考えさせれるシミュレーション小説。
リアルすぎてついていけないところも数多いですがすごく考えさせられる小説でした。
有事法制がない2001年に執筆されており、有事法制が2003年に整備されたとはいえ、今、有事が起こったら、結局はこの小説のようなことになるのでは?と思い恐怖を感じます。そもそも、今の有事法制でこのような事態は防げるの?その辺も理解していないのは自分だけではないでしょう。
ストーリーとしては、原発のある敦賀半島沖に北朝鮮の潜水艦が漂着し、対戦車ロケット砲で武装した11名が上陸します。警察が出動しますが、圧倒的な武力の差に太刀打ちできず犠牲者が続出します。普通、映画の世界では、こんな時には自衛隊でしょって思うわけですが、有事の際なのに自衛隊が出動できない。災害の際には出動できるのに..そんな現実を見せ付けられることになります。そういった自衛隊の出動について、自分たちの責任のなすりあいをする政府、官僚。一方での現場での命をかけたやり取り。あまりのギャップにつらくなります。
ようやく、自衛隊の出動が決断されますが、ここでも、相手が撃つまでは発砲できず犠牲者がでます。
目の前に敵がいるのに、発砲するためには総理大臣の許可がいる!現場つらすぎます!!交戦規定もない。あいまいな中で、何を信じて命を懸けなくちゃならないのか..
そして、北朝鮮から新たな潜水艦が..潜水艦をどうするのか?中国の動きは?アメリカは?まさに一色即発というところでくだされる決断は...
最後は、あっけなく終わってしまうのですが、それまでの過程がやはり恐ろしい、リアル感が十分伝わってきます。
有事の際に、日本は本当に国民を守ることができるのでしょうか。
戦争はしない、けれど、自分たちの命は守ってほしい。戦争と防衛という難しい課題を正面から見せつけられ、考えさせられる小説でした。
そう、フィクションであり続けてほしい。そして預言書にならないでほしい。
そんな物語です。
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小説とはいえ現実に同様のことが起こった場合、同じようなまどろっこしいことになるのだろうなと思う。
まともに国土、国民を守れる国になってほしい。 戦争反対は誰でも言えるが我々自身を守ることは絶対に必要。
しかし登場人物が多く、一向に前に進まないイライラさせられる小説でした。著者が悪いのではなく国の仕組みがそうなんですが、、、
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敦賀半島に潜んだ11名の北朝鮮の精鋭兵士を駆り出すため6千の自衛隊が投入された。本書が他の軍事スリラーと一線を画すのは、投入された自衛隊員が銃を構える敵性兵士に何ができるかについて、現実的に掘り下げたところにある。とどのつまり現行法の元では、撃たれて終わり。本作のストーリーでも死屍累々の結果、ヤケクソになってグレーゾーンの極大解釈の結果、初めて武装テロリストに対峙できるというプロットとなっている。そのテーマを際立たせる為に描写についても工夫がある。例えば通常、このジャンルの作品は、対峙する両者を対比して描くことで物語を構成させて書かれることが多いが、本作はほとんど日本側しか描写しない。そのことにより、日本のシビリアンコントロールが現実の有事に対して無力あることを効果的に描写している。そんなことから、本書は実は警告もしくは啓発の意図があったのかしらんと思ってしまう。ローマの時代より大凡国家と言われる全ての国体に議会はなくても軍隊は存在する。軍備を持つことは国家生存と同義であり、その最大の効用は抑止にある。その点では、自衛隊は立派に軍隊の機能を果たしおり、軍ではありませんなどという詭弁を弄すること自体がナンセンスなのである。戦後70年が経過し、東アジア一つとっても中国の軍事的台頭、遂に水爆の実験まで敢行した北朝鮮の突出、不安定な日韓、米韓関係と枚挙に暇がない。このような背景の中、本書のような軍事オプションが成立しないとも限らない。安倍内閣は任期中の現行憲法改正に意欲を示しているが、事が起こらないうちにしっかりと議論を行い対処すべき案件に丸腰で立ち向かうことのないように望みたい。